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ルポ イチエフ 福島第一原発レベル7の現場
私
:昨年の 12月9日
(日)の 朝日新聞の書評欄
で興味を持って図書館に予約して、27日に借り出し、年末年始の読書に間に合った。
福島第1原発事故
の対応に現場第1線で作業した人々、50人の取材ルポ。
「 イチエフ
」とは原発労働者が 福島第1原発
を指していう言葉だ。
人によっては、取材に応じると職を失うということで拒否したり、匿名を条件としたりする人がほとんどだったという。
A氏
:第1線労働者の立場がよく理解できるね。
雇い主の気にさわって、クビになったら、他に職はないからね。
私 : 原発労働 のことは、ブログでもときどき取り上げたが、改めてこの本を読むとその階層の凄さに驚くね。
東京電力
から 日立、東芝、東電グループ
などの「 元請
」から、 1次請、2次請
、 3次請
と降りていく。
これらを「 登録業者
」という。
東電
のルールでは、「 登録業者
」の作業員でないと、原発の作業はできないことになっている。
ところが、現実には 4次、5次と7次
まであり、これらを「 人夫出し(派遣)」
という。
これらの 派遣労働者
は、形式的には「 登録業者
」に所属する作業員ということで、原発で働く。
この階層構造が原発労働の 諸悪の根源
だね。
A氏 :下に降りるに従って、途中で給与の ピンハネ が行われる。
私
:末端の作業者には、「 元請
」の 半分から三分の一
しかいかない。
安全管理
もおろそかになる。
土木建設業
の下請けの安全管理のほうがまだしっかりしているね。
A氏
:技術的には最先端であるべき職場なのにね。
最も、 非近代的
とはね。
私 :それから、50人のインタビューをした人で、原発事故前から原発で働いていた人がいたが、最初、職場に 刺青の人 が多いので驚いたという人がかなりいたね。
ところで第1線労働者の間では作業現場で被曝することを「 食った
」というんだね。
「 食った
」量をごまかすのは、一定の量以上「 食う
」と失業保険なしでポイだからだね。
ところが、第1線ほど「 食った
」量が多い。
事故前の 2009
年のデータによると、 年間10ミリシーベルト
以上被曝した下請け労働者 257
人。
東電社員が 2名
。
いかに原発が下請け労働者に依存しているかがわかる。
事故発生のときは、1時的に、 東電社員の被曝量 が多いが、その後は下請け労働者の 事故収拾の人海戦 となるね。
「 食った 」線量が制限を超えると「 使い捨て 」になり、また、新規の下請け労働者が派遣される。
A氏 :「 使い捨て 」の連続だね。
私
:俺はこの本の原爆労働者の実態を読んでいくうちに、昨日まで読んでいた「 生還
」の ペリリュー島の玉砕戦
を連想したよ。
水素爆発
をしたときのガラクタで、 極めて危険な原発敷地内
で、線量計をピーピー鳴らしながら、人海戦術で放射能と戦っている労働者は、武器弾薬が不十分で、戦力が強大な米軍と戦っている ペリリュー島
の第1線兵士と同じような気がしたね。
米軍と日本軍が違うのは、兵士の扱いだという。
日本軍では軍人とは将校のことで兵隊は軍人でも人間でもなかったという。
原発労働者は「 使い捨て 」で人間ではない扱いなんだろうか。
A氏 :原発の事故については、放射能を「 食い 」ながら、なんとか最低線に事故を抑えた 2万3千人の下請け労働者 はもっと評価さるべきだね。
私 :今日現在も「 イチエフ 」では下請け労働者が、ピンハネされた安い賃金で、粗雑な管理下で、多量の放射能を「 食い 」つつ、事故の収拾のため作業している。
原発ゼロ だとか、 脱原発 だとか、 卒原発 だとか言う前に、 足元の下請け労働者 に感謝すべきだね。
「 イ
チエフ
」で事故収拾の陣頭指揮をとった 吉田昌郎
前所
長は、昨年8月に
「私自身は仕事柄、現場に行けない。
しかし、現場に飛び込んでいってくれた連中がたくさんいる。
この人たちがいたからこそ、事故収束をこのレベルまでもっていけたと思っている」
と感謝の弁を語っていたという。