December 15, 2013
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カテゴリ: 映画
予告編を見て、この映画はスカではないかと思っていた。最終日に行ったところ、客席はまばら。興行的にもこけたようだが、蠍座で上映される映画としては珍しくスカだった。

シャチに両脚を食いちぎられて義足になった水族館の調教師と、子どもを連れて流れてきた文無しのボクサーが出会い、友情とも恋愛ともつかない関係をはぐくんでいく、というもの。2012年のフランス・ベルギー映画。

逆境におかれた人間同士の恋愛ものかと思ったらそうではなく、どんな状況でも人生に対して前向きになることの大切さをケレン味なく描いている。日本映画なら同じテーマでどれほど安っぽくなったかを考えると、さすがヨーロッパといったところ。「このテーマならこうなるだろう」という予測を完全に裏切ってくれるあたりが見事だ。

二人はセックスをする関係にはなるが、ベタベタした関係にはならない。それぞれの人生を歩み、それぞれの存在がお互いの励みになり希望になっていく。

ではなぜスカなのかというと、結局、着地点が小市民的な幸福を超えないからだ。逆境からの個人のリカバリーはたしかにめでたいかもしれないが、この二人にはどちらも常人にはない特技がある。特別な人たちの特別の物語にすぎない。

その点は予想されたことではあった。それではなぜ観に行ったかというと、たとえば義足はどう作るのかとか、どの程度の実用性があるのかが、ある程度わかるのではないかという興味からだ。また、食いちぎられた脚をどれくらいCGの技術で表せるのかにも興味があった。

そのCGの技術は大したものだった。昔の人が観たらあまりの自然さに実写だと思うにちがいない。





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最終更新日  January 2, 2014 02:52:16 PM
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