ブルーズを一番聴いたのは高校生の頃。Zepやストーンズのルーツとしてマディ・ウォーターズやハウリン・ウルフ、ロバート・ジョンソン等のレコードを買ってきて、カセットで登下校中に聴くと言う嫌なガキだった。ジョンソンなんかは最初は面食らったけど、そのうち結構馴染んでしまって愛聴していた。 愛聴したとはいっても、良く聴くのは上記アーティスト達の原曲ばかりで、例えばLove In Vainは聴いてもKind Hearted Woman Bluesは聴かなかったりとかそういう程度なのでそのうちP-Vineが便利なClassicsシリーズを出すとそれで充分、と言う感じになり、ブルーズ方面は結局現在に至るまでそれほど掘り下げずに来ている。 そんなワケで、60~70年代ブルーズ~ハードロックバンドによる直接カヴァーがあまり思い当たらないB.B. Kingは実は現在に至るまで縁の薄い存在だ。一応ベストを持ってはいるけど、あまり熱心に聴くわけでは無い。 だから例によってこの人の印象の多くの部分はライヴ・エイド、オランダのステージに立っていた時のこの曲、と言うことになる。
実際にそこで演奏されたのはWhy I Sing The Blues~Don't Answer The Door~Rock Me Babyというメドレーだが、日本での放送はDon't Answer The Doorの途中までだった。でもスローな同曲より初っぱなの、ある意味ファンキーでさえあるWhy I Sing The Bluesの方が中学生の耳(まだ高校でブルーズを聴く前である)には解りやすくて、また、少しコミカルなルックスの出っ腹のおじさんの親しみやすい印象(ブラック・サバスの真逆だ!)と相まって、結構好きな曲になっていた。