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「鬼滅」遊郭編完結だったわけだが、あの中で兄妹の最大のいびつさは、「不老不死の鬼になってなお、遊郭にい続けた」とこなのよな。
— SOW@新作出すよ (@sow_LIBRA11) February 14, 2022
堕鬼が「美しいものしか食べたくなかった」という理由もあるが、絶対ではなく、それであったとしても別の場所で活動することもできた。 pic.twitter.com/OPLDqDBYxR
どれだけ上手く偽装しても、「日中に出歩けない」「老いない」という二つで、百年の間に何度も正体が露見しそうに成り、そのたびに力技で埋め合わせてきたが、それすらも崩壊寸前。だからこそ、鬼殺隊に尻尾を掴まれた。 pic.twitter.com/mNpPJDRXx5
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にも関わらず、二人に「遊郭の外で生きる」選択はなく、そういう意味では、鬼滅の鬼たちは「疫病」のメタファーとも言われていたが(堕鬼の本名が”梅(梅毒”だったり)、この二人の場合は「貧困」でもあったのかもなと。 pic.twitter.com/s4pDKbBHhs
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というとこまで考えて、不思議と共通項を感じたのが「地元最高!」だった。
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usagi氏が描くブラックこの上ないお話なのだが、お世辞にも「まともではない」「幸福とは言い難い」世界なのに、主人公は心から「このままずっと地元で暮らしたい」と、誰に言うでもなくつぶやく。 https://t.co/CbIjX0NrGc
この作品の中で、「貧困家庭に生まれた者」がさらに堕ちていく傾向が、要点を抑えてしっかりと描かれている。決して暗黒街ではないが、総じて所得が低い・・・貧しい者たちが多く住む土地で、そこで出会った男女の間に子が生まれる。
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だが彼らに「夫婦生活」や「家庭生活」を営む意識はない。今までの自分たちと変わらない日々を行うだけだが、そこに「子ども」という扶養者が増えたことで、成り立ちにくくなる。
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そもそもが彼らに、育児や教育の概念は薄い。その場しのぎのような日々を送るため、まともな常識を得にくい。小学校段階で、「あの家の子」という扱いになるため、比較的偏見に薄い幼児期段階で、「普通の家の子」とは離れていく、共通の話題もない、「話が合わない」からだ。
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そうなると、クラスの中で友達はできず、学年内の同じような「家の子」同士でつるむようになる。同じ価値観を持てる環境にないから。さらには学校以外の場所の「同じような環境」の子同士で連なるようになる。
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その結果、同年齢同士ではなく、「同環境同士」のコミュニティが形成される。その中での上下は「年齢」と「暴力」、「年上でケンカの強いものがエラい」という、それ以外の尺度を知らないものでもわかる最も原始的なものが目安となる。
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「年上の強い者に、年下の弱い者は従う」秩序に組み込まれ、「先輩の言うことは絶対」が「常識や道徳」どころか「法律の遵守」より上であると刷り込まれる。「どこの誰が決めたか知らない法律」より、「今目の前にいる言うことを聞けば優しいが、逆らえば殴る人」が上になる。
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その中で、微罪を徐々に重ねていく。「これいくらいならいいか」「みんなやっていることだし」「先輩怖いし」と、それは窃盗であったり恐喝であったり、軽犯罪と呼ばれるものだが、徐々に積み重ねていく。
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そして、「先輩の言うことは聞かなければいけない」が基本になったところで、その先輩もさらに上から命じられた組織的な、かつ重度な犯罪に加担させられる。
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「先輩からのお願いは聞かないといけないから」と。
彼らの中の善悪の判断は、法律のそれでなく、コミュニティの善悪だから。
「自分ではなくやっているのは先輩で自分は手伝っただけ」「逆らえば殴られるし、コミュニティから追放される」「従えばたまにリターンが入る」というのも大きいが、同時に、そのコミュニティの秩序に従えば、「次の下」が入ってくる。自分が、その「先輩」の立場に立てる。
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気づいたら引き返せない段階に踏み込んでおり、「今更抜けてただで済むと思っているのか?」「もうお前も共犯なんだから、警察は許さないぞ?」「こっちにもメンツがある。逃げるのなら殺す。嫌なら納得できる額を納めろ」となる。
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初期の貧困の段階なら、まだ社会の救済制度や、更生制度が対応できた。彼らはあくまで「貧しいゆえに」の人たちであり、保護対象だった。だがその制度の存在も知らず、「行政に救いを求める」発想自体が環境故になく。気づけば「公共の敵」、すなわち反社会的勢力になてしまう。
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これが「鬼滅」の堕鬼、妓夫太郎兄妹にも、ピッタリ当てはまるのが恐ろしいもので、彼らは自分たちの生まれた世界がどれだけ歪んでいるか熟知していたはずなのに、「それが普通」であることが、実は最後まで気づいていなかった。 pic.twitter.com/kmxO6WgGyz
