・・・そば!ソバ!蕎麦!・・・酒そば本舗奮闘記!

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2025年10月20日
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カテゴリ: 『酒とそばと』





この度、このブログの酒とそばについて書いたものを加筆編集して、新たに幻冬社より出版しました。しばらく、 「はじめに」 を掲載してまいりましたが、読者にさらに立ち読みの気分を味わっていただこうと、本文をご紹介していきたいと思います。まずは第一部「酒編」より。


上戸と下戸

人を大雑把に男と女に分けることができるように、酒を飲む人と飲まぬ人というようにも分けることができましょう。いわゆる上戸と下戸というわけですな。

私は今『居酒屋おばさんの下戸ですけど何か?』(佐原明子著 幻冬舎)という大変ユニークな題名のついた本をパラパラとめくっては、大笑いしています。

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自販機に向かって「すいません。すいません」としきりに謝っているお兄さんはまだしも、電車の中で誰も寄り付くはずもない空いた隣の席に向かって、怒鳴り散らしている酔っ払いにはなりたくないものだとつくづく思った次第です。かといって、「ママって本当にお酒飲めないの~、人生の半分損してんね~」などと、可哀そうがられるのも癪にさわります。

「芳醇な香り」という表現は、新茶の品評会で言うのならわかるが、どうして利き酒の会で同じ言葉が使われるのか全く理解不能と宣う下戸の「居酒屋おばさん」は、はたして人生で損をしているのか、得をしているか、どちらでしょうか。

そこでこの国の歴史に名を残した有名人を上戸と下戸に大別するとしたらどうなるか。彼らの人生の損得を酒の上から検証してみたら面白いのではないかと考えました。

上戸組の筆頭は、 「黒田節」の章 で取り上げた戦国武将・福島正則となるでしょうか。 「酒豪」の章 では明治の軍人・秋山好古と、戦国時代の越後の名将・上杉謙信にも触れましたが、彼らも最上級の上戸といえるでしょう。

秋山好古はさておき、福島正則は酒が原因で、秀吉から下賜された家宝の槍を失うことになった。謙信は馬上にあっても酒を離せず、酒を注ぐ手間を惜しんで三合は入るという酒器を用意させていた。これが有名な謙信の馬上杯。馬も乗りものに違いありませんから、これは今日でいえば酔っ払い運転。一発免許取り消しということになってしまいます。馬に跨らずに、輿に担がれた謙信など想像したくもありませんが…。

その謙信の死因は酒の飲み過ぎによる高血圧性脳溢血とか。もう少し節制していれば、北陸路から京へ駆け上り、天下の覇者となれたはずとも言われていますね。そうすれば、謙信にしても正則にしても、上戸が過ぎたがゆえに損をしたと言えるのではないか。

一方下戸組となると、酒を飲まないから酔うことはないのは自明。酔うことがなければ、酔っぱらって失態をさらすこともありませんから、彼らの周りには酒にまつわるエピソードが乏しい。

信長、秀吉、家康、光秀…。苗字を書かなくても名前だけでそれが誰であるかわかる人物は、なぜか戦国時代のこの一時期に集中しているのはひじょうに興味深いことです。

日本人ならだれでも知っているこの四人の武将に、なぜか酒にまつわるエピソードが残っていないのは、実は彼らは下戸であったからではないかと、俄か歴史学者(←私のことです)は考えるのですが、皆さんはいかが思われますか。これからそれを探ってみましょう。

・・・以下続く。またこのブログで取り上げます。お楽しみに♪



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「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中


この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。

「酒」と「そば」と


まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。

はじめに

小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。
「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」

そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。
ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。

・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。

日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。
そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。
「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。

まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?

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第一部「酒」編
「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか?

う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。


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最終更新日  2025年10月20日 11時50分04秒
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