2003年04月18日
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 夜が明けると、大祭司や、民の長老たち一同は、イエスをどのよ

うにして殺そうかと協議し、イエスを縛って、引いて行き、総督ピ

ラトに渡した。

 さて、イエスが総督の前に連れて来られると、総督は、「あなた

がユダヤ人の王か」と尋ねた。すると、イエスは、「それはあなた

が言っていることである」と仰せになった。また、大祭司や、長老

たちから訴えがなされたが、それに対しては、何もお答えにならな

かった。ピラトはイエスに、「彼らがあなたに対して、こんなにさ

まざまの不利な証言をしているが、聞こえないのか」と言った。し



た。それで、総督は非常に不思議に思った。

 さて、祭りのときには、総督が群集の望む囚人を一人釈放するな

らわしがあった。そのとき、バラバ・イエスという、評判の囚人が

いた。それで、ピラトは集まって来た人々に向かって、「だれを釈

放してもらいたいか。バラバ・イエスか、それとも、メシアと呼ば

れるイエスか」と言った。ピラトは、彼らがねたみのゆえにイエス

を引き渡したことを知っていたのである。人々は、「バラバ」と答

えた。ピラトは、「それでは、メシアと言われているイエスをどう

したらよいか」と言った。人々は、「十字架につけろ」と答えた。

ピラトは、「いったい、あの人がどんな悪事をしたのか」と言っ

た。しかし、人々はますます激しく、「十字架につけろ」と叫びた



こりそうなのを見て、水を持って来させ、群集の前で手を洗い、

「この人の血について、わたしには責任がない。おまえたちが自分

で始末するがよい」と言った。人々は皆これに答えて、「その人の

血の責任はわれわれとわれわれの子孫の上に」と言った。そこで、

ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打たせた後、十字架につける



 さて、総督の兵士たちはイエスを総督官邸の中に連れて行き、部

隊の全員をイエスの周りに集めた。そして、イエスの着ているもの

をはぎ取り、赤いマントを着せ、いばらで冠をあんで、その頭にか

ぶせ、また右手に葦の棒を持たせて、彼の前にひざまずき、「ユダ

ヤ人の王、万歳」と言って、なぶりものにした。また、イエスに唾

を吐きかけ、葦の棒を取って頭を打った。このように、兵士たちは

イエスをなぶりものにした後、マントをはぎ取り、また、もとの服

を着せ、十字架につけるために引き出した。シモンというクレネ人

が目にとまったので、これにイエスの十字架を無理に背負わせた。

 ゴルゴタ、すなわち「されこうべの場所」という所に着くと、兵

士たちは胆汁を混ぜたぶどう酒を飲ませようとしたが、イエスはな

めただけで、飲もうとされなかった。兵士たちはイエスを十字架に

つけてのち、くじを引いてその衣を分け、そこに座って見張りをし

ていた。そして、イエスの頭の上のほうに、「これはユダヤ人の

王、イエスである」と書いた罪状書きをかかげた。そのとき、イエ

スとともに二人の強盗が、一人は右に、一人は左に、十字架につけ

られた。そこを通りかかった人々が、頭を振りながらイエスを冒涜

してこう言った。「神殿を打ち壊して3日のうちに建てる者。もし

神の子であるならば、自分を救え。そして十字架からおりて来い」

と。同じように、大祭司たちも律法学者や長老たちといっしょにな

って、あざけって言った。「あの男は人を救ったが、自分自身を救

うことはできない、イスラエルの王なのだ。今、十字架からおりれ

ばよいではないか。そうすれば、われわれは信じてやろう。彼は神

により頼んでいる。神が心にとめておられるならば、今すぐ彼を救

えばよいではないか。『わたしは神の子だ』と言ったのだから」

と。イエスとともに十字架につけられた犯罪人の一人が、冒涜の言

葉をはいて、「おまえはメシアではないか。自分とおれたちを救っ

てみろ」と言った。すると、もう一人の犯罪人がこれをたしなめ

て、「おまえは同じ刑罰を受けていながら、まだ神を恐れないの

か。われわれは自分のやったことの報いを受けるのだからあたりま

えだが、このかたは何も悪いことをなさっていないのだ」と言っ

た。イエスは、「あなたによく言っておく。きょうあなたはわたし

とともに楽園にいるであろう」と仰せになった。

 時はすでに正午ごろであったが、太陽は光を失い、全地が暗闇に

覆われて、三時まで続いた。聖所の垂れ幕は真ん中から二つに裂け

た。そのとき、イエスは声高く叫んで、「父よ、わたくしの霊をみ

手に委ねます」と仰せになった。こう言って、息を引き取られた。

 百人隊長がこの出来事を見て、神を賛美して、「このかたはまこ

とに正しい人であった」と言った。見物に集まっていた群衆も皆、

このいろいろな出来事を見て、胸を打ちながら帰って行った。

 イエスの知人たちと、ガリラヤからついて来た婦人たちとは、

皆、遠くに立ってこれらの事を見ていた。

 さて、ここにヨセフという、議員の一人で、善良な正しい人がい

た。彼は議員たちの議決と行動に賛成していなかった。この人はユ

ダヤ人の町アリマタヤの出身で、神の国を待ち望んでいた。この人

がピラトのところへ行き、イエスの体の下げ渡しを願い出た。そし

て、それをおろして亜麻布に包み、まだだれも葬ったことのない岩

に掘った墓に納めた。その日は準備の日で、安息日が始まろうとし

ていた。ガリラヤからイエスについて来た婦人たちも、ヨセフの後

について行き、墓と、イエスの体がそこに納められる様子とを見と

どけて帰り、香料と香油とを用意した。

 それから彼女たちは安息日に当っていたので、おきてに従って休

んだ。





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最終更新日  2003年05月05日 07時15分59秒
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