ミステリの部屋

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2008年05月30日
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カテゴリ: 観劇です
昨日は娘と世田谷パブリックシアターに「瞼の母」を観に行ってきました。


世田谷パブリックシアターは初めて。
いつも行くライブ会場と比べると、600人収容の劇場というのはとても小さく感じられました。
席は中ほど左より。肉眼でもぎりぎり顔の表情まで見えます。

初めて草なぎ君が登場する場面では、どんな演技をするのかドキドキしました。
渡世人としては、少しかっこ良すぎると感じましたが、弟分の母親に自分の母を重ねるところでは、気持ちが伝わってきて、早くも涙ぐんでしまいました。

季節は変わるけれど、母を思う心は変わらず、短い場面が効果的に転換されていくのに目を見張りました。
舞台装置や物売りの声、都都逸にも江戸の情緒が漂います。


脇役にもベテランや味のある役者さんが多く、贅沢だと思います。




昔から知っている役者さんに、最近テレビドラマで知った役者さんと、入れ替わり立ち替わり登場してきます。
さすがにベテランの演技には魅せられました。

そしていよいよ見どころの大詰め。
草なぎ君と大竹さん二人が対面する場面では息をのみました。

大竹さんはやはり存在感がありました。

5歳の時に生き別れた息子が訪ねてきたのに、これまで流れた時間の間にできた守りたいものの方が先に浮かんできてしまう。
その中に、渡世人になった息子は入っていない。
けれども言葉には出せない気持ちを、窓を開ける後ろ姿で語っているのです。
そこに舞い込む桜の花びらが美しい。

そ対する草なぎ君の表情もしぐさも、切ない。涙なしにはみることができませんでした。隣の席の人は本格的に泣いていました。


詳しいことは知りませんが、イメージは新国劇、大衆演劇。浪花節っぽい展開。

けれども実際に観た舞台は、どろどろしてはいませんでした。

最後の名セリフにジーンときます。
タイトルの意味もわかります。
忠太郎の姿には、覚悟を決めた人間の孤独が、気高いほどに澄んで感じられました。


知らず知らずのうちに 前のめりになって観ていました。生の舞台の迫力はすごいです。
草なぎ君の新しい魅力もわかりました。
なぜか自分も頑張ろうという気になっていました。







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最終更新日  2008年05月30日 19時33分04秒
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