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Esprit*

Esprit*

彼とともに歩み


彼とともに生き


彼とともに過ごした


あの時間・・


2007.09.27
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テーマ: 愛しき人へ
カテゴリ: カテゴリ未分類


毎晩電話が入っていた。
取るときもあれば、もう出ないようにしているときもあった。
こうやって少しづつ距離を置いていこう。
そうすれば彼も私を嫌いになって、
そのまま切れることができるのかもしれない、
そう思っていた。


ある夜。
先輩との逢瀬から自宅に戻ったとき、


・・彼だ。

まずい、と思った。
正直、その時間は夜中の3時。
まさかこの時間に彼がいるなんて。

私が車を止めると、彼の車のルームランプが付いて、
彼が降りてきた。
ものすごい形相で。
私は車の中から引きずり出された。
すごい力で腕を掴まれて引っ張られた。

「こんな時間にどこに行ってた??
 え??言ってみろよ!!!」



「ちくしょう、お前の車ボコボコに蹴ってやりたいよ。」

「・・ごめんなさい」

「俺がどんな気持ちでお前に電話してたと思う?
 ずっと車の中で待って。
 なのにお前は他の男と・・・」


車もボコボコにされる、と思った。

でも、そのとき私の腕を握りしめる力がフッと抜け、
彼がその場にしゃがみこんでしまった。
彼が泣き出してしまったのだ。
彼が泣いたのは、弟さんが事故で亡くなったときしか
見たことがない。
弟さんが事故で亡くなった、あの時も
私のジンクスは生きていたのだけれど。


このまま彼を追い返すことなんてできなかった。


とりあえず、自宅につれて帰り、
客間で一晩かけて話をした。
どうしても、私は彼の元には戻れない・・と。
それでも彼は自分のところに帰ってくるまで待つ・・と。
そんなにまでして私を許そうとする彼を前にしながらも、
私は先輩のことしか考えられなかった。
どうにかして別れたい。
結局、この彼ときちんと別れられたのは1年先の話になる。
それまでずるずる・・と別れることは叶わなかった。











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Last updated  2007.09.29 01:27:15


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