2009.01.09
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カテゴリ: 音楽レビュー
 「お前クラプトンばっかじゃなくてな」と通りすがりのロマンスグレーが言うので、「じゃあ何聴けって?」問うと「お前去年買ったウルトラヴォックス聴いてないだろう。2月には次が出るぞ」と言われたので、慌てて聴く。脳内キャラの相手をしている場合でも無いような気もするのだが。

uv_vienna.jpg 聴いていないのは事実なので、Viennaから聴くことにする。アルバムとしてのレビューは以前 Soul Deepでやった のだが、あの頃と大きく自分の意識として違うのは、とりあえずAstradyneが好きになった、と言うところだろう。
 いや、ベツに昔はつまらないと思っていたワケでも無いのだが、とりあえず当時のレビューには「ウルトラヴォックスのファンはこういう音楽を(当時は)期待したのだろうが、新生UVの魅力はもっと違うところにあるのだ。」と書いている。つまり、これはミッジ加入後の曲としては例外的なものとして捉えていた、と言うことであり、それは勿論、誤りであった。

 ウルトラヴォックスはシングルのB面などには盛んにこうしたインスト曲(もっと陰鬱な曲が多いのだが)を収めているのだが、やっぱりアルバムの冒頭と言う位置づけは伊達じゃなく、この曲の完成度は極めて高いのだ。
 「テクノ」と言うよりニューウェーヴの音で、16ビート的なグルーヴは無い。にも関わらず、俺はこの曲にデトロイトテクノに近い高揚感を感じる。って言えるほどデトロイトを知らんな。URの、例のあの気分だ。

 あと当時書いてなかったことと言えば、このアルバムで結構な位置をミッジのギターが占めている、と言うことだ。鋭角的で、これまた初期NWらしいサウンドのギター。シンセとの親和性の高さが実は結構ポイントだったりするのだが(他のバンドもそういう狙いでこの手の音にしていたと思われる)。コレが結構サウンドの重要な位置を担っているんだよね。New Europeansのカッティングとか、Passing Strangersのリフとか・・・。曲によってはベンドを効かせたシンセみたいな音色でソロをとっていたりして、意図的に境目を曖昧にしていたフシもある。

 しかし多くの人が言うように、NWバンドとしてのアイデンティティを保ってたのはここまで、と言う感じはあるな。Rage in Edenは明らかに過渡期で迷いを感じるし、Quartetでは完全にポップに振り切っている。勿論、その振り切った先が最高なのは言うまでも無いのだけどね。





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Last updated  2009.01.09 20:52:52
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