男の羅生門 ‐ Guitar&Bike Life ‐

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★歪みマニア Wren and Cuff

歪みペダルは大好きでしたが、音階を無視した破壊的な音を出すファズペダルに関してはこれまで興味を持てず疎遠となっておりました。
そんな中、ここ最近になってジミヘンドリックス等のブルースロックに興味を持ちはじめ、38歳にしてようやく良さに気付きました。
これまでは『 ​グシャグシャに歪んで良さがさっぱり分からなねェわ​ 』だったのですが、荒れ狂う中にも確かなテクニックや感情表現がある。
特にジミヘンドリックスの音階やリズムは王道的な進行からは逸脱した隙のない歌うフレーズで『 ​今聞いても異天才 』だと感じます。



そうした音楽に触れ『 ​表現の幅​ 』として、これまで20数年というギターライフで1度も買うことのなかったファズペダルを購入。
全く知識こそありませんでしたが、どうせ買うなら買い足さない最高のファズをと色々調べて買ったのがレナンドカフのペダル。





アメリカ合衆国 カリフォルニア州にある孤高のハンドメイドエフェクターブランドで
特にBIGMUFF系のクローンを得意としていて世界的にも高い評価を得ています。

その中でもヴィンテージパーツを POINT TO POINT 、さらには出音を確認しながら最高の音を目指し1台ずつ配置変更を行うなど、
常識的に考えて手間がかかり過ぎる工程を惜しみなく追及し手作業で生み出していた幻のフラッグシップモデル。それがOLD シリーズです。
入手困難なパーツを使いまくった上に手間かかり過ぎて採算合わないのかシリーズは閉鎖した模様。

日本に入ってきたのは極少数で、2010年に製造されて既に廃盤品でシリーズも無くなってしまった超希少モデルですが、
運良く、その中で2つをGETすることが出来ました。


Wren and Cuff Creations Oldschool Fuzz Face NO.001 ​​


出音としては、コンパクトサイズにして超濃厚で恐ろしく野太い轟音を出します。音圧と密度ヤヴァイです。
それでいて減衰と同時に倍音が残り伸びていくような豊潤で美しいヴァイオリンサウンドとピッキングニュアンスの同時攻撃。
ディストーションが強炭酸水だとすると、こちらは密度のあるクリーミーかつ濃厚な発泡酒といった感じでしょうか。旨い!
ピッキングニュアンスの反応も非常に良く、理想的なファズサウンドでありながらギャリっとした喰らいつく様なニュアンスも出しクセになります。
仮にGAINをMAXにして音壁をガッツリと演出してもニュアンスは潰れることなくアタック時の倍音成分が混ざり合い音楽性が感じられるファズです。




何より素敵だと感じるのはギター本体の特性を生かしながらファズサウンドとなっていること。
音が破断寸前ギリギリラインの危うい領域を絶妙かつスモーキーに演出していることが言えます。

色が強すぎるとどんな弾き方をしても同じ音で単調な表現になり強弱も出せず、作られた感が出てしまいますが
このFUZZはしっかりギター本体の個性や旨味を生かしつつも、ピッキングの強弱でメロウにも破壊的にも変化してくれます。




内部はこんな感じです。基板上に希少なヴィンテージパーツを惜しみなく投入し1台ずつレイアウトを変えているそうです。
生産台数やコストを考えないで音を追求する姿勢で生み出され、結果的に同じ名前のペダルでも中身は全て違うという
作業工数とビルダーのこだわり、プロとしての妥協なき追求心が尋常ではない常識外れの仕様です。

個人的にはギターのボリュームを少し絞ったときの図太くもクリーミー&スモーキーなリードトーン。
そして半分くらい絞ったときのクランチの噛みつき具合、太いままクリーンまで下がるのも素敵です。
NOSのゲルマニウムを使用しながらも非常に扱い易いペダルです。




​​ Wren and Cuff Creations OLD BONES Series 1 Rich Fuzz NO.010


1960年代のラジオから使えるパーツを抜き取って製造された限定シリーズがコチラ。
60年以上前のヴィンテージパーツを抜き取って使った非常に希少な構成はこのシリーズ共通だと言えます。

単に古いパーツは経年劣化によって本来の性能を失っていることもあるので古ければ良かろうにはならないのが難しいところ。
品質管理をされて現場で使えると判断して使用し生み出されているのが1つ、本物の音を体感出来る強みでもあります。




中身はこんな感じ。やっぱ良いですねェ~こだわっている感が半端ないです。
Oldschool が BIG MUFF の進化系で上品な口当たりと苦みを持つビールだとすればコイツは黒ビール(謎)苦味が旨い。

GAIN幅と音圧、密度とシルキーさはOldschool の方が上だと思います。歪みの質に関してコチラはやや枯れたサウンドです。
ノイズは少ないですが、強く弾けば望み通り暴れ狂ってくれます。濃いワウペダルを踏んでいった時の様な美味しいノイズが出ます。
図太さ、ヌケや鈴鳴りは抜群で、どれだけ歪ませても分離感と音域はしっかり残ったゲート感が素敵です。

言うなればEPブースター強化型の音圧にケンタウルスの倍音や噛みつき具合、レスポンスをブレンドしたような、乾いたいなたいファズ。
弾いてて色々な要素を感じますが、この出音は中々無く、ポジションによって変化する太くハスキーなサウンドがメチャメチャ格好良い。




極々弱く弾いてもしっかり音を拾い出力するのでボリュームを10%程度でクリーンサウンド。
30~40%でオーバードライブ、60%でディストーション、80%でハイゲインディストーション
それ以上の開放でゲート成分がのってくるような感覚です。

ガツンと出る太い出音の中に適度な艶と枯れ、倍音やノイズが音楽的に絡みつき名前の通り『 Rich 』を感じる極上ペダルです。














知り得る限りWren and Cuff Creations Oldschool Fuzz Faceとしては、このシリアルNO.001。
Wren and Cuff Creations OLD BONES Series 1 Rich FuzzとしてはNO.009、010しか正規では入荷していないものと思われます。
​その中で001と010を手に入れられたのは奇跡的だと言えます。価格ではない価値を感じます。

何でもそうなのですが、経営面で見れば大量生産した方が楽ですし需要があれば会社としても儲かる。
多くの人に存在を知って欲しい。気軽に楽しんで欲しいという考え方であればそうすべきだと思います。

ですが、根本的な部分は会社ではなく音楽好きな個人としての考え方、生み出した存在に一切妥協しない姿勢。
​俺の存在意義はこうだ! というモノづくりの考え方を今尚も続けていることに感銘を受けた部分もあります。




音にもそのこだわりを感じるというか、『 ​そうそう。そうあって欲しかったんだよ。​ 』って音が出ます。
しかもメチャメチャ使いやすいのでどんなギターやアンプでも合わせられます。
これは手放せないファズペダルですね。




※追記
インスタに投稿したら製作者より共有されコメントを頂きました。嬉しい限りです。





【日本語訳】
wrenandcuff過去からの爆発。
約12年前に私が日本のために手作りした「OldBones」というシリーズの一部です。
60年代と70年代の古いAMラジオから回収された部品の約80%から、
いくつかのファズフェイスとブーストを作成しました。

作るのはとても楽しいですが、とても時間がかかります!
これらは最近日本で@purple.haze.777によって共有されました。
投稿してくれてありがとう!


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