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私
: ISO9001の初版
は、 1987年版
だが、「 それがないと品質に有害な影響をおよぼす場合、作業指示書(documented work instructions)の要求
」がある。
ただし、「 掲示せよ
」という具体的な要求はないね。
94年版
は、 87年版
と基本的に同じだが、「 作業指示書
」が 「手順書(documented procedures)」
になっているね。
これも具体的な 掲示要求はない
。
次の 2000年と2008年 の改訂版は、全く同じ内容で「 製品の特性を述べた情報を利用できる 」「 必要に応じて作業手順(work instructions)が利用できる 」と 87年版と94年版 と比較するとかなり表現が変わっているね。
A氏 :英語では documented(文書化 )がなくなっているね。
私
:ここにも 具体的な掲示要求
はないね。
ISO9001規格
では 掲示要求
がないから、別に掲示しなくても、身近にあって「 利用できる状態
」
であればよいということになるね。
ところが、この英文の work instructions
にあたる日本の「 作業標準書
」が現場で 作業者の前に掲示
されるというのは、 不思議に最初から継承
されているね。
まぁ、 掲示は個々の企業の自由選択
だから、 ムリに掲示の必要はない
ね。
しかし、 問題は、別に存在する。
A氏 :なんだね?
私
: 多くの場合
、 掲示されている「作業標準書」
を 作業者は見ていない
ということだね。
作業者は「 作業標準書
」に書いてあるような内容は、毎日、何回も繰り返しているので、 身についていて、見る必要がない。
要するに 掲示は意味が無い
のではないかということだね。
以前、早くに ISO9001
をとった工場を見たことがあるが、 10台
くらいある プレス機械
のそれぞれの横に 作業標準書らしきものが貼ってあった
。
内容は全部の機械が同じで次のようなものだった。
1.金型をプレスの台にセット
2.プレス機械の電源ON
3,作業開始
4.作業終了時に電源OFF
5.金型を外す
。
A氏 :それは「 やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ 」で、 新人が数分で覚えてしまう内容 だね。
私
:同じものを10枚貼るのでなく、 職場の隅に1枚
だけ置いておけば十分だし、この程度は「 それがないと品質に有害な影響をおよぼす場合
」にならないから文書としても不要だね。
現場の壁
に、 いろいろな文書をぺたぺた貼ってある
のも、見ていないで形式だけだね。
2、3年前
にある 自動車部品
を作っている 数十人の外注
に行ったら、 作業標準書
を作業者の前に掲示していたが、当然、 作業者は見ていない
。
親 会社の品質保証部門の担当者
が 工場監査
に来て、 掲示を要求
しているのだという。
ところが、 翌月
、その会社に立ち寄ったら、 掲示がない。
A氏 :何故だろう?
私 : 親会社の資材部長 が来て、 誰も見ていない掲示してある作業標準書 を見て、「 ムダだから外せ 」となったんだね。
A氏
:外注はどっちのことを聞いたらいいのかね。
両方とも「 顧客要求
」だしね。![]()
私
: 別の大手の自動車部品メーカー
の 品質保証部門
は、 十数年間
、全部の外注に 作業標準書を掲示
させていた。
ところが、昨年、その外注の人にあったら、 その大手の経営幹部が交代
して、外注で 作業者の前に掲示してある作業標準
は「誰も見ていないのに、 作業者の視界をさえぎるので撤去せよ
」となったという。
外注は現場がすっきりして大喜び
だったね。
A氏
: 親会社の品質保証部門の人たち
は 長年の指導を否定
されて面目丸つぶれだね。![]()
私 : 掲示の必要性 に素直に疑問を持たないように「 知的体力 」が弱いんだかから、いつかは「 知的体力」のある人 にやられるね。