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「醜いから」「弱いから」「貧しいから」と、理不尽な境遇に”原因”を見つけてしまい、それに従った。
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だから妓夫太郎にとって、妹の梅が絶世の美女であったことが救いになった、あの世界の秩序の「上」の存在だから。 pic.twitter.com/imL4Nv7DDV
さらに、それまではただ従い虐げられるだけだった妓夫太郎は、「美しい妹を守る」ことをきっかけとし、「自分が実は強かった」ことに気づく。これによって、遊郭のヒエラルキーを支配する「美醜」「強弱」の二つを埋め合わせられた。あとは「貧富」で勝てばよかった。 pic.twitter.com/6jKbdv843i
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だがそれは直前で果たされず、彼らは粛清される。死に瀕する直前で現れたのが、”鬼”だった。これが「先輩」に当たる存在なのだ。 pic.twitter.com/5ZoC0Lz2yk
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妓夫太郎は容姿こそ醜いが、実はそれ以外はかなり優秀なのだ。だからこそ、他の鬼や、上位の上弦たちに比べれも、無惨の評価は高かった。努力家であり勤勉であり忠実であり創意工夫もできる男。 pic.twitter.com/3wiux464JB
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多分、妓夫太郎こそ、外の世界に生まれたなら、いやせめて、外の世界に出たならば、それでも苦しい日々は送ったろうが、最後には相応に幸せな環境を勝ち取れたかもしれない。だが、彼の脳内にその発想はなかった。
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「強くて美しい者は冨を独占できる」世界の常識から、彼は最後まで脱せられなかった。鬼になってなお。
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だから鬼になって強くなっても、「あの世界」の冨と地位を保ち続けることが、妓夫太郎にとっての「普通」だった。 pic.twitter.com/SDm9C35WUW
「強くなったのなら奪って当然」ということは「自分たちは弱かったから奪われて当然だった」という理不尽の肯定の裏返し。そもそもが妓夫太郎、普段は妹の体に潜んでいるのも、あれも「自分は醜いから、美しい妹が表に出るのが当然」という認識だったからかもしれない。 pic.twitter.com/MK692H1AhC
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「先輩」である童磨に引っ張り込まれ、強くなり「奪い返した」ことで、「偉い人」である無惨に褒めてもらえたことが成功体験となり、さらに「ああ、やはりこの道は正しかったのだ」と認識を塗り重ねつつ、最後まで、あの世界から出る発想はなかった。 pic.twitter.com/Hzyr9gLBjf
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妓夫太郎がやっと疑問をいだいたのは、「最後」が終わった後の、「死後」だった。「あれ、そもそもこの世界に固執したのが間違いじゃね?」「別の環境で生きればよかったんじゃね?」と、だがもう遅いことも気づいていた。
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だが妹は違うと、鬼いなったのも自分の選択で、梅は自分が引きずり込んだだけ。実際、堕鬼は、沢城さんの名演技もあって「妖艶な美女」に見えて、とてつもなく「幼い」。追い詰められたら童のように泣く。 pic.twitter.com/8V6SbWWEb0
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死後の魂の姿になった時、妓夫太郎は鬼の姿だが、堕鬼は「梅」の姿だった。彼女は環境ゆえの無知な子どものままで、罪は犯したが、ギリギリ救済が適応される寸前だったのだろう。だからこそ、妓夫太郎は拒絶する。 pic.twitter.com/0n2oGrHu0Z
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それでも「梅」は兄とともに進む道を選ぶのだが、果たしてそれは正しかったのか。彼女の判断は最後まで「無知な少女」のままで行われた。「他の選択を選ぶという選択」が、そもそもなかった。兄妹が歩んだ先は「地獄」である。 pic.twitter.com/CYks5whYZA
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「貧困」の真なる恐ろしさは、当人だけでなく、世代で重なるところにある。正しく導く大人がいないことで、接する機会がないことで、「選択」の存在自体を認識できないまま、その世界の常識に染まる子ども。
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その世界の努力は、全て彼らを幸福にしないまま作用する。 pic.twitter.com/EyzuEm0W2A
「遊郭編」は、「光と闇」の物語だったと言えよう。
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元忍びの宇髄、二身同体の妓夫太郎と堕鬼、がメインであったように、夜すら明るい華やかな光に包まれた世界のだからこそ色濃い闇。
そして「同じ兄妹」であるにも関わらず、あまりにも違う有様になった者たち。 pic.twitter.com/Y6v0Jq9RLa
もしあの日の妓夫太郎の前に現れたのが、童磨でなく富岡のような者であったなら、彼らを導き褒めてくれたのが、無惨ではなく鱗滝のような者であったなら・・・ pic.twitter.com/3KYPvQ8a0o
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