ミステリの部屋

ミステリの部屋

2008年01月18日
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残酷と恐怖,怪奇と不気味が支配するサキの世界をかいま見るものは,思わず背筋の寒くなるのを感ずるだろう。
二十一篇を厳選.
(出版社より)


内容紹介には「残酷と恐怖,怪奇と不気味が支配するサキの世界をかいま見るものは,思わず背筋の寒くなるのを感ずるだろう。」
と書かれていますが、そこまで恐ろしくは感じませんでした。

この短編集のすごいところは、10ページ足らずの短い話の中に起承転結があって、必ずキレのあるオチが用意されていることです。

たまに 残酷さにドキッとすることもありますが、風刺のきいたブラックユーモアは小気味がいいくらいです。
人の愚かさや情けなさというのは、はたから見る分には滑稽なものです。
思わずフッと笑ってしまうことも度々ある、優れものの短編集でした。

サキ本名は、ヘクター・ヒュー・マンロウ。
1870年ビルマ生まれ、スコットランドの小説家です。サキが生まれて間もなく母親が亡くなったので、2歳の時に姉や兄と共に本国にいる伯母たちのもとに引き取られました。

その伯母さんの家では亀やうさぎなど、さまざまな動物が飼われていました。

この作品にも、犬、二十日鼠、猫、いたち、猿などの動物が登場し、堂々と重要な役割を果たしています。


私が読んだ『サキ傑作集』(岩波文庫)は品切れですが、ほかにも幾つか作品集が出ています。
内容はかなりだぶっているので、どれを読んでもいいかと思います。



サキ短編集:: サキ /中村能三






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最終更新日  2008年01月18日 23時50分40秒
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