読んだり飲んだり走ったり

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2017年12月17日
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昨日記した中に、自分の病なのだから、きちんと情報を得る「勇気」を持つべきだ、さもなければ医師にすべてを委ねるべきだとありました。
じゃあお前はどうなのか、と言われたら、恥ずかしながら後者でした。
ちょっと調べたら、「長期生存率2,3割」に出会ってしまって、その衝撃をうまく受け止めきれなかったというのが理由です(基本的にチキンなもので…)。また、細かなオプションはあるにせよ、基本的な治療方法が確立している病だったので、何も素人が中途半端なことをやらなくても、という開き直りに近い思いもありました。
でも、昨今は、医師が病気についてきちんと説明した上で、患者に選択させるという流れがあるようですね。医師の責任逃れ、というわけでは絶対にないでしょう。患者に、受け身ではなく、自分で選んだ道なのだから、自分で前向きに取り組みなさいと促す意図があるのだろうと考えています。これはこれでいい流れなんじゃないかなぁ。

さて、本題です。ただ、「不安」についてはあまりに千差万別で、その逐一に目を向けることなどできようはずがありません。ここではごくごく一般的なことだけを。

「酋長の祈り」という話があります。簡略化していうと、ある部族で、若者の通過儀礼として「狩りに出ること」があったとします。猟場まで一日の行程、これには危険がない。翌日、危険を冒して猟場で狩りに出る。そして、成果はどうあれ、その翌日には初日と同じ行程で戻ってくる、という三日間。
さて、若者たちの無事を願って、酋長はいつからいつまで祈り続けるか。

合理的に言えば、若者たちが危機にさらされるのは、猟場に出ている二日目だけですから、その日一日だけ、祈り続ければいいことになります。
でも、実際は三日間、つまり若者たちが帰ってくるまで祈り続けるでしょう。



要するにどういうことか。不安は、結果を知るまで解消することはない、ということだろうと思います。

じゃあ、その消すことのできない不安とどう向き合うか。

何事も整理のしようはある訳で それの工夫を考えてみる

不安そのものに目を向けるのではなく、それを整理し、把握するにはどうすればいいかを考える。その間、不安からは目を逸らすことができそうです。

ではどんな工夫があるか。一つだけ紹介します。ある程度字が書ける大きさの付箋と、大きめの紙(B4くらい)を用意します。そして、今抱えている不安を、付箋一枚に付き一個ずつ書いていきます。すべてはき出したかなと思ったら、今度は大きめの紙をいくつかに分けて(折れ線をつければ十分)八つくらいの領域を用意します。領域をカテゴリー化します。例として、「生き死に」「治療」「副作用」「仕事」「費用」「家族」「生存率」を挙げておきましょう。そして、不安を記した付箋を、それぞれの該当する領域に貼っていく。
これは、自分の抱えている不安をはき出すと共に「見える化」し、客観的に把握する上で有効だと思います。

そうやって整理したものを、次に、時系列に並べていきます。今やらねばならないこと、次にやらねばならないこと、さらにその次…。

不安に駆られてどうしようもなくなってしまうのは、それらが一気に押し寄せてくるからだろうと思います。それらを全部受け止めることなどできるはずはないし、そもそも無駄でしょう。

自分のことを例に出してみます。「治療」の領域です。まず、不完全寛解で治療に臨まざるを得なかったということがありました。でもこれは今更考えても仕方がないものです。次に、「前処置」への不安があり、「副作用」「輸注」「生着」「GVHD」と続きます。
つまりどういうことかというと、向き合うべき不安はその都度その都度、きわめて具体的にあり、その時どきで、それをどうすればいいのかに集中すればいいでしょうということです。

「前処置」が始まる前から、無事「生着」するかどうかを不安視しても仕方がありません。それは、無事「輸注」にこぎ着けた後に向き合えばいいことです。また、「生着」もしていないのに、「GVHD」の不安に駆られるのはそれこそ無意味です(それを視野に入れておくことは、患者の過ごし方としてもちろん大切ですが)。ただでさえ心身共に不安定な時期ですから、無駄なことはなるべく排除して、目の前の課題に取り組むのがベストでしょう。そういう姿勢があれば、実はその時どきで向き合うべき不安は、そう多くも大きくもないことに気づくはずです。



「前例」を調べることは、多少なりとも不安を鎮める効果はあるでしょう。でも、自分以外の人のことですから、そのまま自分に当てはまる保証はどこにもありません。

今自分が置かれている状況を把握し、そこで向かうべき不安についてだけ心を砕く。
どんなに辛かろうと、時間はちゃんと流れ、結果が出ます。そうやって、不安を一つ一つ解消しながら、次の段階へと一歩一歩進んでいくのが一番いいのではないでしょうか。

明日もいい一日でありますように。

【メモ】

これも意外な拾いものでした。油田から出てきたモンスターを亡き者にしようとする会社側と、そのモンスターと心を通わせ、それを守ろうとする高校生の話。モンスター物ではなく、さわやか青春物語ですね。モンスターの能力が高すぎですが。





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最終更新日  2017年12月17日 20時34分07秒
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