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公平・無料・国営を貫く英国の医療改革
私
: イギリスの総医療費の対GNP比
は 1996年に6パーセント
と先進国では低いほうであったが、 2006年には8パーセント台になり、9パーセント
を目指している。
日本は8.1パーセント
で OECD30ヶ国中、第21位。
イギリスは、医療改革で2006年に日本を追い越した。
アメリカは15.3パーセント
、 ドイツは10.6パーセント
だね。
A氏 :もっとも、 GNP比という数字 は、「 購買力平価 」を 考慮すると変化 するからね。
私
:その 変化した数字
は、この本にはないがね。
ところで、 イギリスの医療改革の効果
は、 2000年に比較して 入院待機患者が半減
したこと
、 心臓病やがんの死亡率が10パーセントから20パーセント減少
したこと、 成人喫煙率も数パーセント低下
したことなどだね。
A氏 :日本のような 医師数の地域格差 、 診療科目による医師数の偏在 などないのかね。
私
: イギリスでは、患者はいきなり、大病院に行けない。
「 かかりつけ医:GP
」 制度
がある。
GPは日本の町医者
のようなものだが、日本と違って 高度の検査機器
は持っていない。
GPが入院や高度医療を必要と判断した患者
が 病院を紹介
される。
GP
は、 1500人から2000人程度の登録患者
を受け持っていて、国がGPの許可権を持っているので、 都市集中化
は問題になっていないようだ。
A氏 :日本の 国によるタクシーの台数規制 みたいだね。
私 :それに 診療科目による医師数の偏在 もあるようだが、 医療改革で医師数が増加 したため、問題化していないようだね。
イギリスは 2大政党制
だが、 サッチャーの保守党政権
は 競争と市場原理の導入
を軸に改革をした。
しかし、 ブレアの労働党政権
は 伝統的な労働党の発想に、保守党が掲げた市場原理を採用
しているので、 現場では一貫して改革
がすすんで来たという。
医療改革が実行できたのは、 政権交代があっても根底は一貫した改革
があるということだね。
A氏
:それは ブレアが国家的重要課題
とした 教育改革
も同じだね。
サッチャー改革
をうまく受け継いでいるね。
私 :それに 1997年からの労働党政権 は政策決定に 国民の声と予算の力をフルに活用 したことが 改革を断行できた大きな要因 だね。
A氏 :やはり、 先立つものは財源 だね。
私: イギリスの10年にわたる長期ビジョンに基づく医療改革
は、効果もあるが、負の部分もあり、その意味でまだ、 改革途中ともいえる
が、この本は、新書版なので、ざっと要点だけまとめている。
しかし、 大改革なので要点だけでも複雑
だね。
A氏 :日本は 医療危機 を叫ばれているが、参考になる点はあるのだろか。
私 :日本とイギリスは医療のシステムが異なる点が多いので、そのまま、参考にするということは危険だが、著者は、 参考になる点 を次の5つにまとめているね。
1.対処療法的でなく、システムとして長期的なビジョンと問題の徹底的な洗い出しに時間をかけて政策を策定していること。
2.医師や医療機関の生産性を高めるために第3機関が目標値とその達成値を情報公開して、「質」の向上を図ったこと。
3・地域医療のマネージャーの強化をしたこと。
4.地域住民の連帯を強化して、病気の予防を強化したこと。
5.医療だけでなく、省庁の枠を超えた取り組みをしたこと。
A氏 :どれも日本にとっては耳が痛いことだね。
私 :要は、 政権のリーダーシップ と 国民の医療制度を守ろうとする意志 がポイントだろうね。