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“他人と深く関わらずに生きるには”
評価: ★★★★☆
濃厚なつき合いはなるべくしない
女(男)とどうつき合うか
車もこないのに赤信号で待っている人はバカである
病院にはなるべく行かない
心を込めないで働く
ボランティアはしない方がカッコいい
他人を当てにしないで生きる
おせっかいはなるべく焼かない
退屈こそ人生最大の楽しみである
自力で生きて野垂れ死のう
等々。池田氏が語る人生訓。思わず頷いてしまうところや、目から鱗のところ、大爆笑してしまうところまで(*´▽`*)短いページ数にぎゅっとつまった池田エッセンス。おもしろいです(*´ー`)
目次だけみているとかなり過激でよくわからないかもしれませんが、逆説的レトリックを巧みに駆使しておられるので、実際に読んでみると、思わず納得することうけあいです♪
三島由紀夫の『 不道徳教育講座 』にも通じるところがある気がします。
この中で、『濃厚なつき合いはなるべくしない』、『病院にはなるべく行かない』、『ボランティアはしないほうがカッコいい』、『他人を当てにしないで生きる』、『自力で生きて野垂れ死のう』などは、私の人生観とそっくりで思わず、「同じ考えの人がいた!!」と嬉しくなりました!!
最近は「個人主義」「個性の尊重」などと言う名のもとに単なる自由気ままを看過する傾向がみられます。しかし、真の個人主義とはそんなものではない。誰にも干渉されたくないというならば、どんな時も他人を当てにしてはならない。
それこそ、一人で野垂れ死ぬ覚悟をするべきなのです。平生は他人と関わりたくないといって好き勝手生きておいて、いざ命の危機に瀕したり、孤独に耐えかねたときに誰かに助けを求めるなんて笑止千万。
最近話題の孤独死についても、私はいつもこう思っていました。メディアは孤独死をなくそうとか、孤独死は一律みな不幸な年寄りだったというように報じます。しかし、中には、自らそういう孤独な人生を選択し、一人きりを楽しみ、その結果孤独死した人もいるのではないか?と。
そんな人をも、孤独で寂しく死んでいったように報じることってどうなんでしょう?
もっと言えば、若い頃から好き勝手し、友人も家族も捨てて気ままに生きた人間が年老いて若い頃の自分の行いの結果孤独死したなら、それはその人の生きてきた結果であり、当然の帰趨なんだから、本人はもとより周りもそれを甘んじて受け入れるべきなのです。
散々好き勝手して周囲を振り回し、それなのに最後は大勢の人に見守られて死にたいなんて身勝手もいいとこというもの。
多くの人に見守られ死にたいならば、自分の人生を自分のためだけでなく、他人のためにも使って生きなければならないでしょう。よしんばそうしても、寂しく死んでしまう人もいるでしょうが。
他にも、風邪をひくとすぐ病院に行く人や、健康診断の数値に一喜一憂する人を、説得力ある論理で一喝。また、強制されたボランティア活動は、もはやボランティアではないと痛切に批判。これらは平生私が考えていることと同じでした。
痛快です。国家のパターナリズムに知らず知らずのうちに犯されている国民に渇を入れてくれる本。是非どうぞーー( ̄ー ̄)
=== 37冊目 読了 ===
有栖川有栖 『妃は船を沈める』 2012年06月09日
奥田英朗 『邪魔 (下)』 2012年05月06日
奥田英朗 『邪魔 (上)』 2012年05月06日