投資の余白に。。。

January 17, 2008

５年

カテゴリ：身辺雑記

雪の少ない今冬の札幌。だが、名古屋からのその客を歓迎するかのように夕方から雪が降り、いちめんの雪景色になった。

その客とは、昨年、わずか２ヶ月の間に４０代の娘と６０代の妻を亡くした７０歳の男。１２年ぶりに再会してみると、小太りで精悍だった中年男は、白髪の痩せた老人になっていた。

妻の四十九日法要が終わり、区切りがついたので、娘が何年か住んだ札幌を訪れようという気持ちになったようだ。

消沈しているかと思いきや、話し始めると止まらない。何でも、退職してからアジア旅行にはまり、何度もひとりでアジアを歩いているらしい。

アジア人のパワーに対して日本人のパワーのなさ、島国根性といった話になる。当の本人は現役時代は「典型的日本人」だったのだから、アジアひとり旅の効能にははかりしれないものがあるようだ。

右翼思想の持ち主が左翼思想（あるいはその逆）に変わったとたん、服装から物腰、しゃべり方まで変わることがあるが、そういう変化に似ている。高齢になってからでも人間は変わり得るものだという事実に驚いた。

天ぷらやの長男という環境に育ったことも、あるいは関係しているのかもしれない。

妻を亡くした男の平均余命は５年だという。それを知ってか知らずか、「残りの人生はあと５年」と思い定め、旅や趣味にお金はすべて使い切るつもりだという。

先月は中国、今月は韓国へ。その間に札幌に来るのだから、並のビジネスマンより多忙な「老後」を送っている。

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