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真紅の颯

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真紅の颯 @ お返事 M様 その一言に全てが詰まっていますね…
Oyazi2596 @ Re:覇龍アカムトルム(04/03) なんかブルーになってきましたorz
真紅の颯 @ お返事&誘導 コメント欄は小さくて狭いから 新しく作…
スネーク@ 火竜弩 紅玉とったらでたぜー てか。めちゃくち…
真紅の颯 @ お返事part2 翼?私もう3枚持ってるね 捕獲したり…

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Jan 22, 2007
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カテゴリ: 小説の類
「あららオーダーが増えちゃったね、どうしようかな・・・ ん?」

ここで少年の服装を見つめる、鎖で編まれたチェーンシリーズと呼ばれる防具を纏い
背中にはこの辺りの規格物ではない群青色の弓を背負っている、誰が見ても
これはハンターだとしかいえないだろう、ロイルも同じだ

「ハンター志望なのかな、なら酒場の裏手においておこうかな」

そういって神様、いや、ロイルという青年は少年を担ごうとする

はたと気付き、タキシードを脱ぎ、軽くはたく
それだけで血糊はとれ、元の美しい色合いがよみがえる

よいしょ、と声を出して少年を担ぐ、その状態のまま手を虚空へとかざす


「加速呪文(ブースター)」と呼ばれる魔術の一種で
この呪文の効力が及ぶ限り、たとえ人の身であっても、チーターと同等以上の速度で走行できる
ロイルは疾風の如くテュアラルの路地裏を駆け抜ける

街の外れの一角に酒場がある、テュアラルは
「魔術研究区画」「狩人区画」「一般市民生活区画」などのように区画で街を分けている
「狩人区画」は酒やタバコの臭いが強いという理由から街の外れに作られている
酒場が街の外れにあるのはなんともおかしな話だが、ここではそれが普通なのだ

再びよいしょ、と声をかけて少年を建物の壁に寄りかからせる

「君とはまた会えるかな・・・ その時を楽しみにしているよ、オレは」

そういって再び街を駆ける、ロイル自身も家へ帰るのだ


テュアラル市民の交流の場、中央広場

人工物といえばふよふよと漂う魔術灯とベンチくらいのものだ
そして広場の中央にあるのがテュアラルの象徴ともいわれる大きな、それは大きな一本の木
幹の太さから推測するに樹齢3500年超、世界が始まったときからここにあるともいわれ
テュアラルの民は【世界樹】と呼んで親しんでいる

広場まで加速呪文でダッシュしてきたロイルはふぅ、と息を吐く


「さて、ラスト一つ、家に帰るとしよう」

靴の音を石畳に鈍く響かせて世界樹に歩み寄る
もう一度ふぅ、と息を吐いて世界中に触れ、目を閉じる

ロイルが触れた場所から紫色の光が漏れ出し、辺りを彩る
地面を踊るように線を描き、やがて一つの陣をつくりだす
「転送呪文(フォワード)」と呼ばれる高難度の魔術、多量の魔力を使用して
一定の範囲内にある指定した物質を他の場所へと転移させる
世界樹に触れずとも発動はできるのだが、魔力を周囲から集めるのには
多大な労力と時間が必要になる、「木」は魔力を集める【媒介】として最適といわれている
疲労も背負っているロイルとしては、媒介がなければ、今は転送魔術を発動できない

「・・・、・・・・」

あまりに小さい声での詠唱の後、陣が一瞬激しく光ったかと思えば
広場にロイルの姿は既になかった





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Last updated  Jan 22, 2007 08:13:04 PM
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