December 16, 2009
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ロシアや中国、メキシコやスペインで革命の口火を切ったのは読み書きのできない農民だったが、音楽の革命をなしとげたのは楽譜の読み書きのできないリバプールの若者たちだった。

「サージェント・ペッパー・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」は、架空のショーを想定して作られたロック音楽史上初のコンセプト・アルバム。シングル曲のよせあつめにすぎなかったそれまでのアルバム概念をくつがえした作品で、このアルバム以降、ロック音楽は芸術として認められ、アルバムはアルバムとしてのまとまりを追求する方向に変わっていった。

グループ自体も、一曲のヒットやアイドル的人気より、アルバム全体を構築できる音楽的な実力が問われるようになっていくという、音楽史上、最も大きな革命のきっかけとなったアルバムである。

ザ・ビートルズのアルバムは、それぞれに個性的なメンバーの音楽を羅列しただけのものが多いが、このアルバムでは4人の個性が溶け合った別の次元の音楽が生まれている。

インド音楽の影響が濃厚なジョージ・ハリスン、ドラッグによるトリップ感覚を思わせるジョン・レノン、メロディ・メーカーとしての才能が発揮されたポール・マッカートニーの作品が、ライブ演奏では絶対に不可能な複雑な録音処理とオーケストラ楽器をはじめとするさまざまな楽器を駆使したアレンジによって、時代の息吹と新しい世代の感性をサウンドさせていく。豊かなパロディー精神も見逃せない。

※ステレオ・リマスター・ボックス・セットではより鮮明な音質で復刻されている。





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最終更新日  December 24, 2009 12:00:46 PM
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