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サイド自由欄

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トールも製作に関わったオラクルカードです♪
2009年12月07日
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「停船せよ、然らざれば攻撃す」

互いの距離が縮まり、お決まりの文句が偵察船に送られていた。強襲艦の内部では、その場での最高階級であるゼキル中佐を作戦指揮官としてミーティングが行われている。

肉厚の身体をふるわせるようにして、若い中佐は大音声を張り上げた。

「諸君。これは我ら六人が武勲を立てる最大の機会である。強襲艦をもって敵船を襲う定法とは何か?」

アルディアスはうんざりして目を伏せていた。強襲艦を使うときは、相手の艦に横づけして無理やり溶接、そのまま穴を開けて突撃する。誰でも知っている程度のことで、この狭い艦内で大声を出す意味がそもそもわからない。
しかし中佐について回っている取巻きのひとりが真面目くさって定説を述べたため、中佐は鷹揚にうなずいてみせた。

「しかしだ、諸君。俺は今回指揮官として、今までにない戦法をとろうと思う。幸い、この艦には今強いサイキックが乗り合わせている」

アルディアスは目をあげた。意地の悪い視線が自分を見ている。

「アルディアス。お前ならテレポートで敵艦に乗り移れるだろう。艦を横づけするように見せかけて、その間にお前が侵入し、機関室を占拠、ドッキングする。どうだ? いいフェイントだろう?」

「なっ……! その作戦では彼の負担が大きすぎます、中佐」

文句を言ったのは、アルディアスの隣に立っていたセラフィトだった。彼とは士官学校からの友人だ。中佐に負けない厚みのある、しかし無駄な肉のついていない体躯を盾に使って、彼はアルディアスの前に立った。

「敵偵察船は少なくとも乗員十名はいるでしょう。まして宇宙空間を挟んでのジャンプなんて危険すぎます」

それに敵艦にも当然、対サイキック用の結界が張り巡らせてある。それにひっかかれば怪我では済まないかもしれない。

「黙れ、セラフィト。俺はアルディアスに話しているんだ。しかもアルディアスは、この中でもっとも実戦経験が多い。士官学校の前は二等兵からいたんだからな。そうだな?」
「しかし……」

(いいよ、セラフィト。ありがとう)

細くしぼったアルディアスの心話が、セラフィトの激発をおさえた。

(オルダス。いいってお前……。あのぼんぼんは、てめえが敵わないからって目障りなお前を殺すつもりだぞ。もしも作戦が成功したら儲けもので、手柄を独り占めするに決まってる)

(いいんだ。そのかわりセリー、君も一緒に来てくれるかい?)
(もちろんだ、お前が行くならな。いけすかねえ味方より、敵のツラでも拝んでるほうがまだましってもんだ。思い切りぶんなぐれるからな)
(同感)

セラフィトの言葉にかすかに微笑み、アルディアスはまっすぐに中佐を見た。

「わかりました。敵艦の見取り図をいただきます。セラフィトと同行しますので」

穏やかながら有無を言わせぬ調子で壁際にあった見取り図を取り、セラフィトと共に外に敵艦の見える窓に歩み寄る。やりとりの間にも両艦の距離は縮まっており、あと五分もすれば横づけも可能と思われた。十秒ほどじっと窓の外を見つめる。

(セリー、行くぞ。機関室に直接出る。出たらすぐに自分にシールドを張ってくれ)
(了解)

「敵艦捕捉しました。出撃します」

ひとこと言い捨てるなり、二人の姿は掻き消えた。




自分の身体がふっと軽くなり、そして重くなった瞬間、セラフィトは周囲にシールドを張りめぐらせた。
バチン、と電撃のようなものがその表面を走ってゆく。
隣に立つ友人の瞳が紫色に変わっており、機関室にいた三人の敵兵のうち二人が倒れ、一人が腕を押さえて呻いた。

銀髪の友人が剣を抜き、残った敵を一刀のもとに斬るのを見て、セラフィトはシールドを解いて操縦パネルに飛びついた。

船は停船命令に反抗して、ワープすべくエネルギーを溜めているところだった。近づいていた強襲艦も巻き添えにするつもりだったのだ。舌打ちしてまず停船させ、次にデータファイルにアクセスしてゆく。

偵察艦がいままで貯めてきたデータ、そして本国から送られてきたデータ。それが目的だ。
いくつかのパスワードを携帯機器でハッキングし、最終ファイルにたどり着く。セラフィトはそれを手際よく記録チップに落とすと、パネル側のデータをすべて破壊した。

「よしっ、と。こちら突撃班、データ回しゅ……」
「これより強襲艦ドッキングする。援護せよ」

非常警報が鳴り響く中、手首の通信機器にセラフィトが報告をしようとした途端、中佐からの命令が頭ごなしに届いた。
りょうかい、と棒読みに呟いて、彼は通信を切った。

「しようがねぇな。あのバカボン、このままじゃ手柄が俺達のものになるってことに気づくくらいの知恵はあったようだぜ。あえてこっちの報告聞かねえで命じやがった」
「これで帰れれば楽だったんだがね」
「ほんとだよなあ。上官の命令に逆らえない身は辛いぜ」

そう言っているうちに、艦がぐらりと揺れた。強襲艦がドッキングしてきたのだろう。
艦内の人間はどちらに向かうか。穴を開けられようとしている横腹か、この機関室か。

「警報のタイミングからいって、横腹だと思うんじゃないかな。対サイキック結界には触れなかったはずだ」

アルディアスは言った。通信傍受されていた可能性もあるが、ドッキングの接近を感知して鳴り出したと見てもおかしくない。半々に分けるには人が少ない。どちらかに集中させると見るのが自然だった。

「相変わらず器用だな、お前」
「さすがにちょっとばかり腹が立ったのでね」

ふっと微笑む。普段おとなしい奴を怒らせると怖いよなあ、とセラフィトは大仰に震えてみせた。

「ま、とりあえず行くか」

警報が洪水のように鳴り響く中、男達は機関室から走り出た。

























【銀の月のものがたり】 道案内
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最終更新日  2009年12月07日 13時44分28秒
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