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真紅の颯

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真紅の颯 @ お返事 M様 その一言に全てが詰まっていますね…
Oyazi2596 @ Re:覇龍アカムトルム(04/03) なんかブルーになってきましたorz
真紅の颯 @ お返事&誘導 コメント欄は小さくて狭いから 新しく作…
スネーク@ 火竜弩 紅玉とったらでたぜー てか。めちゃくち…
真紅の颯 @ お返事part2 翼?私もう3枚持ってるね 捕獲したり…

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Mar 10, 2007
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カテゴリ: 小説の類
アルクの防具は傷だらけだった

リオレイアから逃げる途中にランポスからひっかかれたりかみつかれたりしたからだ

不運なことに洞窟の出口へ行くにはランポスの群のど真ん中を突っ切るか

リオレイアの股の間をスライディングして逃げるしかない

無論そんなことをする勇気もなければ、したところで成功などしないだろう

ふと一瞬、ランポスの群がばらける、そこにすかさず突っ込む、が―――


「って!」


石に躓いて盛大にコケた、ありえない、こんな状況でコケるか普通

立ち上がろうとした瞬間、背中に妙な悪寒が走った



口から炎が漏れ出している女王の姿があった


飛竜の得意技、ブレス

リオレイアは体内の火炎袋で可燃性の粉塵を生成

口から吐いた瞬間、周囲の大気に触れることで発火、火球となって襲い掛かる

直撃すれば並の防具程度は軽く粉砕してしまうという、必殺の一撃

動けないアルクにとっては死の宣告

やばいやばいやばい、どうするどうするどうする、あぁもうだめなのか


刹那、女王の口から放たれ、アルクを燃やし尽くそうとしたブレスは・・・


突然割り行った緋色の疾風によって切り裂かれていた

割り込んできた影にアルクは見覚えがある・・・

だが、今は考えてる暇などなさそうだ



だがそんなことなど意にも介さない様子で影は言葉を発する、虚空へ向けて


「ルイス! 広範囲のヤツで!」

「わかってるよ、兄さん」


ふと見上げればそこには群青色の塊が浮いている

手のようなものをかかげるとそこに黄金色のエネルギーが収束し―――





振り下ろされると同時に凄まじい雷の奔流となって襲い掛かった

「電撃呪文(ライトニング)」と呼ばれる雷の呪文の上位種で

「雷撃波動呪文(ボルテックス)」という魔術

人間などケシ炭にしてしまうであろう雷は

ランポスたちを一瞬のうちに消し飛ばし、陸の女王を大きくゆるがせた


甲殻は焼け爛れ、鱗は剥がれ落ちている

そこへ緋色の影が一瞬で肉薄、構えていた剣で袈裟懸に切り裂く

赤黒い衝撃波が迸り、女王の体を吹き飛ばしながら粉々に砕く


あたりに一陣の風が吹いた頃には、辺りは嘘のように静まり返っていた


「ふぅ、初めての狩りでこれは大変だったね、アルク」

「これだけ逃げれたのはすごいことだよ、アルク君」


声をかけてきた二人は、見た目はおろか声質までそっくり

どちらが声を発しているのかわからないほど似ている


「君とは二回目のご対面だね、オレを覚えてるかな? 昨日助けてあげたけどさ」


数秒の沈黙、クールダウンしたアルクの頭が出した答えは・・・


「え・・・ あ―――っ! やっぱり昨日のかムグッ!」

「口のあけ方からしてその後は【神様】って言おうとしたよね? でもオレは人間だよ」


口をふさがれ、何かを嗅がされる、その瞬間にアルクの意識は大きく揺らぐ


「ちょっと強引でごめんね、でもオレたちを見たって言う事実は消さなきゃいけないんだ」


意識を失ったアルクを担ぎ、キャンプへと駆けるロイル

この程度なら加速呪文など使わずともそれなりな速度で走行できる

まぁ他の人間がいないから歩いたところで問題などないが


キャンプへつき、一呼吸いれるロイルとルイス

額の汗を拭い、にこりと笑うとロイルは帰ろうかという

ルイスが応答し、両手を掲げる

濃い紫色の光が二人を包み、一瞬で霧散したかと思えば二人の姿は消えていた





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Last updated  Mar 10, 2007 02:46:13 PM
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