広島で被爆、韓国人原告が逆転勝訴…国に賠償命令
(読売新聞 1月20日1時36分更新) |
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太平洋戦争中に強制連行され、広島市で被爆した韓国人の元徴用工40人(うち19人は死亡)が、国と三菱重工業(東京)などに総額約4億4350万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が19日、広島高裁であった。 被爆者が出国した場合に手当の受給権を失うとした1974年の厚生省(現厚生労働省)局長通達について、西島幸夫裁判長は、「被爆者援護法の解釈としては認められない」などと述べ、請求を棄却した1審判決を変更、国に対し、原告1人あたり慰謝料など120万円、総額4800万円の賠償を命じた。 在外被爆者対策をめぐり、国に賠償命令が出るのは初めて。国や三菱側に対する強制連行・労働の不法行為、未払い賃金の請求については、時効などを理由にすべて退けた。原告は三菱側について上告する方針。 判決によると、原告は1944年から広島市にあった旧三菱重工業の広島機械製作所などで働き、翌45年に被爆した。西島裁判長は、局長通達について、「通達は、国籍にかかわらず被爆者を広く援護しようとする人道的な法の適用を否定するに等しい」とも述べた。 原告らの精神的損害については、「(国が被爆者として認定した)被爆者健康手帳の所持の有無にかかわらず、(原告らの被害に)差異はない」との判断を示した。 一方、強制連行・労働に関し、国については「不法行為が成立する余地がある」とし、三菱については、原爆投下後に十分な食事を与えず放置したなどとして、安全配慮義務違反を一部認定。国側が主張した旧憲法下の国の行為は、責任を問えないとする「国家無答責論」を退けた。 しかし、国や三菱の不法行為に関しては、行為の時点から20年が経過すれば、損害賠償請求権が消滅する民法上の「除斥期間」の規定を適用。未払い賃金についても、請求権の消滅などを理由に退けた。 弁護団長の在間秀和弁護士の話「通達の違法性が認められた点は画期的な判決。今後、戦後補償に与える意義は大きい」 |
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