September 10, 2007
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カテゴリ: 身辺雑記
高校の同級生三人と集まる機会があった。

中でも楽しみだったのは、同じ学年の女子150人中、「お嫁さんにしたい」人気ランキングで常にダントツの一位だったゆきえさん(仮名)と約20年ぶりに会うことだった。

巡り合わせは不思議なもので、本来であればわたしと彼女は恋仲になっていたはずだった。

20歳の時のクラス会の帰り、なぜか彼女と二人になった。4月のはじめ、たまたま雪が降ってきた。「これがなごり雪というのかしら」と言いながら、彼女は腕をからめてきた。

イルカの「なごり雪」がヒットしていたころ。あんなにロマンティックで心の浮き立つシーンに遭遇することは、長い人生といえどそうない。

清楚で奥ゆかしく家庭的(なにしろ彼女は家庭科クラブに入っていた)な彼女の、思いがけず積極的なふるまいに驚いたが、その頃はもう大学に恋人がいたので、彼女に義理立てしてしまい何事もなく別れた。

いま思えば何と愚かだったことか。

疾風怒濤の20代が過ぎ、30歳で再会したとき、彼女は結婚したばかりだった。長い交際ののち結婚したらしく、とりたてて幸せそうというわけではなかったが、女っぽい艶が出てきて、みずみずしくてきれいだった。

誘いたかったが、新婚の人妻を誘うのはためらわれた。



それから20年。「お嫁さんにしたい女の子」ナンバーワンの彼女は、見事に太り、休みなしにしゃべり続ける、どこにでもいるふつうのおばさんになってしまっていた。

インド綿のような素材の、体型のわかりにくい服を着ていたが、脱いだらすごいことになっているだろう。

体脂肪率30%台後半と見た。

数年前にちらっと見かけたときはまだ若々しかったので、このわずか数年の間に大きく変化~生物学的には変態~したようだ。

それでも二人だけで二次会をやった。どこでわたしが株をやっていることを聞きこんだのか、二人きりになると堰を切ったように株の話を始めた。

何でも、ネットバブルで大儲けしたあと大損したらしい。収支はトントンだったらしいが、含み益をあてにして買い物をしまくったヤケドが大きかったようだ。ソニーや村田製作所を素高値でつかんで塩漬けにしていると苦り切っていた。

そんなカネの亡者みたいな彼女を見たくなかった。時は人を変えるとはいえ、あんまりだ。

リッチな家庭の三男坊と結婚した彼女が、なぜそんなにお金持ちになりたいと思ったのか、理由を知りたいものだ。

それでも、人形作りを習いに月一度上京している、家族から離れて東京のホテルに荷を解いたときの解放感はたまらない、と話す彼女には昔の面影があった。

長年の観察によれば、婚外恋愛をしない女性は早々とおばさん化する。ゆきえさん(仮名)のように美人で思慮深い、最もおばさん化しにくいと思われる古風な日本女性タイプでも、40代がリミットだということがわかった。

70代でも魅力的な岸恵子さんのようになるには、やはりパリでフランス男と恋に落ちたりするようなことが不可欠なのだろう。






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最終更新日  September 10, 2007 05:43:57 AM
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