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“津軽”
★★★☆☆
信じるところに現実はあるのであって、現実は決して人を信じさせる事が出来ない
(P50より)
エッセイ?紀行文?そんな感じです。
太宰治の故郷である津軽について書いた本(*^m^*)
津軽に詳しい人はもっと楽しめたんだろうな~。私は全然津軽に明るくないので、読んでいて「あぁ~!!あそこね!!」みたいに自分も太宰と一緒になって津軽を楽しむというところまではいけませんでした(;^ω^A
でも、よかったです。これまでは太宰治ってものすんごく陰気なイメージがあって、常に頭を抱えて懊悩しているという印象でした。
が、これはそのイメージを根底から覆してくれます。
人間って色んな面があって、始終陰気な人間も、始終陽気な人間もいないんだっていう当たり前のことを改めて痛感しました。
陰気で、生に懊悩するのも太宰治。冗談言って、友達と軽口たたき合いながら津軽を旅する陽気さもまた太宰治であるのです。
そういう意味でもものすごく収穫のある一冊でした(*^m^*)
=== 123冊目 読了 ===
谷崎潤一郎 『春琴抄』 2011年01月26日
上田秋成 『春雨物語』 2011年01月23日
谷崎潤一郎 『鍵・瘋癲老人日記』 2010年12月27日