September 7, 2010
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カテゴリ: 映画
3週に渡って上映されている蠍座の企画「昭和の名男優・喜劇な人びと」に選ばれた6作のうちの1作。喜劇の神様としてサイレント時代から活躍した斎藤寅次郎監督の1953年作品。

今回の6作のうちでは最もテンポの速い、そして唯一のドタバタで終わる喜劇。ラブレター代筆を副業にしているキャバレーのボーイ役が伴淳三郎。彼が住む同じ長屋式アパートの住人たちが身分ちがいの恋を成就させるため協力して金持ちの娘をかくまう。親が依頼した捜索人を裏で操るのはその親が投資しているキャバレーの経営者。娘を連れ戻したはずが誘拐され、今度はその彼女を取り戻すためギャング一味と大立ち回り・・・というお話。

出演している俳優の数が多い。1960年以前に生まれた人ならテレビなどでよく見た懐かしい顔が次々と現れる。古川緑波、高島忠夫、清川虹子、打田典子、田中春男、内海突破、花岡菊子、田端義夫、花菱アチャコ、初音礼子、木戸新太郎、星美智子、南寿美子、柳家金語楼、堺駿二、泉友子、トニー谷、益田喜頓・・・この人はあまり見たことがない、誰だろうと思って調べたら堺正章の父の堺駿二だった。堺正章はグループサウンズのボーカルには似合わない風貌だと思っていたが、やはり血は争えないということか。

ドタバタ喜劇だが、やはり復興まもない日本の姿が、映像にもストーリーにも刻まれている。他人の不幸を見ていられない人情深さ、恋愛に対するナイーブさ、犯罪者が心を入れかえるなど、21世紀の日本では化石化したものが、この映画でもたっぷりと観ることができる。

このころからすでにおばさん的雰囲気全開の清川虹子が、イケメン夫の戦地からの生還を信じて待つ健気な妻役をやっていたりするリアリティのなさはご愛敬。

益田喜頓は1909年生まれだからこの映画のころ40代はじめ。全盛期というところだろうか。知性を感じさせる独特の柔らかい演技は主役を食うほど強く印象に残る。 





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最終更新日  September 9, 2010 03:26:51 PM
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