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2008年03月02日
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カテゴリ: 読書日記


貴志祐介は、20才のときにはまり、その当時でていたクリムゾンの迷宮・黒い家・天使の囀り・イソラ・青の炎を一気読み。
どれも、読み始めたら最後までとまらず、一作一作その調べ抜かれた世界観と極上のエンターテイメントぶりにノックアウト。
ものすごく好きな作家さんになりました。

この5作の完成度がすべてかなりのレベルで高いので、めちゃくちゃ次回作に期待しまくり、4年待ってやっとでたのが「硝子のハンマー」。期待度が高すぎたためか、まぁまぁの作品ではあったと思うんだけど、正直がっかりしました。
このときは、大阪に住んでいて、梅田の紀伊国屋でサイン会があったので会いに行き、そのときすでに予告されていた本作「新世界より」を楽しみにしてます!と声をかけたところ、「今年中には...」と笑顔で握手してくれた貴志さん。
そのとき、ちょうどお腹にいた子供がもう3歳の誕生日過ぎてるんですけど??

って、前置きが長いんだけどそれくらい期待してた作品なんですよね。
そりゃ、上下合わせて4000円でも買わせていただきますって。


結果をいうと、本当に残念なんですが、今回もいまいちでした。

作品の大きなテーマは「人間の無意識な残酷さ」であると感じました。

で、それを浮き彫りにするために作り上げられた壮大な世界観、ダークファンタジー的なキャラクター(化けネズミ・カヤノスヅクリ等)は面白いと思う。

けれど、その壮大な歴史・状況設定のために、細かいところに色々矛盾点が出来てしまっていて、それをむりやり辻褄あわせようと苦労した結果、登場人物達の行動や言動が、あまり説得力がないものになってしまっているように感じました。
結果、今回主要な子供達が男3人、女2人いるんだけど、その誰にも結局最後まで深く感情移入することが出来なかったように思う。
これまでの貴志作品にはあった、行動にいたるまでの気持ちの動きや背景のかかれかたが、世界観の構築に筆を奪われ、その謎を明かさず、主人公の手記という形で語らせるというあいまいさでぼんやりしてしまっているのではないか。
はっきりいってしまって人間が書けていない。

少しくらい設定に矛盾点があろうと、人間の行動に説得力があり、キャラクターに魅力があれば作品は面白いのにな・・。

でも、あの厚さを最後まで飽きさせずに読ませるだけでも、筆力は凄いと思います。期待を掛けすぎるから、がっかりするわけで、10代が読めば物凄く面白いという評価をうける作品のような気もします。

やっぱ、ピークは過ぎたのかな・・。
でも、次巻がでたら絶対買うだろうなとは思います。





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最終更新日  2008年03月02日 07時19分56秒
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