May 31, 2009
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カテゴリ: クラシック音楽
休日の夜はあいにくの雨になった。コンサートが終わるころには小降りになったが、コンサートの間はかなり強く屋根を打つ雨の音が聞こえた。しかし、歴史的建造物である時計台でのコンサートは、そんな音も気にならないから不思議だ。

Kanonは、道教大学札幌校で出会った声楽やピアノ、楽器を専攻する20数人が2003年に結成したグループらしい。12回目のコンサートを初めて聴いた。

今回は声楽の参加はなく、器楽と室内楽。前半はドイツ・オーストリアの、後半はフランスの音楽が集められたプログラム。

1曲目はバッハの平均率クラヴィア曲集第一巻からの前奏曲を四本のクラリネットに編曲したもの。バッハをクラリネットで聴く機会というのはまずないので、おもしろい聴きものだった。吹奏楽とバッハのオルガン作品は相性がいいが、室内楽のサイズでいろいろ試してみるのもおもしろそうだ。

ベートーヴェンのバイオリン・ソナタ「春」第1楽章と第4楽章を演奏したのは長谷川加奈という人。この人は別のカルテットでの演奏を聴いて、ソロを聴いてみたいと思っていた。それがやっとかなったわけだが、ベートーヴェンにしてはやや軽いものの、安定した爽やかな演奏。

メンデルスゾーンの「コンチェルトシュトック第1番」は、二人のクラリネット奏者の鮮やかな技術が聴きものだった。かなり難技巧と思われる曲を何の苦もなく、危なげなく演奏しているのに驚いたが、派手さという意味ではこの日のハイライトといえる演奏だったかもしれない。

前半の最後はモーツァルトの「4手のためのアンダンテと5つの変奏曲」。室内楽的な、アットホームな演奏で好感がもてた。

後半は、あとで考えてみたらすべて初めて聴く曲。

タンスマンのファゴットのための「組曲」は若狭麻依、サン=サーンスのフルート曲「ロマンス」は岡村悠子、やはりサン=サーンスの「クラリネット・ソナタ」は斉藤佳奈美という人が独奏。



最後は木管五重奏でプーランクの「ノヴェレッテ」とタファネルの「木管五重奏曲」から。

音楽は、リズムと音程が正しくなくては聴きづらいものになる。逆に言えば、リズムと音程さえ正しければかなり楽しめるものになる。実はこの基本的なことが案外難しい。特に少人数の室内楽ではわずかな音程のズレが致命傷になることも多い。

しかし、この演奏はそういう点ではまったく瑕疵がなく、ほぼ完璧な出来。響きの豊かさとか、即興的なかけ合いの妙とかがあればとも思うが、若い人たちらしいケレンのない素直な演奏が心地よかった。

200人ほどのホールは雨にもかかわらず満員。雨の日曜の夜をどこでどう過ごすかは人生の最も重大な選択の一つだと思うが、これ以上ない選択だったと自画自賛。





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最終更新日  June 1, 2009 01:40:02 PM
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