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2008.01.01
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カテゴリ: 哲学・思想
『高校生のための哲学入門』 長谷川宏著(ちくま新書)

サルトル・ヘーゲルなど近現代におけるヨーロッパの哲学を学びつつ「知と思考の普遍性」を真摯に追求し、「その力を現実の中でいかに発揮させていくのか、」を問いながら「哲学を生きる」といった姿勢を感じ、共感を覚えた。
『高校生の哲学入門』は長谷川宏の最新作(2007年7月発刊) であるが、今その内容を拾い読みしつつ、著者の希望するとおり多くの若い人たちに読んでほしいということを私も感じた。

 ここでは第8章 「知と思考の力」 の内容を一部紹介したい。
東京大学の大学院で哲学を学びつつ、全共闘運動を体験したという著者は、「大学で哲学を教える」というそれまで思い描いていた道を問い直し、「知と思考を積極的に鍛え上げる上でも、大学の研究体制の外に出て行くこと」を選ぶ。 長谷川は、哲学の研究を続けながら塾の講師として生計を立てていくが「書斎で追求する抽象的・観念的な知と思考が日常的で具体的な暮らしのなかに容易に生かせないこと」に悩みを感じる。

 「それから30年あまりの時が経つ。自分の思考の成熟度は測りがたいが、 塾の日々は-とりわけ、授業とは別の夏合宿(山奥での10日間の集団生活)と演劇祭は-多くの仲間の協力を得て、抽象的な知と思考がそれなりに生かせる活動になったとは思う 。個人の自由を認めつつどう集団の秩序を創り上げるか、年齢も能力も違う人間のあいだでどう対等な関係を築くか、信頼の上に立つ批判、批判を通しての信頼をどう確保するか、自由で実のある対話や討論をどう実現するか、ものごとの決定に全体の総意をどう反映させるか、 活動の場面場面で個々人の能力をどう引き出し、集団の動きをどうおもしろくしていくか。(…)たとえば、合宿の進め方をめぐって中学生・高校生と議論しているとき、わたしはヘーゲルの『法哲学講義』を読むときのような緊張感を時に味わうのだ」

若者を読者に想定したこの本は、日常の具体的な経験と哲学的な「知と思考」がどのように関わっていくのか、ということを様々な事例・角度から述べる。 若者だけでなく、かつて「知と思考の力」を追求していこうとしてきた個人も含め、一読の価値がある著作である。

(私は、教育学部の出身なのですが、研究室は社会科の倫理社会(懐かしい呼称…)です。在学中から47歳の今にかけて、愛読した思想家はサルトル、マルクス、ヘーゲル、竹内芳郎、竹田青嗣、西研、長谷川宏などです。現実に向き合う思想について HP“しょう”のページ にまとめています。)
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Last updated  2021.04.20 20:05:24
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