PR
Keyword Search
Calendar
Comments
Freepage List
【送料無料】ディアスポラ
私
:「 ディアスポラ
」と「 水のゆくえ
」の 2編
からなっている 単行本
だ。
いずれも 勝谷誠彦
氏が「 文学界
」で発表した作品で、それも「 ディアスポラ
」は 2001年8月号
、「 水のゆくえ
」は 2002年6月号
だね。
A氏 : 10年前の雑誌の作品 がなんで今頃、 単行本 で発刊されるのかね。
私
:この本も何かの書評で興味をもって図書館に予約して大分待って借りたものだが、その書評にその理由を書いてあったのかも知れないが、忘れた。
だが、読むうちにその理由がわかってきた。
本には「 あの 事故 」としてしか書いていないが、「 ある事故 」で 日本人 が国土に住めなくなり、 全世界に逃げて散らばった ということが前提になっているんだね。
A氏
:「 ディアスポラ
」というのは 広辞苑
でひくと「 離散
」とあるが、パレスチナから他の世界に 離散したユダヤ人
をさすんだね。
「 民族離散
」だね。
何の「 あの事故
」で日本人は国土を捨てて離散したのかね。
私
:この本では「 あの事故
」としかないが、なんとなく分かるのは 原発事故
のような気がするね。
それによって、日本国土が 放射能で汚染
されて「 民族離散
」となったというものだね。
SFの 小松左京氏
の「 日本沈没
」は日本国土そのものが無くなる話だが、この本では 帰る可能性があるという設定
だね。
だから、作品発表後 10年 も経って、原発事故にあって 郷里 から「 離散 」している 福島県の原爆被災者 のことと関連して、発刊されたのではないかと推測されるね。
この本は、「 あの事故
」で チベットの高地に避難した20人ほどの日本人
の生活を描いいている。
気圧の低い高地
ですべてが日本の自然と異なる土地で、避難民として与えられるすこしばかりのカネや資材で生活する。
その中で、 日本人のアイデンティティ
とは何かが問われる。
ある家の主婦が高山病でなくなるが、お骨にする燃料も墓の土地もない。
しかたなく、日本流でなく、チベット人の 鳥葬
で葬る。
もう一つの「 水のゆくえ
」も ダム建設問題
を扱っているが、これも「 ある事故
」で死ぬ人が出る。
「 野外に出るな、家の中にいろ
」というのは、今の 原発の死の灰からの避難
だね。
A氏 :2編とも 原発事故による死の灰の拡散 が背景にあり、その広がりは、この作品の発表後 10年 に、実際に起きた 福島第1原発 の比ではない「 大原発事故 」だろうね。
私 : 勝谷氏 のこの作品は 10年前 に 福島第1原発 を予告したような文学作品だね。