January 28, 2009
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カテゴリ: クラシック音楽
たまたま訪れた福岡で九州交響楽団のコンサートを聴いた。

オール・リスト・プログラム。曲目にはまったく興味を持てなかったが、このオーケストラは聴いたことがなかったのと、福岡シンフォニーホールの響きを知りたいという興味で出かけた。

結論から言うと、いいホールでありいいオーケストラだった。木を多用したシューボックス型のホールは札幌のキタラホールほどではないが柔らかい響きがする。2階席と3階席のいちばんいい席を試したが、サントリーホールなどよりよほど響きはいいし、雰囲気もいい。ただ1階席は傾斜が少ないので座席の位置が低く、あまり音響効果は期待できないと見た。

オーケストラは、女性奏者の多いバイオリン・セクションを除いて、かなりのレベルにある。世代交代が進んだのか、管楽器など優秀な若手が増えているような気がする。そのバイオリン・セクションも、コンサート・マスターに強力な布陣を敷いていることもあり(何と豊嶋泰嗣らがソロ・コンサートマスターを勤めている)、もう少し力強さや輝かしさがあればという程度で大きな不満はない。

これで何人かスター・プレイヤーがいればオーケストラ全体に「華」が生まれると思う。

それに、これは札響などとも共通するが、東京のオーケストラにありがちなビジネスライクなところがない。心のこもった音楽をていねいに作り上げているという印象があるので、指揮者の解釈などへの好悪はあっても、演奏自体に共感できるのである。

演奏されたのは交響詩「前奏曲」、小川典子を独奏者に迎えてピアノ協奏曲第1番、死の舞踏、レーナウの「ファウスト」より「村の居酒屋での踊り」。ハンガリー狂詩曲第1番の5曲。

リストのオーケストラ作品をまとめて聴く機会というのはめったにないが、続けて聴くと、オーケストラ作家としてもかなりの力量だったことがわかる。同じくピアノの名手だったショパンなどとは比較にならない本格的な作曲家だったのだと、リストに対する印象があらたまった。大作「ファウスト交響曲」もぜひ一度聴いてみたいと思わせた。

後半に演奏された2曲は、前半2曲と違って、オーケストラの定期演奏会で演奏される機会はほとんどない。「ハンガリー狂詩曲」など、クラシックを聴き始めたころに買った「名曲全集」で聴いて以来だから、40年ぶりかもしれない。



小泉和裕の指揮は相変わらず切れ味がよく、爽快。ただ、それ以上の深みというか含蓄のようなものはない。

聴き進むうち、ティンパニ奏者が非常に優れていることに気がついた。これほどの名手は、1970年代のサンフランシスコ交響楽団にいた黒人の女性ティンパニ奏者以来ではないかと思った。

ところが、終演後、この奏者に花束が贈られた。定年退団で、この日が最後の出演だったらしい。

音大出身ではなく、作曲や指揮もやる人らしい。永野哲という。

一期一会というが、このすばらしい演奏者の最後の出番に遭遇できたのは、何とも幸運だった。

3月15日にはこの人のリサイタルがあるようなので、福岡まで行くつもりだ。





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最終更新日  February 16, 2009 10:50:37 AM
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