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国債などで借金をしてつじつまをあわせるというのは、自民党でも考える事であり、理科系の鳩山首相が本気で考えていることではないだろう。今必要なことは、既存の価値に基づいてみかけのGDPなどを上げる事ではなく、新しい価値観にもとづき、新しい価値を創造することであろう。国民が民主党や官僚排除の政治に期待するものがあるとすればこの点においてに他ならない。現在の地球システムをかんがえると、20世紀型の古い経済システムに負荷をかけているのは、CO2の存在である。環境に対する負の効果を持つものとしてCO2を考える限り、CO2の存在は悪とみなされるのが20世紀型の経済である。しかしながら、よく考えてみると、CO2は地球の生態系が温暖で住みやすい環境に生活できる原点であり、植物の炭酸同化作用の原点であり、我々生命の存在の基礎的な要素である。我々人類のここ200年程度の化石燃料資源を中心とする営みの結果、地球上に於けるCO2の拡散のバランスが悪くなっただけの事であり、CO2無しでは我々は生きてゆけないのである。すなわち、我々生命にとって重要なのは、CO2の隠れた価値を見いだし、あたらしいCO2の利用法を考慮し、また、それを人々に理解しやすい経済という形にすることであり、CO2を排除することに意味があるのではない。CO2の価値の変換を実現し、地球システム上の過剰なCO2バランスを低減することができるならば、科学技術への投資は安いものにつくだろう。そうした、新しいCO2の価値を発見できれば、ノーベル賞をもらえる事はまちがいない。今,日本が世界に貢献できることは、負の存在としてCO2を捉える事ではなく、正の存在としてCO2を捉えることができる様な科学技術を生み出すことであり、それこそが、理科系の鳩山政権に期待されることであろう。
Oct 18, 2009
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最近は、環境経済等に必要な新しい科学技術に関する記事が少なく、ご無沙汰しております。そうした中、政府・与党は、2009年度補正予算での財政支出の方向を打ち出しました。アメリカのオバマ政権のように、グリーン・ジョブ(Green Job) という新しい有効需要の価値創造につながる明確なビジョンを示す事無く、場当たり的に支出を羅列したような政策は、将来の子供達に大きな赤字負担を残しそうです。豊臣政権時代の千利休のように、新しい時代に向けた価値創造をするArchitect(創造主)が日本の政治家には欠落しているようです。
Apr 10, 2009
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化石燃料資源とお金があっても、幸せが感ぜられない国カタールから帰国した。自国民だけを優遇するために、他民族との共存を拒否する精神が蔓延している。デラックスな施設を作っても、楽しみが偏っていて、召使いの外国人との積極的な共存が感ぜられない。こういう国から世界金融危機のまっただ中にいる日本に帰ると、9月頃から考えていた、以下の仮定を思い出した。すなわち、「世界金融危機は、地球環境の近未来を憂う国際金融資本による人為的行為」であり、「国際金融資本による既存社会や既存環境方策に対する強い否定を示している」と考えられ、一方、「国際金融資本も、地球環境が崩壊してしまったのでは、資産やお金を儲ける意味がない」ということが仮定できるであろう。この仮定を信じるならば、世界金融危機(Global Financial Crisis)を切り抜けるには、地球環境問題や温暖化問題(Global Warming Issues )の革新的な新技術の開発やそれらの問題に対する政治経済社会の真摯な対応努力を見せる事が必要である。すなわち、世界共存主義(Global Coexistencism)の実現である。これは、1) 民族・宗教、国家間の対立の構図から共存、2) 途上国と先進国間の南北問題の解消と共存、3) 貧富格差の増大の解消と共存、4) 世代間格差の減少と共存、5) 地球環境問題における環境格差の解消と共存などの多様な様相を有しているといえるであろう。これを実現する日本の社会の理想型としては、1) 高社会福祉を実現する自然な社会構成、2) 年功序列・終身雇用の回復、3) 売上税や消費税などの税制に頼らない自然な社会福祉構造の確立4) 地球環境問題に対応する経済企業倫理の確立などが考えられよう。ちょっと考えてみると、前回バブル期を経験しているのに、再び、バブル経済を体験した日本社会や、それと同じくしてバブル経済を誘導した、国際的な表社会への反省と対応が必要であるということになろう。国際的な共存主義だけではなく、国民レベルでの共存主義を生み出すのは、かつて戦後の日本が生み出した様な、国政に頼らない共存主義社会であったのではないかと考えられる。共存主義社会でないと、化石燃料社会大国カタールのように、つまらない国になってしまうのが関の山であるばかりか、日本のみならず、地球システムが崩壊することになるのではないかと憂う今日この頃である。
