顧客や実際の使用者の意見を直接聞きながら,少しずつ形にしていったり常に改良していくのが,今日の商品開発の手法,そして企業経営のあり方だと思う.
企業が自分の思いで,顧客にとって良かろうと思って開発するものは,たいてい失敗する.ニーズが多様化して,製造側・サービス提供側の想像以上に現場は細かいニーズを持っていて,しかもその違いが致命的になっているからだ.あるべき姿は,顧客の声に真剣に耳を傾け,できれば共同開発とでも言える位に「一緒に」開発していくことが理想だ.
顧客からのクレームがあって,「これではニーズに応えられない」と思い知るのは,実は正常の状態であって,何も不幸なことではない.ニーズに合うように変えていけばいいだけで,その意味ではチャンスですらある.価格競争に巻き込まれている場合も,顧客はコストパフォーマンスに多少の不満を持っているということだ.価格を単に下げるべきなのか,どこで省力化できるのか,他のサービスと統合して効率を上げれないかなどを出来れば顧客とともに詳細に検討しないといけない.
資本や腕力に優る強い企業が生き残るのではなく,「適者生存」が企業社会では本当なのだと思う.「適者」とは言うまでもなく,顧客のニーズの変化や多様性に対して,自らを変えていける会社のことだ.
さらに難しいのは,顧客が言うことが,その言葉そのものが意味するところでない場合もあることだ.案外,「言ってみただけだけど,よく考えたらそんな機能要らないなあ」ってことさえあるから要注意である.聞き込みを正確にし対案を出し,こちらも十分に考えをぶつけないと「顧客の真意」が掴めずに振り回されるだけということもある.その意味で単なる「御用聞き」でもうまくいかないのだ.
意見を聞くには,意見をぶつけないと返ってこない.そして謙虚に耳を傾け,熟慮を重ね,「適者」として経営を進化させていきたいと思っています.
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