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lee みんなブルース・リーになりたかった

人生の原初体験は
東宝特撮、東映特撮、テレビの等身大仮面のヒーロー
リアルタイムで怪獣ブームを経験
スパイ映画、マカロニウエスタン、カンフー映画の各ブームも同様

80年代、池袋文芸座地下の「スーパーSF日本特撮映画大会」では
特撮クイズで最高点をマークして、『ゴジラ』の復刻版ポスターを獲得
(最高点はひとりではなかく複数名だった。本人は満点でなかったのが不満)

現在はアメコミヒーローなど楽しんでいるが、円谷特撮、ハリーハウゼンへの郷愁に生きる

原稿依頼承ります kei.doradora@gmail.com

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December 29, 2025
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カテゴリ: ヒーロー映画
​​​​​​​​​片岡千恵蔵氏の多羅尾伴内シリーズは、キング・オブ・「荒唐無稽」といっていいでしょう。
その多羅尾伴内シリーズの第一作が『七つの顔』です。

「あるときは多羅尾伴内、またあるときは片目の運転手・・・」の名セリフに表されるように、片岡千恵蔵氏が七変化、様々な人物に変装して捜査し、事件を解決に導きます。

『七つの顔』は、「荒唐無稽」といわれながら、映画は大ヒット。
その後、多羅尾伴内シリーズは全7作がつくられました。

「荒唐無稽」というネガティブな見方をされつつも、なぜ人気があったのでしょうか?

【あらすじ】
花形歌手清川みどりが、身につけた時価100万円(当時)のダイヤの首飾とともに誘拐された。賊は、首飾りを奪うとみどりを解放した。みどりの的確な証言から、事件は容易に解決に向かうかに思われた。そこへ「爺むさい」「田舎っぺ!」の私立探偵、多羅尾伴内が登場し、「(証拠が揃いすぎているから)その簡単な所に複雑性が垣間見える。この犯罪は、単なる首飾りの盗難事件で終わらない。この裏には、もっと重大な何かがありますな」などと述べるのだった。警察は、和製ルパン、藤村大造の犯行ではないかとの疑いをもつが、多羅尾伴内はそれを言下に否定する。まもなく、みどりの証言から、政治家の息子、野々宮信吾が逮捕される。その後、いたるところに怪しげな老守衛、新聞記者、手相見、眼帯の男などが出没し、事件の真相解明に迫っていく。

「荒唐無稽」の意味は、「でたらめ」。
ある地方では、「とろくさい」と言います。「とろくさい」(または「とろくせえ」)とは、「どんくさい」がなまったもの。
「どんくさい」、日本全国に流通しているのでおわかりでしょう。
しかし、「とろくさい」を使う地方では、「のろま」「さえない」のほかに「ばかばかしい」「ふざけた」「取るに足らない」というような意味合いでも用いられます。

「『七つの顔』ってさ、多羅尾伴内がいろいろな人間に変装しても、全員片岡千恵蔵がやってるって(観客には)まるわかりじゃないか⁈なんで、映画の中の人は気がつかないの?」
だから、「とろくさい」とか。

映画やドラマによっては、誰かが変装した人物を別の役者さんが演じることがあります。
例えば、『ミッションインポッシブル』では、トム・クルーズがある人物Aに変装すると、そこからは人物A役の俳優さんが演じます。
変装中は別の俳優さんが演じていて、正体をさらしてからはまたトム・クルーズ本人に交代するわけです。
そうすることで、いかにも「リアル」な変装となるのです。

しかし、多羅尾伴内は、必ず片岡千恵蔵氏が変装して、その人物になりきります。それは、変装の「リアリティ」を求めるのではなく、片岡千恵蔵氏がスクリーンに登場することが最優先事項だからなのです。

小学校の同級生に千恵ちゃんという女の子がいました。
その子が言うには「お父さんが片岡千恵蔵の大ファンで、私が男の子だったら『千恵蔵』と名付けられたけど、女の子だったから『千恵』になったのよ」とのことでした。
このエピソードから窺えるように、片岡千恵蔵は、絶大な人気を勝ち得ていました。なにしろ、「時代劇六(四)大スタア」「七剣聖」などに数えられ、そうした偉業から「山の御大」とも呼ばれました(もうひとり、「北大路の御大」市川右太衛門がいらっしゃいました)から。

「とろくさ」かろうがどうだろうが、他の役者さんが代わりをするようなことはあり得ないのです。

つぎに、「藤村大造は、相手の撃った銃弾を、ひょいひょいと体を動かしてよける。銃弾の速さからして、そんなことはありえない」。
だから、「とろくさい」というご意見ももれ承ります。
(『七つの顔』においては、ラスト近くのカーチェイスでの銃撃戦のことだろうか)

これについては、やはり藤村大造の無敵のヒーローとしての在り方、そして片岡千恵蔵氏の堂々たる貫録から、まったく気にするものではありません。
藤村大造=片岡千恵蔵は、弾丸よりも速い身のこなしができていいのです。

さらに、クライマックスの名乗りの場面です。
「あるときは多羅尾伴内、あるときは奇術師、あるときは老人、あるときは新聞記者、またあるときは手相見、片目の運転手、しかしてその実体は、正義と真実の使徒、藤村大造だ!」
このときに、「敵側、悪党連中は、なぜ拳銃を構えたままおとなしく口上を聞いているのだ?」との疑問をもつ方もおられるとか。

けれども、ここは、「とろくさい」と言うヒマもなく、「待ったました!」と全身を貫くシビレに身をまかせるところです。
この口上は、多羅尾伴内シリーズの、見どころ中の見どころなのです。
「あるときは・・・」と言いながら、「爺むさい」「田舎っぺ!」といわれた多羅尾伴内を装うヒゲや付け眉毛などをひとつひとつはがしていく。
そして「藤村大造だ!」の宣言すると同時に、キリっとした素顔とパリッとした服装で二丁拳銃を構えます。颯爽とした藤村大造の姿を初めてお見せするわけです。

この口上シーンで、カタルシスが一気に全面解放される。
この口上のシーンを見るがために、90分の映画を観賞しているといっても過言ではありません。

ところで、シリーズ第一作である『七つの顔』は、アルセーヌ・ルパン・シリーズの『謎の家』を原案にしています。
つまり、アルセーヌ・ルパン≒藤村大造(多羅尾伴内)なのです。

ご存じのように、怪盗アルセーヌ・ルパンは変装の名人で、ときに「探偵ジム・バーネット」を名乗ります。
元怪盗藤村大造は和製ルパンと呼ばれ、七つの顔をもち、「探偵多羅尾伴内」を基本形としています。

『七つの顔』は、『謎の家』をもとにしていることから、いきおい犯罪トリックとか謎解きがベースにあります。
ですが、『七つの顔』は、それ以上に片岡千恵蔵=多羅尾伴内(藤村大造)の、まさに八面六臂の活躍が前面に打ち出されています。

また、アルセーヌ・ルパンと藤村大造は、決定的な違いがあります。
ルパンは、探偵もするが本職は怪盗です。
一方の藤村大造は、怪盗だったのですが、改心して真人間となるために「七つの男」として正義と真実のために活動しているのです。

このようにして、『七つの顔』は、アルセーヌ・ルパンをお手本としつつも、よりケレン味が強調されています。
公開当時の観客は、(ある意味、上から目線で)「荒唐無稽」についてツッコミを入れながらも、「多羅尾伴内シリーズ」を心ゆくまで楽しみました。
いえいえ、今なお楽しめます。

「荒唐無稽」は、エンターテインメントの王様だ!





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Last updated  December 29, 2025 09:14:39 AM
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