Dec 25, 2008
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去る10月25日に、カタールの数少ない観光地の一つであるサウジアラビアとの国境付近のインランド・シーを訪ねた。ラクダ揺れる行軍砂漠の行軍シー・ライン・ビーチ・リゾートシー・ライン・ビーチ・リゾート付近インランド・シー、サウジアラビア国境付近インランド・シーの日没
Nov 8, 2008
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カタールにいると、日本のマスコミの喧噪はあまり聞こえてこないので、BBCとかCNNなどからのテレビ情報が主体となるが、世界金融危機というものが、アメリカ資本主義を中心に叫ばれているこの1ヶ月程のようである。この経済の危機は、遠くから眺めていると、不動産経済と化石燃料資源経済のシステムに生じた病理現象の様にも見えてくる。原油価格も少々下がり、建設プロジェクトの下方修正をしている昨今のようであるが、産油国にいると、報道の自由がないせいか、あるいは、もともと不労所得のような資源であるためか、アメリカを中心とする世界経済大国を称する国ほどには騒ぎになっている様には見えてこない。今回の世界金融危機の根本的治癒には、現在の経済価値観の修正否定から始まる新しい価値観の浮上こそが必要なのかもしれない。この際、化石燃料資源経済とか不動産経済というものから脱皮し、環境経済とか低炭素経済というものに移行するチャンスであるとも考えられる。日本の様に、資源がないとされる国においては、旧資源の価値観から離れた新しい価値観に基づく新技術の開発を進める好機であるとも考えられる。そして、この環境経済の発展と、社会保障制度の関係を強化し、日本の経済社会の新陳代謝を改善する好材料であると考えるべき時が来ているのかもしれない。
Oct 3, 2008
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去る8月16日から本年末までの予定で、再び、カタール・ナショナル・マスタープラン業務で、カタールのドーハに滞在している。それはいいのであるが、現在、のべ4日間の間に、時差6時間、深夜直行便で11時間程度の行程で、カタールのドーハと、日本の三重との間を所用で往復している最中である。日本での滞在時間は約2日程度である。このような旅をしてみると、体感時間の感覚がはたらかなくなる。時計をみないと、日本でいったい何時かまったくわからなくなるようである。どちらかと言えば、カタール時間にあわせるようにスケジュールを組んでいることもあるかもしれないが、実に妙な感じである。よく、ヨーロッパなどの観光旅行で、1週間くらいで往復するものがあるが、そのような短期行程で海外旅行したことがないのでよくわからないが、きっと時間感覚がメチャクチャになっているのではないかと考えられる。頭と体に良いことだとはとても考えられないが、いったいどうなのであろうか。
Sep 7, 2008
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日本の景気も後退局面に入ったという。今回の景気変動要因は、少子高齢化など国内的な後退要因と、原油高など資源・エネルギー・環境問題という地球レベルでの後退要因とが複雑に交錯したものであり、その解決は容易ならざるものである。今迄の景気対策は、今回のものに比べると、景気上昇の要因となる要素を分析して、その結果を元に、要素を積上げ、還元してゆく事で全体、あるいは、全貌にいたるという20世紀の科学の論理である「要素還元論」型のVision(見通し)をもったものであったといえるであろう。その決定的な欠点が、今回の世界的な景気の後退局面の結果明らかになりつつあると言えるであろう。すなわち、要素を積上げ、還元することにより、そうする前よりは少しずつ良くなって行く可能性はあるが、いったいどこに至るのかわからず、めくら操縦をしているような状況に至ると言う事である。