1984年のアルバム。前作「BlackOut」と同じ路線ですが、よりリフはシャープに、メロディは良い意味でキャッチーになっていると思います。ウリ・ロート脱退後の80年代あたりの期間におけるピークのアルバムと言って良いと思います。この後、翌年1985年にライヴ・アルバム「World Wide Live」が出て、しばしの休止期間があります。ツアーも含めて、それだけの充実度であったということなのでしょうか?流れるようなマティアス・ヤプスのギターで幕を開けるBad Boys Running Wild、これぞルドルフのリフの極致ではないかと思えるRock You Like a Hurricaneと続きます。この曲は、歌のバックのコードバッキングでもルドルフとマティアスのコンビネーションがみられます。これは「BlackOut」でもありましたね。そして、次のI'm Leaving Youが私の一番のお気に入りです。ポップとハード・ロックのギリギリの線の線だと思いますが、マティアスの激しいソロが曲を引き締めていますし、途中の展開もバンドとしての充実度や勢いを感じます。Coming Homeはスローなスタートですが、BlackOut並みのハードな曲調に変化します。「World Wide Live」では、オープニングを飾る曲ですが、これからBlackOutに繋がる流れは凄いです。 盛り上がらない訳ない。このアルバムでは、Same Thrillへの流れが同様の感覚です。続く6曲目、Big City Nightsでは、ルドルフ・シェンカーのソロが聴けます。決して速くはなく、テクニカルでもないですが、味のあるソロだと思います。むろん、この曲も非常に良い曲です。そして、このアルバムの最後のトピックは、やはりStill Loving Youでしょう。このロック・バラードの名曲には、はまりました。美声タイプのクラウス・マイネが最大限に生かされてますね。
【曲目リスト】 1. Bad Boys Running Wild 2. Rock You Like a Hurricane 3. I'm Leaving You 4. Coming Home 5. Same Thrill 6. Big City Nights 7. As Soon as the Good Times Roll