December 17, 2009
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ロック・バンドの主役といえばエレキ・ギターである。

単純なコードを刺激的なサウンドでかき鳴らすことの多いこの暴れ馬のような楽器が、しかしこれほどまでに若者のナイーブな心を表したことがあっただろうか。

ジョージ・ハリソンの名曲「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」である。

ボーカルをコードで支えるだけの、いわば伴奏楽器として扱われることの多いエレキ・ギター。しかしこの曲の間奏部分では、ボーカルよりも雄弁かつデリケートにセンチメンタルな感情を語りかけてくる。

エリック・クラプトンが演奏しているこの部分は、エレキ・ギターが内省的な表現も可能な、いわば芸術楽器になりうることを示した、音楽史上初めての瞬間ではなかっただろうか。

ジャケットの色から「ホワイト・アルバム」の通称で親しまれている2枚組は、ビートルズの4人が、グループから自立し始めていた時期に、それぞれの作品を無造作に並べたような内容。バラバラに4人の個展をやっているような印象で、博覧会のような多彩さがある。

旧ソ連を皮肉った「バック・イン・ザ・USSR」で陽気に始まったアルバムは、ハリウッド映画のハッピー・エンディングのような優しいオーケストラ・サウンドの「グッド・ナイト」で閉じられる。

洗いたてのシャツのような清潔さに満ちた音楽の数々が、風にたなびくように続いていくこのアルバムは、やはり「ホワイト・アルバム」の通称がふさわしい。






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最終更新日  December 24, 2009 12:16:26 PM
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