昨今の、資源・エネルギー・環境問題の顕在化は、それに対し、人類やそれをとりまく営みの行く先に対し、Television(長期的展望、遠隔的展望)を与えようとしていると考えられる。20世紀の自然科学、社会科学、人文科学においては、要素還元論的に、それぞれの、分割し、縦割り化した専門分野においてそれなりのVisionをもち、積上げてきた結果として、様相は複雑化し、展望は不明瞭になってきたようである。それに対して、資源・エネルギー・環境問題は、人類およびそれをとりまく生態系と地球システムの生存と持続という、それ以外の選択肢をゆるさない道筋を人類に課したといえるであろう。このことは、この問題の解決を、あらゆる人類の営みの行く末に対しTelevisionを提供しているといえるであろう。20世紀に比べて、より複雑になっている世界のあらゆる様相に対し、そこに、資源・エネルギー・環境問題の解決にともなうTelevisionの光明が見えてきているといえると考える事も出来よう。すなわち、あらゆるVisionをもった選択肢に対し、自ずと方向を見いだしうるTelevisionが人類に対し与えられたはずなのである。このTelevisionの詳細をアイデンティファイし、構造化し、意味付ける事が、21世紀の自然科学、社会科学、人文科学の総体に対し、要求されていると言えるであろう。社会科学の部分である経済についても、自然科学や他の社会科学、人文科学との境界領域のインタフェイス(界面)におけるトランザクション(相互浸透)を意識しながら、資源・エネルギー・環境問題による人類およびそれをとりまく生態系と地球システムの生存と持続の実現というTelevisionが至上命題として顕在化されることを待っているのである。政治経済社会においても、このTelevisionの顕在化こそが、景気回復と財政改革を始めとする個々の諸問題のプライオリティ(優先順位)を決定付ける鍵となるであろう。テレビやマスコミの報道においても、このTelevisionの提案とそれにともなう様相の転換の提示こそが要求されているのであり、その結果が、諸問題のプライオリティの提示と言う形で提案されることになるべきであろう。複雑な様相の混沌に至らしめた20世紀の英知の結果を人々に理解できる方法で、整理整頓し、光明をあたえることができるのが、このTelevisionのデザインによることになろう。
Aug 7, 2008
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日経新聞によれば、厚生労働省はテレビ電話など通信機器を使った遠隔医療について、在宅の糖尿病患者などに限定している現状を改め、対象範囲を広げる方向で検討するという。花粉症や皮膚病などの診察で幅広く認められるようになる可能性があるという。さらに地方の診療所と都市部の病院が遠隔医療で連携しやすい体制を整え、過疎地でも質の高い医療サービスを受けられるようにするという。患者の利便性を高め,医師不足問題に対応する考えと言う。そもそも、都市への集中と地方の過疎化が進む中、過疎地に住む、高齢者を中心とする人々が都市部に住むのと同等の医療を受けるのに、CO2の発生量が相対的に高い、建築的手段に頼るより、CO2の発生量が相対的に低い、IT技術によることは、資源エネルギー環境問題的視点からも望ましいであろう。一方で、現実的な医師不足、特に専門医の絶対的不足と、一般医のかかりつけ医が多い過疎地における専門医不足の問題を解決する為にも、遠隔医療の対象拡大は、効果的であると考えられる。過疎地などにおける医療設備の拡充には多大な投資が必要であるが、中央に集中した医療設備を過疎地の遠隔医療に利用できることは、都市部における医療施設の余剰設備を利用できることにつながると考えられる。遠隔医療は現在、医師と患者が直接向き合う対面医療が難しい場合の補助的な位置づけであるというが、厚労省は、症状の的確な把握が必要な初診と急性期の患者の遠隔医療を原則禁止する一方、在宅の糖尿病患者や高血圧患者、アトピー性皮膚炎患者など慢性期疾患で症状が安定しているいくつかのケースは可能との見解を示しているという。7月31日に、総務相と厚労省が共同開催している「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」(座長 金子郁容慶応大学教授)の提言書は、「慢性期の病気や健康管理、予防医療、生活習慣にかかわるものは遠隔医療が可能である」と見ているという。遠隔医療の実施レベルで、地方と都市などの2つの医療機関が遠隔医療をで患者の検査情報をやり取りして診察した場合に、現在は、地方の診療所側にしか支払われないが、地方と都市の両方が診療報酬を受け取れる様に検討するという。これにより、地方の診療所の利便性が向上するほか、都市の診療所の施設整備拡充が可能になると考えられる。遠隔医療のニーズは多いが、患者側にもテレビ電話や携帯電話などの装備が必要になる他、地域によって医療体制がことなるなど課題が多いという。
