源にふれろ

源にふれろ

May 29, 2012
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『争うは本意ならねど』(木村元彦・著)を電車で何度も
目頭を熱くしながら、読了。

体調不良による脱水症状で水も飲めない状態のため、
チームドクターの判断で点滴(生理食塩水+ビタミンB1)を
したところ、マスコミがにんにく注射と誤報。
その記事を信じたJリーグは、ドーピングとして出場停止
処分を下す。
ところが、これは正常な医療行為であり、これをドーピング
として扱ってしまうと、あらゆる医療行為に支障を来して

チームドクターは自らの職を賭して、異議を唱えるが、
Jリーグ側は過ちを認めようとせず、ドーピングだと抗弁
して引き下がらない。
これはドクター個人の戦いではない、選手のため、Jリーグの
ためにも、きちんとした判断をすべきだと考えた別のチームの
ドクターが立ち上がり、全チームドクターが考えを一にして、
Jリーグに、処分の撤回と、基準の再確認(そもそもドーピング
に対するJリーグ側のドクターに対する説明が曖昧であった)を
求める。
日本のアンチ・ドーピングの最高機関、国会、文部科学省、FIFA、
様々な権威を巻き込んでの争いになるが、Jリーグ側は決して、

仲裁裁判所という国際機関に提訴する。翻訳や弁護士の費用で4000万
近くを個人負担してでも、提訴に踏み切ったのは、サッカーが大好きな
幼子に対して、将来、胸を張って対峙できるように、そして、自分の
ような冤罪を、今後他の選手が被らないように、という思いからだった。

そのことを意気に感じたJリーグの選手会、サポーター、そして、

裁判のための募金活動をするくだりは、何度も胸が熱くなる。

強大な権力に対して決してひるまず、正義を通そうとするドクターと、
そのドクターの思いを知った時の選手の決意。日本にはこのように
素晴らしい人がいるのだ、と何度感嘆しても、しきれない。傑作。


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Last updated  May 30, 2012 12:07:43 PM
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