ミステリの部屋

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2007年09月28日
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今夜も若き隣人で事務所のパラリーガル(弁護士補助員)をめざしているダスティに頼まれ、事務所に入ったとたん、何かにつまずいてしまった。
誰かのいたずら?
けれど、それはダスティの死体だった…。



ケータリング業を営むゴルディを主人公としたシリーズの第13作目。

ゴルディはある夜、朝食を出す仕事を請け負っている弁護士事務所に入ったとたん、死体につまずいて小麦粉やイーストをばらまいてしまいます。

いつものように、いたずら好きの弁護士たちのしわざと勘違いして待ったけれど、ダスティは二度と起き上がってきませんでした。

またまた死体の第一発見者となってしまったゴルディ。
けれども今回の被害者はゴルディがよく知っている隣の女の子、ダスティなのです。

貧乏や逆境にまけることなく、希望と野心を胸に上を向いて頑張っていたパラリーガル(弁護士助手?)が、なぜ殺されなければならなかったのか?

ゴルディのショックは大きかったのですが、ダスティの母親に犯人探しを頼まれたとあっては、嫌とは言えません。
持ち前のおせっかいも発揮しながら、真実を求めて走り回ることに……。



このシリーズでケータラーであるゴルディが次から次へと作る料理の描写は、よだれがでそうなくらい美味しそうなのです。
最後にレシピもついているので、自分で作ることも可能ですが、すべて(量も油も砂糖も)アメリカサイズなのでご用心w

思えば夫の暴力に悩まされていたゴルディは、息子アーチーを連れて離婚し、ケータラーとなって二人の生活を支えたのでした。

それからは親友のマーラに支えられ、刑事のトムと再婚し、ジュリアンという優秀な助手と出会い、アーチーの義兄弟と対面し、さまざまな事件に巻き込まれながらも、あたたかい人の輪を少しずつ広げてきました。

ゴルディの、何にでも首を突っ込んでいくそのおせっかいぶりはなかなか好きになれませんでしたが、いろいろな経験を経て、最近は人間的にも深みを増してきたように思います。

とはいえ、時々愚痴をこぼしたり、けんかしたりするところは相変わらずのゴルディに親しみを感じつつ、その奮闘ぶりをこれからも見守っていこう思います。



 クッキング・ママの遺言書: ダイアン・モット・デーヴィドソン /加藤洋子









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最終更新日  2007年09月28日 22時38分06秒
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