Jul 31, 2008
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昨日の日経新聞夕刊によれば、新日本製鉄は家庭やオフィスから出るごみを原料にして、燃料電池自動車などに使う水素を取り出す技術を開発したという。製鉄所のノウハウを応用して、ゴミを高熱で分解し、有用な水素を取り出すという。ゴミ処理費用を約二割減少させられるのが特徴であり、自治体などに設備を売り込む計画という。処理可能なのは神類や生ゴミと言った都市のゴミのほか、廃プラスチックや木材、汚泥、タイヤなどであろという。同社の八幡製鉄所に1日20トンのごみを処理できる試験炉を設置し、北九州市からゴミの提供をうけ、経済産業省の支援をうけ、京都大学、北九州市立大学と共同研究したという。ごみを処理するのは、3種類の炉であり、まずごみを蒸し焼きにして炭化し、次に摂氏1300度の高温で不完全燃焼させて、水素を取り出すという。炭化した時に出るタールからも水素を得る仕組みという。水素のみならず、メタノールなどを取り出して化学原料としても使えるという。水素を燃やして発電した場合、発電効率は28%前後であるといい、廃棄物発電より10ポイント近く効率が良いという。それにもかかわらず、設備の価格は既存のゴミ焼却炉とほぼ同程度という。ゴミからエネルギーを取り出す有望な方法が実現されつつあるようである。
Jul 29, 2008
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日経新聞によれば、大成建設とアラブ首長国連邦のドバイ首長国の政府系開発会社なキールは、波が高く海草が育ちにくい場所でも、海草を根付かせる新技術を開発したという。海草が根を張る為のシートを使い移植するという。海草が繁茂すれば海洋生物の豊かな海になり、環境問題への貢献が見込まれる。波が高く流れが速く海底に植物の生えていない砂地が続くドバイ近海で実証実験に成功し、人工島の工事で失われた環境の再生に利用されるという。海草の生えている場所の周辺にヤシ繊維で作った特殊シートを沈め、海草がシートに根を伸ばし、3ヶ月後にはシートに海草が生えるという。海草を生やしたい場所にシートごと移植するという。シートを沈め半年放置したところ、海草は流されずに残り、シート回りにも生えたという。ヤシ繊維は海中で自然に分解するという。大成はすでに開発していた移植用シートを流れにくく改良し、波の高さ平均1.5mの場所でも移植できるようにしたといい、船を使った大規模移植工法を開発し、各国での受注を目指すという。移植用シートに使う繊維の種類を変えることで、他の地域でも活用できそうな環境技術であると言えよう。
Jul 28, 2008
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7月26日の日経新聞によれば、同社が行った「研究開発活動に関する調査」により、日本企業の今後の動向が明らかになったという。日本企業は収益が伸び悩む中でも研究開発に積極投資を継続するという。主要255社が計画する2008年度の研究開発費は前年度比6.9%増と9年連続の増加という。歴史的な資源高の克服に向け、省エネルギー技術の開発に重点投資し、国際競争力を高める狙いだという。2008年度の研究開発費の伸びは売上高の増加率2.0%を大幅に上回るという。力を入れる分野(複数回答)は、省エネルギー技術(55.0%)ナノテクノロジー(36.3%)新エネルギー技術(36.0%)が続くという。ランキングの上位をしめる自動車、電機各社にとって環境規制や資源高への対応が勝ち残りの鍵を握っており、企業は優先的に研究開発費、人材などの経営資源を振り向けているという。これまでは環境規制への対応を主眼にしてきたが、今後は新たな需要を開拓するための武器として省エネ技術を磨く動きが加速しそうであるという。こうした、民間主導の動きは、資源・エネルギー・環境問題に対する対策を自主的に進めているものであり、革新的技術による革命の基礎を作るものであろう。
Jul 26, 2008
