男の羅生門 ‐ Guitar&Bike Life ‐

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August 3, 2023
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カテゴリ: 六弦黙示録
お気に入りで使っていた1959(2014年仕様2015年モデル)ですが、Gibson USAでもSLASHモデルが出てきて、何だか似たような仕様のギターが増えてきたのが少し嫌になったのと、近年 出力の高いピックアップを好まなくなってきたという個人的観点から、1959 Les Paul Standard Reissue という1959年のレスポールコンセプトに恥じない仕様、原点回帰しようかとプライベート企画が勃発!




まずは心臓部 Seymour Duncan APH-2 Alnico II Pro SlashのピックアップをK&TのWEEP(ZB&BB)に交換します。APH-2に関しては太く暖かみのある音ながら真空管アンプのボリュームをMAXにした様な張りつめたコンプ感と倍音成分があって、ギャリンとしたガラスの割れるようなキレと噛みつき具合、フロントではSLASHらしいスウィートでねっとりとしたウーマントーン、柔らかいクリーントーンが素敵でした。 当初は『 何かヌケ悪いなぁ 』と感じていましたがポールピース調整でかなり化けたので好んで5年ほど使ってました。 反面、他ギターでPAFレプリカを好んで装着した経験値が溜まり『 良くも悪くも音が整っている 』ということが少し気になってきました。

PAFレプリカでは本家Gibson Custombuckerを筆頭に、人気のWizz Pickups "Premium PAF Clone"やJimmy Wallace PAF等、自分としても他所有ギターに装着しているので良さを知っているわけですが、比べてしまうとAPH-2は良くも悪くも整えられていて雑味が薄い印象があります。他PAFレプリカに通ずるものはタッチに対して非常にセンシティブでノイズの中にある倍音まで出力する『 高性能マイク 』という表現が相応しくボディの鳴りや弦の響きをとことん吸い上げてくれる印象です。悪く言えば弾き手の能力次第で音が良くも悪くもなる誤魔化しの効かなさがあります。




そんな数多くあるPAFクローンですが、中でも高額でオカルト的にもてはやされているのが高野順氏が生み出すK&T PAF。本体価格15万円以上なので所詮は金持ちの中でチヤホヤされているに過ぎないものだろうと感じていましたが、以前所有していたCrews Maniac Sound LEDで体感した際にオカルトではなく実際にメチャクチャ高解像度で抜きに出て好印象でした。価格はヤヴァイですが金額面を抜きにすれば最高クラス。今回の仕様変更では1959コンセプトに恥じないようK&T(WEEP初期型)として復活。そして搭載!(無論、高いので中古でGET)

ピックアップカバーとピックガードを装着して改めて普通のレスポールとなりました。分かりにくいですがニッケルネジはサンポールで酸化させて錆を出し、ピックガードはヤスリと着色でエイジング加工して雰囲気を統一させました(笑)




導き出されたトーンは
​素晴らしきかな・・・交換して良かった!​


SLASHの音を目指すのであればAPH-2に軍配が上がりますが、ギター本体の音を活かしたレンジの広さと響き、美しい倍音とロングサスティーン、そして余韻の儚さがたまらない。コードを掻き鳴らしたときの分離感、ハイもしっかり出ながらミッドに分厚さを感じます。ボリュームやトーンを絞ってもサスティーンがほぼ落ちないというのもこのピックアップの特徴。特にボリュームの効き方は秀悦でクリーンからハイゲインまで綺麗に変化し全ての音が使えます。フロント(BB)では甘く揺らぎがあり艶やかで抜けも抜群。リア(ZB)ではひと皮剥けたダイナミクスなレンジを感じます・・・素晴らしく心地良い。

​・・・マジで心地良いぞ!!!!




このギターは所有本数が増えてきてしまい、第二子も産まれるとあって一度売りに出したこともあったのですが、親友が亡くなったときに買ったギターでもあり、今は無きヒスコレ最終年のハンドセレクト仕様。 色々考えた結果 売れそうでしたが手元に残しました。残す以上は使い続けるので今回の仕様変更となったのですが、今思えばその後 Gibsonの価格改定もあり、1959の定価が爆上がりして、この2014年仕様の市場価値も購入価格の約2倍近くまで上がったので残して正解でした。






ということで脱線しましたがピックアップ交換は無事 満足いく方向で完了しまして、この画像の通り、今度はコンデンサーのお話となります。これまで320design Green Manalishi を装着していて性能面は満足していましたが、1959コンセプトならコンデンサもヴィンテージ路線にしたいなと。Green Manalishi は装着している方が少ないのですが、ぶっちゃけメチャメチャ優秀なコンデンサでヴィンテージにも引けはとらない良さがあるなと感じています。『 残すべきか・・・変えるべきか・・・ 』悩んだ結果、欲望を抑えきれず・・・



​​​ ※画像は購入元 Vintage-Style by MG Co., Ltd. より

勢い余ってLUXE社のバンブルビーレプリカを買ってしまいました。伴って1960年代のKester44 vintageはんだでの装着をチョイス。スタンダードなKester44に比べて解像度が高いはんだとされています。 本物のバンブルビーは勿論素晴らしいのですが古いと抵抗がズレていたりとアタリ・ハズレもあり、数値管理されたものは高額。ならば抵抗値バッチリな新品レプリカの性能はどんなものなのか? ・・という単純な興味もありました。




2019年以降のカスタムショップ製ではこのLUXE社のものが標準装備されているので性能は折り紙付き。
精巧につくられた新品レプリカと1950年代のリアルヴィンテージ・・・どう違うのか。似てるのか似てないのか・・・全く同じ体感になってしまった場合は自分の中のヴィンテージ最高説が崩れるわけですが・・・(写真は別のギターにつけた1950年代 本物のBumblebee)

ちなみに今のGibsonの標準装備と全く同じだと何か悔しいのでフロントだけ別の静電容量(.015mF Bumblebee)を選択しました。この数値はフロントがこもり過ぎる場合に選択する王道チョイスで、定番の.022mFと比べて理論上では高域を通すのでボケない傾向にあります。 






なかなかにしてGOODです。ヴィンテージバンブルビーと全く同じ製法と素材を使って生み出されたレプリカだけあって凄く良く出来ています。ですが、傾向は似ていますが本物とは違いました。あえて言えば本物は更にいなたく、良い意味での音の揺らぎや暴れ感といった濃い味な印象があります。LUXE社のレプリカは絞ると本物よりも綺麗に高域が削がれミドルの美味しいところが前に出てきますので使いやすく、これはこれでアリです。見た目は寄せてますがサイズ感や雰囲気は本物とは絶妙に違うかな・・・とは思います。




これを知ると2014年に標準装備ついていたレプリカモドキ(写真は購入当初)は性能差が激しいなと。別に悪いコンデンサではありませんでしたが今思えば解像度が低くモコモコしていました。それはそれで味もあったので悪いとは言いませんがバンブルビーの見た目に対しての性能は別物ですね。


​【仕様変更前】​



【仕様変更後】



このギターは購入納品前にSLASH仕様にしてしまったのでスタンダードで紳士なルックスは逆に新鮮です。




派手な杢に対してスタンダードで清楚なルックス。見た目も音も通常時よりもバージョンアップしてもらいました。いいじゃん!




ピックアップやコンデンサーは装着間もないので本体に馴染んでいけば、もう少し音に変化があるはずです。
本体自体も製造年が2015年なのでラッカー塗装や木材が経年していけば更に化けそうな予感。
あとは大切にメンテナンスをしながら子供と一緒に育てていきます・・・愉しんでいこう!





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Last updated  August 4, 2023 10:21:18 AM
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