よんきゅ部屋

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Mar 14, 2007
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3月だというのに、一応春だというのに、まだまだ寒く冬のまま。というわけで、寒いうちに書いておこうと思った。さらに言えば、最近チャイコフスキーづいているのだが、初期の作品も聴いておこうというわけで。

この曲はチャイコフスキー26歳の時に第1稿が完成されているのだが、現在聴くことのできる形で全曲初演されたのはなんと43歳の時、ブラームスほどではないにしてもこういう苦労があったんだなと知った。チャイコフスキーは師匠から演奏を許してもらえなかったり、初演を失敗してみたりとかなりついていない部分が多いのだが、これもその一つだろう。後世での人気ぶりを彼はどう思っているのだろうかなどと思う。

この曲には、有名な後期の交響曲とはまた違った趣がある。さらに、前半の楽章には副題までつけられている。もちろん、後期の交響曲ほど練られたものではないように感じてしまうのだが、逆に純粋な感じがするのもいいように思ったりする。

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第1楽章:「冬の旅の幻想」
ヴァイオリンのトレモロに乗っていきなりフルートとファゴットによる第1主題。時々低弦による半音階の合いの手が入るところが珍しい感じ。そこから追い込むようにユニゾンで盛り上がっていくところは後の作品にも見られる形で、チャイコフスキーらしい一面を見せる。

第2主題はニ長調のチャイコフスキーらしい旋律。クラリネットで最初に出てヴィオラとチェロに受け継がれていくが、後者への広がり方がいい感じ。その後の転調も「らしい」感じがする。金管楽器が断片的に盛り上がってくる場所はまだ圧倒的な雰囲気はない。展開部では半音階で持ち上げられるような感じと常に前進していくような進行が力強い。

再現部は提示部の短いバージョンでト長調を中心に音楽が展開されている。最後は第1主題をもとにした旋律が遠のいていくように終わる。まさに「幻想」だったという感じ。

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この楽章の弦楽器だけで演奏される冒頭(序奏)が大好きである。後の弦楽セレナードの第3楽章を思わせる。和音進行がたまらない。ここはピアノ(弱く)と指定されているが、弾き込んだ方が雰囲気が出そうである。第1楽章で表現された「冬」とはまた違う何かが表現されているような気がする。

第1主題はオーボエ。これがまた切ない感じで素晴らしい。変ホ長調で始まっているのだが、旋律の途中にある短調の部分が心にしみる。フルートやファゴットの合いの手も素晴らしい演出になっている。

第2主題はフルートとヴィオラに変イ長調で表れるが、そこからロ長調に行ってしまうという展開が意外で、なぜかまた元に戻ってくるというのが面白い。ここでも旋律の途中で顔を見せる短調の部分がやはり切ない。

第1主題が再び出てくるが、これがチェロの高音で歌われてみたり、またヴィオラのソロが一瞬だけあったりする。後期に見られる「泣き」の旋律の雰囲気がここにはすでにある。3回目に出てくる寸前にはホルンだけがフォルティシモで出てくるのだが、この音型や、最後に盛り上がった後に弦楽器が高音から下りてくる音型などは新鮮な感じがする。最後は冒頭の雰囲気に戻る。やはりこれも「幻想」の世界なのだろう。

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第3楽章:
やはりこれも幻想的な導入で始まる舞曲風の音楽。チャイコフスキーの作品で言えばバレエの中にこういう要素を持った曲はあると思うが、他ではあまり見ないような気がする。中間部は打って変わってヴァイオリンによるなだらかで伸びやかな旋律。主部のシャキッとした感じ(温度を低くした感じ)とのコントラストがとてもいいと感じる。どこの調に行こうとしているのかという展開が小規模ながら面白くきこえる場所でもある。最後の手前でおさまる場所ではティンパニの弱音や弦楽器のソロが使われている。しかし、最後は2発で「おしまい」となっている。

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第4楽章:
導入部分はゆっくりで、まずは主題の断片からスタートし、しばらくしてからヴァイオリンで主題が提示される。この主題は当時の大衆歌に基づくものであり、要素は第2主題に引き継がれていく。テンポがアレグロになるとどんどん盛り上がって(朝に雨戸を開ける感じだろうか)その先に第1主題が登場する。

これがしばらく展開されて転調すると、ホルンを合図にヴィオラとファゴットによる第2主題が登場。これはまさに「コサックダンス」がやりたくなる人が出てきそうだ。展開部では新しい素材が使われている。この部分では後の作品に見られるような音型がたくさんある。雰囲気は多少違ってもこの曲はやはりまぎれもなくチャイコフスキーのものだ。



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この曲は、自分としてはもう少し演奏機会があってもいいのかなと思ったりする(大学オケあたりだと取り上げられたりすることもある)。後期の作品に比べればかなりロシア色の強い作品であるなと思ったりはするのだが、それもまた一つの魅力だと見ることもできると思う。前でも書いたとおり、この曲の中にはすでに後の作品につながるものがたくさんあるように思う。ルーツをたどってみる意味でも一度聴いてみる価値はあるだろう。この曲はまだ演奏したことがないがいずれ機会があればやってみたい曲である。





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Last updated  Mar 14, 2007 10:27:21 PM
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