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本日の日経新聞などの記事によれば、五輪開幕を控えた北京と開催地の一つ天津を結ぶ高速鉄道が、7月22日、8月1日の運行開始を前にメディアに公開されたという。空港と五輪会場周辺をつなぐ地下鉄三路線の開通と並び、五輪に向けた北京の交通整備の目玉であるという。時速350キロを出す国内初の高速鉄道であり、両都市間約120kmの移動時間を現在の約1時間から30分に短縮するという。使われる車両は10編成(1編成8両)強のうち半分は日本の新幹線型を採用し、残りがドイツシーメンス型という。川崎重工業など日本六社が中国の南車四方機車車両(山東省)に新幹線「はやて」の技術を提供し、南車が製造したという。これが日本における報道であるが、その問題点を検討してみよう。1)実現した高速鉄道は、「はやて」よりも高速運転が可能になっていること。2)実現された線路橋梁トンネルは日本の技術でなく、おそらく 欧州系の技術によっていること。3)現在はドイツシーメンス型との共存であるが、 やがて、日本のはやて型技術と一体化洗練化され、よりよいものが 開発されるであろうこと。これだけをみると、後発国が先進国より技術を輸入すると、優位な立場に一方的にたてる様に思えてくるのであるが、そもそも、先進国が、技術開発力において、後発国よりすぐれているのであるならば、その技術レベル差は縮まるとしても、あいかわらず、先進国が本来優位に立ってしかるべきである。それにもかかわらず、先進国より、優れたコンポジションによる製品が出来てしまうのは、後進国の問題であるというよりは、先進国内に内在する利権や、その分野に対する同種業界の占有欲に根ざしているとも考えられないことはない。後進国は、各先進国の技術の良いところを好きな様に取り込めるわけであるが、先進国では、各国の技術がもつ、過去からのしがらみの結果として、他技術が良いと分かっていても、自分たちの開発した技術のかわいさ余って、あるいは、経済的政治的事情により、特定の技術しか利用できない様な環境にある訳である。このような、しがらみを取り除くのが、これからの新技術開発において、必要かつ重要なことであり、先進国が生き延びるすべであることに気づかせてくれたのが、この中国の高速鉄道の開発であったと考えられる。これから進展する環境技術においても、日本が遅れをとらないためには、後発国の選択の自由さに勝る、技術、条件選択の自由さを、各開発機関が持てる様な、経済・政治方策を可能にする事が必要であろう。
Jul 22, 2008
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中近東のカタールから日本へ一時帰国した7月6日の日経新聞の記事で最も印象的だったのが以下の様な記事である。合成繊維原料 三井化学が生産力半減原燃料高 国内で 設備廃棄広がる素材業界など 「選択と集中」拡大すなわち、原燃料価格の高騰を受け、素材メーカーを中心とする企業が不採算製品の生産設備廃棄や工場閉鎖に動き始めたというのである。三井化学や、日本製紙グループ、新日本石油なども工場などを閉鎖するという。原燃料高は当面続くと判断し、事業や拠点の選択と集中にいち早く踏み込み、競争力を維持工場させるという。日本の製造業は90年代に設備、人員、負債という「3つの過剰」を削減して収益を改善してきたという。今回、設備リストラに再び動く事になるが、新興国は成長を続け、多くの製品の需要はなお拡大が見込まれるという。化学各社も人員の削減には踏み込まず、高機能樹脂など成長が見込める製品の生産能力は引き続き増強するという。廃棄で浮いた人も成長分野に振り向け競争力を高める。その後、北海道洞爺湖サミットで、これといった革新的な結論はでなかったのであるが、日本の民間企業では、原燃料高を利用して、代替燃料や脱石油社会へ向かった技術革新が始まろうとしているようである。続く、7月18日の日経新聞では以下の様な記事が目を引く。三菱化学、植物樹脂を量産「脱・原油依存」進める年産1万トン、生産設備新設とある。三菱化学は植物を使った合成樹脂の量産に乗り出すという。2010年度にも生産設備を新設する計画で、従来の主原料である石油の使用量を減らして食器や家電などプラスチック製品を作れる様にすると言う。植物樹脂は高価格など難点があったが、原油価格が1バレル100ドル程度なら競争力があると判断したという。三井化学も木材からの樹脂生産を目指しており、石化業界で「脱・原油依存」の動きが加速しているという。樹脂2種類で植物転換を進めるという。土中で分解する「生分解性プラスチック」では、原料の約6割を占めるコハク酸をイモなどの糖分から作る方式に変更。従来は原油由来のナフサ(粗製ガソリン)から生産していたという。