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カテゴリ: 映画の話
マリリンもオードリーももちろん素敵だけれど、私にとって「永遠の美人女優」の代名詞は、何といっても カトリーヌ・ドヌーヴ なのです。

今やだいぶ貫禄がついてしまいましたが、若かりし頃の整った美貌は、“怖いくらいきれい”という表現がぴったり。

先日ライヴを聴きに行ったホリー・コールが「シェルブールの雨傘」を取り上げていて、そういえばWOWOWで録画したきりだった…と思い出したのが、この「ロバと王女」。

この作品も、「シェルブールの雨傘」同様、ジャック・ドゥミ(監督)とミシェル・ルグラン(音楽)のコンビによって作られました。日本ではずっと公開されない「幻の映画」だったのです。

シャルル・ペローの童話「ロバの皮」を元に作られた、ミュージカル仕立てのおとぎ話。

宝石を生むロバがいる、豊かな王国が舞台です。
愛するお妃に先立たれ、「私よりも美しい人と再婚を」という遺言を託された国王が、求婚相手に選んだのは、母ににそっくりな王女だった…
と、のっけから目が点になってしまう展開なのですが(笑)決して子どもだましの映画ではありません。


王女と恋に落ちる隣の国の王子さまは、ジャック・ペランが演じます。
後に「WATARIDORI」や「皇帝ペンギン」などの傑作を世に生み出すプロデューサーも、この頃はあどけなさが残る美青年。
俳優としては、「ニュー・シネマ・パラダイス」の中年になったトトの役で知られていますね。

そしてそして、“青空のドレス”や“星空のドレス”を次々に身にまとう、輝くばかりのドヌーヴさま。トレヴィアン!!
「目の保養」とはまさにこのこと、と、うっとりです。

ロバと王女


大真面目に絵本の世界を映像化しているようでいて、時にシュールな味付けの演出もあり…
ふた昔前なら、いわゆる「オリーブ少女」たちが、飛びついて夢中になった類の映画だと思います。

王女は、やがて変装のために、ロバの皮をかぶって国を逃げ出すのですが、この「着ぐるみドヌーヴ」がまた、何ともいえず変で(笑)でもやっぱり美しくて。

また、そのロバの皮(頭、ついたままです)が、いかにも「今、ロバを殺して剥いできました」…といった感じに、内側の赤い肉が見え隠れしているところ。この“生々しさから逃げない、ぼかさない”感覚が、いかにもフランスの映画だなぁ、という印象でした。




ミュージカルの名作とみなされる「シェルブールの雨傘」を観ていると、『何も、そんなに無理して歌にしなくても、ふつうにセリフ喋れば…』と思ってしまう私ですが、基本的にミシェル・ルグランの音楽は好きなのです。

特に 「ロシュフォールの恋人たち」

映画の方も、ドヌーヴと実姉・フラソワーズ・ドルレアックの競演をはじめ、オールスターキャストが紡ぐお話の糸が、複雑に絡まりあい、最後は見事にまとまっていく、カラフルで楽しい作品で大好きです。



私の好きなミュージカル映画は、現実のわずらわしさから少しの間逃れて、心を弾ませ遊ばせる、そういう楽しみを与えてくれます。

こういう『メンタルのサプリメント』との出会いが、日々を豊かにしてくれるんだなぁと思います。





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最終更新日  2007.10.16 17:36:34
コメント(8) | コメントを書く


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Re:「ロバと王女」を観た。(02/01)  
SEAL OF CAIN  さん
>マリリンもオードリーももちろん素敵だけれど、私にとって「永遠の美人女優」の代名詞は、何といってもカトリーヌ・ドヌーヴなのです。

全く同感です!!
とんでもなく美人で色っぽいっすよね。
若い頃の『反撥』とか大好きです。『昼顔』なんて、すっっごく色っぽくて素敵!
この映画観てないと思うんですが、すんごいピッタシそう。原作も読んでいるし、観たいです~ (2007.02.01 23:58:49)

Re:「ロバと王女」を観た。(02/01)  
白玉模様  さん
>マリリンもオードリーももちろん素敵だけれど、私にとって「永遠の美人女優」の代名詞は、何といってもカトリーヌ・ドヌーヴなのです。

まったくもってその通り!と、叫びたくなってしまいました。
観たいです。美しさを拝みたいです。

ロバの皮の方は、心理モノ?で、
死んでいくお后は「自分より美しい人はいない」という自信があってのセリフだったと読んだことがあって、う~むと唸ったのを覚えています。童話の母って恐い面が…(笑) (2007.02.02 00:23:39)

うまい!  
まろ0301  さん
 ケーキなら食べたくなる。本なら読みたくなる。映画なら見たくなる、そんな素敵な紹介をありがとうございました。
 これはもう「見ないで死ねるか」ですね。 (2007.02.02 21:48:04)

とんでもない女  
サリィ斉藤  さん
SEAL OF CAINさん

>とんでもなく美人で色っぽいっすよね。

その表現、まさにピッタリですね。
正統派な美女でありながら、ブニュエル監督などとタッグを組んで何ともいえない退廃的な表情を見せたり…
ハリウッドの美人女優と一線を画す魅力は、そのあたりにあるような気がします。
この「ロバと王女」も、おとぎ話でありながら、60~70年代の空気がいっぱい詰まっている作品だと思います。ドヌーヴファンにはおすすめですよ。 (2007.02.05 21:37:23)

怖いお母さん  
サリィ斉藤  さん
白玉模様さん

>観たいです。美しさを拝みたいです。

ドヌーヴ同盟(?)のお仲間ですね!!ぜひぜひご覧になっていただきたいです。可愛らしさに満ちた映画です。

恥ずかしながら私、ペローの原作は知りませんでした。ご紹介、感謝です。死にゆく妻の深層心理は怖いですね。でも、そういう女性のダークサイドは、ある意味普遍的なものなのかもしれませんね…。 (2007.02.05 21:41:28)

Re:うまい!(02/01)  
サリィ斉藤  さん
まろ0301さん

> ケーキなら食べたくなる。本なら読みたくなる。映画なら見たくなる、そんな素敵な紹介をありがとうございました。

ブログではなるべく、何かを批判するより「これが良かった!」と人様に勧めたくなる物事を取り上げたいと思ってきましたので、そう言っていただけるのは本当にうれしいです。

もちろん、人の好みはそれぞれなので、見てガッカリ!になったらごめんなさい…ですが(笑)
(2007.02.05 21:43:38)

Re:「ロバと王女」を観た。(02/01)  
SEAL OF CAIN  さん
ペローの原作について、ちょびっと言及しているので、URLを貼っておきます。興味がありましたらどぞ。
http://plaza.rakuten.co.jp/sealofc/diary/200506170000/ (2007.02.06 00:37:17)

ありがとうございました  
サリィ斉藤  さん
SEAL OF CAINさん

>ペローの原作について、ちょびっと言及しているので、URLを貼っておきます。興味がありましたらどぞ。

早速読ませていただきました、ご丁寧にありがとうございます♪
指輪の持ち主探しのくだりは、映画でも出てきました。指を細くしようと悪戦苦闘する女性たちも…
ちょっと「かぐや姫」を思わせるシチュエーションもあり、おとぎ話の普遍性は本当に興味深いですね。 (2007.02.07 22:14:31)

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