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私
: 月刊総合誌
に「 ウエッジ・WEDGE
」というのがある。
この1 月号の新刊書評
にこの佐野氏の本がとりあげられていた。
それに、まず、次のような 佐野氏の体験
が書いてあった。
佐野氏がある書店のノンフィクションの棚を見たら、手間隙をかけた自分の本が 血液型診断の本と一緒
に並べられていた。
それを見たとき、血の気が引いたという。
人は多様で、 安易に4つの血液型で分類
して、人が分かったよう思う危険性があるからだ。
そういう思考からは深い観察眼や洞察力は決して養われず、深い人間関係も築けない
と佐野氏は、この本を書いた動機を語っているという。
A氏
:昨日、 養老氏
の「 脳化
」にふれたが、佐野氏が取材する人間は「 自然の人間
」だね。
人が 血液型
という「 脳
」で描いた「 人工人間
」ではないね。
私
:昨日の「 かけがえがないもの
」で 養老氏
は、 病院で検査した経験
を書いているね。
総合病院のあちこちの科に行って、 いろいろな検査
をする。
何日かたって、検査結果が出て、病院にいくと、 医者は養老氏をチラッと見るだけで
、 後は検査データシートをにらんでいた
という。
養老氏の身体
は、 検査データシートに「脳化
」、すなわち、「 脳が決めた身体表現化
」されたわけだね。
しかし、真の「 自然の養老氏の身体
」は 医者の横
に座っているのにね。
医者の多様さの理解や観察力
は消えるね。
しかも、その検査データは 1週間ほど前の過去の養老氏のデータ
にすぎない。
A氏:
君の 養老氏知的街道
に書いてあったが、養老氏が教えていた医学生が、
死体解剖で教科書通りでない死体にぶつかり
、 死体がおかしい
と言ったというね。
私
: 佐野氏
は、日本人は「 脳で汗をかかなくなった
」という。
特に 思考停止とも言えるパターンやフレーズ
で対象を理解した気持ちになってしまう。
これは政治も同じで「 構造改革
」は、その一例だという。
「 団塊の世代
」もそうだね。
昨日の養老氏の「 かけがえがないもの
」でも「 国体
」というものが戦前と戦後は変わっているのに、言葉は変わっていないのにごまかされると言っているね。
佐野氏は「 大文字
」はだめで「 小文字
」に直すべきだという。
だから「 団塊の世代
」という「 大文字
」は、「 日本の貧しさを知る最後の世代であり、日本が豊かになっていくことを最初に実感した世代
」という「 小文字
」になる。
小泉構造改革
という「 大文字
」を「 小文字
」にすると「 脳に汗
」が必要だね。
A氏 :「経済のグローバル化に伴ない、日本ではじめて、 正規雇用制が崩壊 し、労働者階層でも 格差が拡大 し、 派遣社員というワーキングプアを増大 させた改革」ということになるかね。
私:佐野氏は、高度成長を築いた人物の一人として ダイエーの創始者
である 中内功
氏の「 自然
」に迫るね。
ノンフィクションの取材には、見る取材である ルポタージュ
と、聞く取材である インタビュー
がある。
そのためには、「 足
」が必要だ。
いずれにせよ、 五感をフルに使わないと取材対象に深く入り込めない。
特に相手は「 自然としての人間
」だからね。
ダイエーの 中内功氏
との何回かのインタビューで、中内氏が突然「 戦争で一番怖ろしいものは、隣りの日本兵だ
」と言ったという。
「 眠ると、いつ隣りの日本兵に殺されるかわからないから、それが怖くて戦場ではなかなか眠れなかった
」
中内氏は 人肉食いの噂
がつきまとう 地獄の戦場である フィリピン・ルソン島
で戦った。
中内氏の所属部隊は 百人中73名が戦死
したという。
A氏 :佐野氏は、 高度成長時代の原点 に 戦争の厳しい体験 があることを感じたのだろうね。
私: 佐野氏は、 戦後生まれ だから、こういう体験に迫るには、五感を働かせ、「 脳に汗 」をかいて、取材することが必要だっただろうね。
明日は、佐野氏の他の人の評伝についてふれよう。
「武蔵と生きる 漫画家井上雄彦氏」朝日… 2009.05.10
「響きあう脳と身体」甲野善紀・茂木健一… 2009.05.09
過剰消費からの脱却・2の2・本、フロッ… 2009.03.22