自動車や家電製品に使うポリカーボネートでも植物でんぷんを主原料とする量産技術を開発するという。三井化学はシンガポールの政府系研究所など国内外11社、期間と連携して、木材や稲わらから合成樹脂を生産する技術の開発に着手したという。15年度にも量産に踏み切るという。日本の石油化学業界は主原料の9割以上を原油由来のナフサに依存し、天然ガスなど多様な原料を使う欧米勢に比べて原油高騰の影響を受けやすいという。化学各社やナフサ以外の原料を活用する研究開発を強化し、資源高下での体質強化を狙うという。各社が進めるのが、天然ガス田からの随伴原油(コンデンセート)など非ナフサ原料の利用拡大であるという。天然資源は原油につられて価格が上昇し、安定確保が難しいという。化石燃料に頼らない原料開発も本格化している。植物原料では帝人も08年度中に参入するといい、三井化学は工場排ガスや大気中のCO2から合成樹脂を作る技術を確立する計画で、09年に実証生産を始めるという。このように、サミットが停滞する中でも、脱石油化石燃料資源社会へ向けて、日本の民間企業は確実に舵取りを始めたようである。
Jul 20, 2008
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5月23日金曜日、イスラム教徒の休日のため、カタール東海岸から往復半日の行程で、カタール西海岸のドゥカーンとザクリートを訪れた。ドゥカーンでは、新しく出来たシティセンターを訪れた。ドゥカーンのシティセンターにあるモスクは写真写りが良い建物であった。ドゥカーン近くの海岸には、貝殻がちりばめられた浜があり、波打ち際は、貝殻がくだけた白い砂があった。ザクリートの近くの砂漠には、印象的なキャンチレバーになった自然地形の造形があった。ザクリート近くの砂漠の特徴ある地形は遠くから見ると以下の様であった。
May 26, 2008
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カタールの首都ドーハは、アラブ首長国連邦のドバイに追いつけ追い越せと、2016年のオリンピック招致を目指して、大規模開発のラッシュが続いている。カタールと言えば、250年の埋蔵量を誇る天然ガスの御陰でこのような繁栄が来ているが、いったいいつまで続くことであろうか。既存の街は、自動車中心の街ができており、地球環境問題など全く関係ないようである。
May 18, 2008
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カタールの首都ドーハの中心にあるスーク・ワキフ近年、かつての雰囲気で観光資源として再建された。そもそも、カタール風の石灰岩を積上げ石灰で充填した建物は基礎がいい加減なため50年程度しかもたないらしい。ドーハは60年以前は、現在よりもだいぶ小さな街で、人口も極めて少なかったから致し方ないが、100年前の建築というものは、ほとんどないらしい。日本の城なども、復元と称して、オリジナルと殆ど共通点の無いものを作っている昨今であるから、それもしかたないかもしれない。カタール政府は、ドーハの中心部のスークを昔の姿で復興し、一方で、西海岸には超高層ビル群を突貫工事で建設し、2016年のオリンピック招致にむけて頑張っている。
May 13, 2008
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仕事でカタールのドーハ入りしてから10日がたち、やっと、アパートの部屋でインターネットをする余裕ができました。アラビアと言えば、独特のあの香水の匂いが漂います。夜の旧市街のスークの一角で撮影しました。
May 12, 2008
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日経新聞によれば、食糧以外の植物で作るバイオエタノールの実用化が各方面で進められつつあるという。1)ホンダと地球環境産業技術研究機構(RITE)稲わらなどの植物廃材を原料に、1リットル当たりの生産コストを国際競争力のある30円前後のバイオエタノール技術を開発2010年をめどに実用化を目指すという。2)新日本石油やトヨタ自動車、三菱重工業など国内16社と 経済産業省、農林水産省など2015年を目標に1リットル当たり40円程度にする量産技術の開発中という。3)大成建設、丸紅、サッポロビールなど商用プラント稼働中。4)三井造船など木材を使った実証プラント稼働中。5)カナダのアイオジェン社麦わらを原料にした商用プラント稼働中6)アメリカのレンジ・フューエルズ社廃木材を使い商用プラントを年内に稼働。7)丸紅、サッポロビール、月島機械(タイ)サトウキビの搾りかすを使った商用プラントを試験生産中。8)アメリカのベレニウム社農産廃棄物を使った実証プラントを4月に稼働。以上の様に,資源高を脇目で見ながら、新技術開発による低炭素革命が着々と進められつつあるようである。
