November 3, 2010
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カテゴリ: 映画
あと1万本は観たい映画があるし、新しい作品もどんどん作られる。そうすると、映画を観る媒体の中心はDVDやBSということになる。NHK-BSは丹念に拾っていくとかなりの映画にアクセスできる。一方、民放で放映される映画はカットがあったりするのでお話にならない。しかし、日本ではなぜか劇場未公開の「ドランのキャデラック」(原題も同じ)が民放で放映されるので観てみた。CMは入ったがカットはないようだ。原作はスティーブン・キングの小説。

妻を殺された男の復讐譚だが、映画としてのできはさほどよくない。サスペンス映画には文学的・哲学的なものも散見されるが、この映画はそういうレベルではない。

しかし、それでは観る価値がないかというと、そんなことはない。というより、ぜひとも観るべき一本だと思う。もし自分の愛する人が同じ目に遭ったらどうするか。そう問うことをしない、想像力のない人にはこの映画は無意味だろうが、そうでない人には多くの示唆がある。

殺人事件の目撃者となったばかりに殺された妻。その復讐のため、小学校教師の夫は人身売買組織のボスに挑む。倒せるチャンスは自動車で移動している間だけ。だがその車はマシンガンの乱射でもびくともしない頑丈なキャデラックなのだ。

これだけのあらすじで結末を予想できる人はまずいないだろう。あとから考えれば途中にたくさんのヒントがあるのだが、実際、その瞬間になるまではどんな方法で復讐するかわからないように作られている。

この方法というのが大陸的というか奇抜なのだ。金も力もなく弱い人間が、強大な敵に立ち向かう際に最も大事なことは何かがわかる。この方法は、言ってみればゲリラ戦の基本でもある。

警察を出しぬいて復讐を遂げる主人公は、しかし個人的な復讐を完遂しただけではない。しょせんはサラリーマンでしかない警察などに頼らない、自主・自立のアメリカ的気質を体現しているようにも見えるしそれを称揚しているようにも受け取れる。アメリカならこんな話がほんとうにあったかもしれないという気がしてくるが、暗い復讐譚ではなく、笑える陽気な復讐譚になっているのがユニークだ。





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最終更新日  November 6, 2010 03:46:03 PM
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