「双魚宮」楽天支店

「双魚宮」楽天支店

2008/01/13
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カテゴリ: 小説
夜の峠道を走り、密林を抜け、昼間発った都市にラグナスは戻ってきた。

ようやく着いた謁見の間には、リダイアとビィ、そして何故か悠楽までもがいた。
「あ、戻ってきた。」
一番始めに気付いたビィが声を上げると、リダイアが即座にラグナスのほうを向いた。
「ラグナス・・・何か分かったか?」
「ああ・・・どうやら毒を盛られていたらしい。解毒剤も調合して貰って来た。」
ラグナスはそう言うと、鞄の中からジリウスに貰った解毒剤のビンを取り出した。
「これか?」

「分かった。」
ラグナスからビンを受け取ったリダイアは、そのまま玉座のリアンに近付き、その口に白い液体を注ぎ込み始めた。
「全部飲ませるのか?」
「多分そうだろう。」
その後もリダイアは、液体が零れない様に慎重にリアンの口に流し込み続けた。
やがて液体が無くなると、リダイアは再びリアンに向けて話しかけ始めた。
「リアン様、私が分かりますか?リダイアです。」
「慌てるなリダイア、その薬は遅効性のようだから、すぐに効果が現れるわけじゃない。」
「そ、そうか・・・」
そう言われても尚、不安そうな表情でリアンを見るリダイア。
昔からこの男は人一倍リアンに対する忠誠心が高かった。

「とりあえず今日はもう宿に戻ろう・・・えっと・・・」
ラグナスは悠楽に声をかけようとしたが、彼女が一国の姫君だと思い出すと躊躇してしまう。
「えっ・・・な・・・何ですか・・・?」
「いや・・・その・・・声をかけ辛くて・・・」
「えっと・・・い、今まで通りで、結構です・・・」

「はい・・・」
踵を返し、先に宿屋に戻った二人。
リダイアとビィも、それに続いた。





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Last updated  2008/01/13 02:30:27 PM
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あとらんてぃか@ ぬるぽ ぬるぽあなたを愛してます
mkd5569 @ Re:交差する刃(03/26) 夜のブログ更新おつかれさまです。 3月…
A†Z @ Re:え!?(01/13) なわけねーだろwww
びい@ え!? 口移し!?
Enigma@ Re:消え行く光(11/11) 安らかに眠れ・・・俺!!

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