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カテゴリ: 今日のつぶやき
「よ…読めない、これは絶対読めない」

何がそんなに判読不可能かというと、新聞に載っている「1歳になりました」というコーナーの、赤ちゃんの名前です。
わが家の購読紙の地方欄に、毎日写真入りで掲載されているのですが、本当に最近の子どもの名前は、漢字も読み方も凝ったものが多いですね。
三日に一回くらいのペースで、思わず冒頭のように口走ってしまうほど、すごい名前のお子さんが登場します。

ちなみに、私の周囲では、どういう訳かお嬢さんが生まれる確率が非常に高いのですが、名付けで圧倒的人気を誇るのが「まな」「りな」「かな」といった、二文字の「~な」ちゃん。とくに、まなちゃんは異なる文字で3人います。この、かわいらしい語感が好まれるのでしょう。(もちろん当のお嬢さんも皆、カワイイ!)
新聞紙上の赤ちゃんたちの名前も、ありきたりじゃなくて、きれいな文字で…と、親が愛情をこめて一生懸命考えたんだろうと思います。
今朝のニュースで、保険会社が調べた「今年の赤ちゃんの名前トップ10」が発表されていましたが、そちらもずいぶんおしゃれな名前が並んでいました。
しかし、余計なお世話なのは百も承知で言わせてもらえば、

「誰にでも間違いなく読めて、書ける名前が一番いいのでは?」



私と夫の、それぞれの名前は、音はごく平凡なのですが、二人とも漢字が「ふつう、この音を表すときにはあまり使わない」字なのです。
つまり、キーボードで入力しても、一発ではまず正しく変換してくれないような、「漢字だけ凝った」名前。でも、それぞれとってもいい意味を持った字を使っているし、当人は気に入っています。
ところが。
わが家にいただく年賀状のほぼ60%は、夫か、私か、両方か、とにかく私たちの名前の漢字が間違って書かれています。
宛名は、PCで住所録管理をしている人がほとんどですから、住所が変わるということでもなければ、いちいち見直すこともないのかもしれませんが…
年賀状に限らず、これまで数え切れないくらい「名前をちゃんと書いてもらえない」哀しさを味わってきました。
手書きからキーボード入力へと、文字の書き方がシフトしていくにつれ、「正しく書く」ということに無頓着な人って増えていると感じます。
でも、それって本来、とっても失礼なことじゃないか?と思うのです。

「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」の作曲家である、團伊玖磨さんは、 「パイプのけむり」 という素晴らしいエッセイを何十冊ものシリーズで書き継がれました。その中で、「家に届いた郵便物で、自分の名前を“団”と略字で書いてきたものは読まないで破り捨てるようにしている。人の名前を勝手に略すような相手が出す手紙は、どうせ読む価値などないから」ということを、繰り返し書かれています。
私の場合、手紙を破り捨てるまではいかなくても、その気持ちはとても理解できるのです。


「♪名前それは燃える命 この世界中に一人づつひとつ…♪」
という歌(わかる人は、わかりますよね)。
アニメ「千と千尋の神隠し」でも、“名前を奪われると支配される”“自分の名前を大事にね”などのセリフがたくさん出てきました。
たしかに、名前って、その人の「定義づけ」としての大切なもの。そして、「誰かに呼ばれるために」あるもの。動物でもぬいぐるみでも道具でも、名前をつけて呼ぶようになると、他のものでは代用できない、特別な存在になる。まさに「言霊」とでも言いたくなるような力を持っていると思うのです。
「命を名付ける」=「命名」という言葉って、本当にその通りなんだなぁ…と。



そういえば、小学校6年生の時の担任の先生は、卒業文集を作るときに「家で、お父さんかお母さんに、どういう思いを込めて自分の名前をつけてくれたのかを聞いてくること」という宿題を出して、クラス全員の答えをまとめてくれました。
今から思うと、自分の名前を「好きだ」と心から思えるようになったのは、それがきっかけだったかもしれません。今更ながら、感謝しなければ…と思います。





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最終更新日  2004.12.17 17:11:28
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