さてここで早くも嘘が。まず「63年の夏にキャピトルで21曲」がおかしい。63年の夏までにレコーディングされたビートルズの曲は実はアルバムPlease Please Meの14曲と、From Me To You / Thank You Girl、One after 909、She Loves You / I'll Get Youで以上19曲。まあ、21曲っていうのは意外に近い数字なんだけど(これにI Want To Hold Your Hand / This Boyを加えれば21曲だ)、問題は、これらの曲はすべて(I Want To~を除く)キャピトル以外のレーベルからリリースされている、というコト。つまりキャピトルが動く前にとっくに世に出てる曲だ、ってコトなのね。 従って「リンゴが叩いていない」はあり得ない(1stシングルの両面を除く)し、それを消してキャピトルの為にレコーディングし直したと言うことも無い。ヴィー・ジェイやトリーからのシングルのためにキャピトルで録音することもあり得ないし、勿論これらの曲も後にキャピトルから出てるんだけど、その際にパーディが叩いたテイクに差し替えられた、ということがないのはEarly BeatlesとPlease Please Meを聴き比べれば解るだろう。 じゃあ、With The Beatles収録の14曲+シングル数曲か。これも「63年の夏」と言った時点でありえない。なぜなら、63年の夏はまさにビートルズがこれらの曲をロンドンで録音している最中であり、レコーディングの終了は10月の末になる。これらのドラムを「夏に」差し替えることは不可能なのだ。(以上は俺が調べた部分。参考文献は例のバイブル)