しょうた!しょうた!しょうた!

しょうた!しょうた!しょうた!

2011年04月15日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
実家の竹やぶを手放すことになりました。


道路拡張に伴って移転するデンタルクリニックに売って欲しいと言われ、手放すことを決意したようです。
田舎の竹やぶなんて、二束三文にしかなりません。
でも、デンタルクリニックの先生を知らないわけではなし、困っておられるのを「嫌だ」と言える父ではありません。
「もう、潮時かな・・・」とポツリと言いました。



実家の父は、とてもマメな人です。
そして人に喜んでもらうことが大好き。
人に差し上げるタケノコ作りのため、竹やぶにいい土を入れたり、適度に陽が入るように竹を伐採したりして手入れをしてきました。




早朝、3時から4時。

リヤカーには大きなポリバケツに水を張って載せています。
タケノコは空気にふれるとすぐにえぐみがでるからと、掘ったはなからバケツに放り込み水につけて空気を遮断するのです。
父に言わせれば、どんな有名な産地のタケノコだって店頭で売ってるのは空気に触れてるから既に美味しくなくなってるのだそう。
土から出る前のタケノコを掘るのも、ただ柔らかいからというだけではなくて、空気に触れていないということに大きな意味があるのですって。


こだわりのタケノコを実家に持って帰ると、すぐに庭に設置した大釜で茹でます。
皮つきのまま、糠と唐辛子と一緒に時間をかけて茹で上げます。
アルミホイルで大釜に落し蓋をして、火を止め自然にさめるまで一昼夜。
普通、家庭ではできない手間と暇をかけてようやく出来上がりです。
一度も空気に触れていないタケノコは、何の癖もなく驚くほどに柔らかく・・・わたしは正直に言ってこんな美味しいタケノコは他では食べられないと思っています。



父は、この茹でたタケノコを友人や知人、ご近所の方に差し上げるのです。
さらに父の関係者のみならず、母の友人、わたしやわたしの友人、弟やその友人、弟の嫁さんの友人へとタケノコは貰われて行きます。





タケノコ堀りは相当な体力と気力とコツがいります。
わたしもつきあったことがあるけれど、直ぐに音を上げたくなりました。
(意地っ張りなのでがんばりましたけどね)
こんな大変なことをしていたんだなあと思うと、父の背をみながら涙がでそうになりました。
人のために無欲になって時間も身体も心もお金もつかう父を、尊敬しています。



父は昭和ヒトケタの生まれです。
背中も曲がってきました。
後姿が随分おじいさんになってきました。
タケノコは美味しいけれど、身体のことを考えるといつ「もうやめようね」と言おうか悩んでいました。



潮時だったのです。



友人のみなさん。
タケノコはお届けできなくなりました。
今年は出てくるのが遅く、わたしは昨日初物を数個いただいて食べました。
最後のタケノコかもしれません。



長いことわたしにたくさんのタケノコと愛情をくれた父に感謝しています。
父はこのブログを読んではいないけれど。
でも、言いたいです。


「おとうさん、ありがとう。タケノコとっても美味しかったよ。世界一のタケノコだったよ」
って。









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011年04月16日 00時00分02秒
コメント(16) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

重度の肩こり

重度の肩こり

カレンダー

コメント新着

hana131127 @ Re:悲しいお知らせ(05/18) 肩こりさんこんばんわ。 もう何度目の命…
hana131127 @ Re:悲しいお知らせ(05/18) 5月が終わり今日から6月です。 最近、…
王島将春@ Re:悲しいお知らせ(05/18) はじめまして。福井市在住の王島将春(お…
hana131127 @ Re:悲しいお知らせ(05/18) 肩こりさんへ。 もう7年か、、。 なん…
hana131127 @ Re:悲しいお知らせ(05/18) 肩こり姉さんへ。 5月は特に肩こりさんを…

フリーページ


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: