April 21, 2007
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カテゴリ: 身辺雑記
母の元同級生が、孫の結婚式のために岩手から来るというので会うことになった。

母とは家も近くで、小学校から女学校までずっと一緒だった人らしい。

80歳。腰が少し曲がってきていて、ゆっくりしか歩けない。持病がいくつかあるが、目も耳も、頭もはっきりしていて、日程に余裕さえあれば長距離の旅行もできそうだ。

母に比べれば自分たちは劣等生で、だから惜しい人をなくしたと繰り返し話す。

母は成績は一番で、卒業まで総代だったという。声がきれいで歌が上手で、絵もうまかった、小説家になるのではないか、どこかへ出て行くことで成功する人だと思っていたと話してくれた。

ニューギニアから奇跡的に生還した亡夫の話から、戦争の話、いちばん危険な前線に送られた岩手や北海道の部隊の話になる。

朝鮮や中国で日本は悪いことをした。日本が悪かった。

80歳の、女学校しか出ていない老婆のこの認識は健全そのものだ。

この人(Sさん)はずっと故郷に留まり、結婚し、子供をもうけ、孫が結婚する年齢になった。いや、もうひ孫がいるのかもしれない。



Sさんの息子は札幌の大学で教えている。高山植物の研究者で、新種の発見などの功績で大きな賞をもらったこともあるらしい。

母の生家のあるあたりは宮澤賢治の世界。昭和30年代まではネコバスが走り、トトロがいた。昭和10年までは狐の嫁入りもあった。

それでいて秋田や山形のような因習は少なく、青森や宮城のようにはしっこい人間は少ない。

同じ東北でも県民気質というのはずいぶんと異なるものだが、その違いがどこから生まれるのかを考えてみるのは面白いかもしれない。





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最終更新日  April 23, 2007 02:40:31 PM
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