男の羅生門 ‐ Guitar&Bike Life ‐

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November 14, 2024
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カテゴリ: 六弦黙示録


以下 


けれど、どの製品もふたを開ければ必ず感じていただけると思います。

この筐体(きょうたい)に詰まっているのは、
音楽のあらゆる技術者やプレイヤー達から受け継がせてもらった技術、知識、経験であり、
日本のものづくりの職人から学ばせてもらった工夫、価値観の結晶です。

エレキギターはアンプにプラグインしてこそ音が出る。楽器になります。
楽器は演奏する者の意志、「声」を完璧に伝えられるものでなくてはなりません。

エレキギターにとってエフェクターは、プレイヤーの声を決定づけるための道具であり楽器です。
それを作るビルダーは、音楽に携わる職人としてプレイヤーの欲する声を追い求め、具現化し、
提案することで、世の中を刺激する役割を担っていると感じます。

筐体、線材、パーツ、すべてが音に影響します。何を選択したか、何を妥協したかの結果は音に如実に現れてしまう。
加工しなきゃだめだけど加工のしすぎもだめ。そのさじ加減には経験や思い切り、センスが必要で、
個々のビルダーの違いを生み出している部分でもあります。

私が重視しているのはヴィンテージパーツの扱い方。
個々のクセを把握して、最も効果的なところに適したものを配置できるよう力を入れています。

誤解のないように伝えたいのは、ヴィンテージ品や値段の高いものがすべて良いわけではないし、
現行品や安価なものが必ずしも良くないわけでもない、ということ。
昔も今もパーツでもどんなものでも、良いものは良いしだめなものはだめ、それだけです。

道具としての「姿の美しさ」も大切にしています。

外観の加工精度が多少粗くても、はんだ付けが雑でも、電気的にはそれほど問題ありません。
でも見た目がきれいなものは美しい音を出してくれそうな気がするから、
少しでも加工精度を上げたいし、はんだは美しく処理したい。

製品の魅力やポテンシャルを最大限に引き出すためにも、
ぱっと見て「きれいに作ってあるな」と感じてもらえるような外観、基板、作り込みを心がけています。

品質にどれだけ細心の注意を払っても、機械だから当然壊れることはあります。
ユーザーの手に渡ってみて初めてわかる不具合もあります。
そのたびに細かな改良を重ね続けてきました。

壊れやすいジャック、スイッチはとくに信頼性の高いメーカーのものを採用しており、
パーツも信頼性を最重視して、少々割高になってもできるかぎり高耐久性、長寿命のものを選んでいます。

機材のトラブルが原因でプレイヤーの大切な演奏を止めてしまわないよう、
エフェクターはタフな道具(ギア)でなければなりませんから。

私は不器用な人間なので、手間を惜しまず、当たり前のものを一生懸命作ることしかできません。

あなたの演奏を全力でバックアップさせていただきたいという気持ちと、
人生を何度も救ってくれた音楽への敬意をこめて、すべての製品を送り出しています。

nature sound / Zahnrad

ビルダー 薫田 福雄





プレミアム価格で取引されている “Zahnrad 4000Pre” に関しては以前所有していたことがあって、凄く高品質なペダルでしたが音が整い過ぎる印象もあって、“いなたい音(ヴィンテージ路線)” に走った俺としては使用頻度が無く手放してしまいました。そんな中、ビルダーの悲報(他界)を知り、“ 失われるトーンを1つは手元に残したい ” と色々と検討する中で、“nature sound” 初期のフラッグシップモデル “PHANTOM” が欲しいなと探しておりました。

そもそも “nature sound” 自体がハンドメイド・ワンオペ製作ということもあり、製造数が極端に少ない。
その中でも初期の“PHANTOM”は限定数で即売り切れたブティックペダルですので無いであろうと感じていましたが・・・見つけました(笑) 


■以下、正規取扱店 Tone Blue さんの説明より転記
オペアンプにMotorola MC4558CP1、抵抗にAllen BradleyとDale、ダイオードにTelefunkenのシリコンダイオード、
キャパシターにERO, Roedersteinなど、厳選したパーツをアイレットによるポイント・トゥ・ポイントにて製作。

ミュージカルなサウンドに仕上げるために、配線材の選定はもちろん、
ポットにも手を加えたりと、見えない部分にも手間を惜しまず完成させました。
完成後に100時間エイジングを行う事で角の取れた耳に心地良い音に熟成させています。

これらのこだわりが見事なバランスで融合し、倍音豊かで奥行き感のある芳醇なドライブサウンドが誕生しました。
まさしく上質なチューブアンプで得られるあのニュアンスを実現しました。




TS系(チューブスクリーマー)の回路を進化させた考え方の様で、他者のレビューでは『倍音が豊かで太く豊潤なTSサウンド』とありました。 キメ細かい歪みを持つTS系は個人的にあまり好きではなかった(やや粗めが好き)のですが、この “PHANTOM” に関しては確かに出汁はTS系なのですが素晴らしく奥行きがあり艶やか。お世辞にも素敵なペダルでした。見た目に関しても本物の木を使用していて存在感抜群。




究極のハンドワイヤ―ド ” を称する噂の内部基板に関しては見慣れないコンデンサが並びます。レイアウトが見た目にも美しく、ヴィンテージワイヤーやメイン基板下にエボニー材の基板をダブルで採用する等、こだわりを感じます。個人的主観ですがプリント基板は音信号の劣化と言うか、奥行き感が無くなってしまう気がするんですよね。 言い換えれば、劣化した音を増幅して誤魔化していると言うか、“真のナチュラルさではない” そんな印象を持っています。決して悪くはないんですが、聴覚的なロスの少なさは POINT TO POINT の方が良い気がします(固定概念)




ONにすると音が一気に太くなり艶やかさが増します。通常、音が太くなるとレンジが狭くなったり、原音が薄れニュアンスまで潰れてしまう(こもる)ものが多いのですが、どれだけゲインを上げてもクリーンサウンドに匹敵する芯がありニュアンスが生きています。この原音を生かしたワイドレンジのドライブと、余韻の中で細かく飽和していく歪みの粒感が超絶心地良い。楽器本体の音色を邪魔せずピッキングのニュアンスと反応速度が真空管アンプのレスポンスに近いのでエフェクトをかけても妙に生々しさがあります。

全体を通してミドルに焦点を当てたサウンドですが、低域のボワつきや高域の犠牲も無く分離感があり、
タイトさと広がりのある柔らかさも兼ね備えている匙加減が絶妙です。調整幅も広く全域が扱い易いので非常に万能なペダルです。 “nature sound” は原音を濃厚に料理する調味料といった具合でしょうか。 




“PHANTOM” は素晴らしい音圧とスピード感をもちながら温かく、溢れ出る倍音成分がたまらない独自路線のヴィンテージTS系ペダルでした。





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Last updated  November 14, 2024 08:00:10 PM
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