昨年10月ごろ 右ひざ関節を捻挫してから、水が溜まり痛くてたまらない。歩行が不便で仕方ない特に階段の上り下りが大変だ。
その上 正月早々からネフローゼの再発で3ヶ月入院 今は自宅療養中の身。
入院中は 家内が 吹雪の日でも凍みつく日にも バスを乗り継いで毎日病院に来てくれた。
一緒に昼食を摂りしばらく居て洗濯物を持って帰るのだが、今までになく、後姿が頼りなく儚げなのが気になった。
よろよろする時があるという。耳鼻科で診て貰ったら、メヌエルではないと言われ、耳垢が沢山取れてすっきりしたと笑っていたがふらつくことは治らないと言う。
入院中の
神経内科を受診したが 若い女医がCTの映像を見ながら 「誰でも年を取れば筋肉が衰えるからそのためでしょう運動しなさい」 と言ったと プンプンして帰ってきた。患者の訴えをよく聞かないで自分の考えを押し付けるようだ。小生意気なチンコロネーチャン女医は院内でも評判があまり良くない。
病院関係者の評価を参考にある神経内科医院を受診した。
50代の
Drは以前この病院に勤務していて、患者にも医療関係者にも好感を持たれていたと誰もが言う。私の主治医も、彼はいいよと太鼓判を押した。
診断の結果は、 「脊髄小脳変性症」。
原因は不明 治療法なしの難病で徐々に小脳や脳幹の神経細胞が死んでいき(変性)次第に
思うように体が動かせなくなる。
麻痺するのではなく動作の細かい調整が出来なくなる為運動機能喪失する国指定の難病。
・歩行しにくくなる。(今もよろめいたりふらつくがそれがひどくなる)
・姿勢が保ちにくくなり、倒れたり傾いたりする。
・手足が意図通りに動かせず、行過ぎたり 届かない。
・呂律が回らず会話ができなくなる。
・文字がかけなくなる。ペンを正しく持てない。等々
10年20年とゆっくりと症状は進みやがて車椅子生活にさらに進むと 寝たきりの状態に。
人口10万人に5~10人 Drも20人ばかり20代から70代までの患者を診ているという。
国の特定疾患で申請すれば公費対象となる。
Drの診断書を持って役所に申請に出かけた。私の2年前の所得証明を取り保健所へ提出に行かねばならない。
税務署へ向かう横断歩道で家内は左肘にしがみついた。よろめいたのだ。考えてみれば、二人が手を繋いだのは新婚旅行のときだけだ。昔は男女が手を繋いだり 腕を組んだりすることはなかった。
右ひざを痛めて足を引きずる私とひょろひょろふらふらする家内と
二人三脚のように 二人で半人前の覚悟でこれからは生きていかねばならないだろう。
長い長い年月 家内に頼り切ってきた。元気で丈夫で病気などするとは思ってもみなかった。甘かったなあ。
2年前の発症にもきづかなった。悔いても悔いきれないが、これも運命であろう。
与えられた寿命を全うするように、これからは家内中心の生活に尽くそう。