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2010.08.27
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カテゴリ: びしびし本格推理
表紙がとても上品な石持浅海のミステリーを読んだ。

○ストーリー
勅使河原冴はずっと父親に守られている。誰も彼女を傷付けることはできない。なにしろ父親は既に亡くなっており,彼女を超自然的なチカラで守っているからだ。だが,その事実が同僚に知られてから,彼女は痛ましい事件に巻き込まれる。

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石持浅海の名前は「扉は閉ざされたまま」あたりで意識するようになった。そんな中で発刊されたのがこの作品なので,山高帽の紳士が女子中学生に傘を差し伸べているというシャレた表紙を新聞広告で見たことはとてもよく覚えている。

タイトルとなっている「ガーディアン」は女性を守り,加害者には厳しい反撃を加える不可思議なチカラのことだ。勅使河原冴は,この存在を亡くなった自分の父親だと思っているが,作品中ではそれは曖昧なままだ。

通常ではありえない法則を設定し,その設定の中でミステリーを展開する,というのが,この作品の特徴だ。西澤保彦の初期のSFミステリーなども思い起こさせる。

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この作品は,「冴(さえ)の章」「円(まどか)の章」の2つが収録されている。それぞれガーディアンに守られた女性の物語だが,冴はOL,円は中学生と年令がだいぶ異なる。



主人公たちのガーディアンに対する考え方も対照的なようだ。冴はガーディアンを「父親代わり」と思っているのに対して,円は道具のように扱っているように見える。

このため,後半の「円の章」の読後感の悪さが,作品全体の印象を悪くしてしまっている。

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表面上はもちろん「冴の章」が親しみやすいが,この作品も石持ワールドに漂う不気味な偽善者っぷりが鼻につく。一方でダークな「円の章」を提示して見せるのだから,石持浅海は自覚的に「いい人たち」を登場させているのではないかと思った。

この設定を使うならば,もっと楽しい作品に仕上げることも出来ただろうに。残念。












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Last updated  2010.08.28 15:23:52
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