営業システムを考える際に,決して忘れてはならないのが,「企業の存在意義」である.営業活動の効率化を図るあまりに,そもそもその企業が存在することでどういうメリットが顧客および社会にあるのかという根本を念頭に置く必要がある.
商社という業態の当社の場合,単にモノを右から左へ効率的に動かすだけでは存在意義は薄いし,早晩利益率も低下し,企業としても立ち行かなくなる.当社は防虫分野でしかも業務用の商品を扱っていて,顧客はその道の専門プロであるから,顧客が安全かつ有効に仕事が基礎となる専門知識を提供し,幅広い商品を扱い,敏速にデリバリーするという機能が存在意義となる.
しかも顧客にとって本当に必要な情報とは,顧客の側で明確に箇条書きにされてタイムリーに質問してくれるものでもない.ましてや経営課題的な長中期的なもの,新規ビジネスに関することなどは,日ごろ漠然と考えられているだけだから,「お問い合わせ窓口」として電話番号を書いておくだけでは意味がない.フェイストゥーフェイスで定期訪問しながら,専門知識を地道に伝達し,「顧客の経営課題」の解決に力になろうという一見非効率な努力が,長い目で見れば当社の「存在意義」を増していくものだろうと思っている.
営業活動の効率性と,会社の存在意義,時には矛盾することもあろうが,会社の財務体質を強くするためには前者を磨き,長期的な成長を考えて後者を強化する,どちらも大事だってことで,ここでも経営者の価値が反映されるのですね.
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