Apr 30, 2008
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日経新聞によれば、希少金属、原油、天然ガス、コメなどの食糧が産出国等の産出制限などもあって、資源高となり、未曾有の試練となっているという。しかし、これも見方を変えれば、希少金属の代わりとなるバイオ系技術の開発、原油、天然ガスの代わりとなるバイオ系燃料の開発、コメ、トウモロコシ、サトウキビなどに変わる食糧にならない植物資源からのバイオ家燃料の開発をはじめとする、革新的科学技術の開発コストの既存資源とのバランスを引き下げ、革新的科学技術の実現を可能にする未曾有のチャンスかもしれないのである。資源・エネルギー・環境問題が引き起こす低炭素革命は、こうした資源高の支援を受けて,一段と実現性を向上させるであろう。そもそも、人類が既存技術の代替新技術を開発するときには、代替新技術のコストが既存技術に比べて相対的に安くなることにより実現してきた訳であるから、革新的新技術の開発による低炭素革命はすぐこそまできている前兆であると考えれば、既得権者にとっては不利であるが、既得権の無い企業等にはプラスに働く可能性が大きくなるであろう。
Apr 29, 2008
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日経新聞によれば、経済産業省は企業などが温暖化ガスの排出枠を売買する際の指針となる報告書案をまとめたという。企業が排出枠を所有していることを示す証明書を政府が発行したり、外国企業でも日本で排出枠の売買専用の口座を開設できるようにすることが柱という。ルールを整備し、排出枠取引を活発にする狙いという。報告書は経産省・産業技術環境局長の私的研究会がまとめたという。京都議定書の削減実行期間が2008年度から始まり、排出枠の売買量が増えたことを受け課題を整理したという。国民の意見を募った上で、5月にも公表するという。企業などが国連に認められた排出枠を受け取るには、日本政府が管理するシステムに専用口座を設ける必要があるという。地球温暖化対策推進法ではこれまで口座を開設できるのは日本企業と限定してきたが、これを来年以降改正し、外国企業にも認める方針という。外国企業が国内で排出枠を取引したいという希望は多く、政府は取引が活発になるとみているという。企業などが排出枠を所有していることを政府が証明する「確認書」も環境省・経産省の名義で発行すると言う。排出枠の取得は個人などにも広がっており、政府のお墨付きを与えることで、信頼性を高めるという。企業が排出枠を政府に移転する場合、取得費用は損金参入されるため、税務当局に提示する証明書の役割も果たすという。1)まずわかりにくいのは、「排出枠」「排出量」「排出権」などと、類似の用語がどう使い分けられているのかの説明を政府はすべきであること。2)排出枠のようなものは、その取引価格と異なるため、政府が証明する「確認書」は、温暖化がスのCO2換算量となるということであろう。3)排出枠取引価格/排出枠は、今後、低炭素革命が進行し、科学技術の革新的進歩することになるまでは、大局的にはほぼ一方的に増大すると考えられ、早い段階での取引が集中することにより、一時的な極端な増大が予想される。4)基本的に、極端な排出枠のオーバーフローは考えにくいので当面インフレ傾向が続くと考えられる。5)排出枠の政府によるお墨付きは、事実上一種の貨幣価値的なものを生じさせるため、低炭素経済を生じさせることになろう。
Apr 27, 2008
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Wikipediaによれば、「説明責任(せつめいせきにん、アカウンタビリティー(Accountability)の日本語の訳語)とは、政府・企業・団体などの社会に影響力を及ぼす組織で権限を行使する者が、株主や従業員といった直接的関係を持つものだけでなく、消費者、取引業者、銀行、地域住民など、間接的関わりをも持つ全ての人・組織(ステークホルダー:stakeholder、利害関係者)にその活動や権限行使の予定、内容、結果等の報告をする必要があるとする考えをいう。」とある。一時は、説明責任というわけのわからない日本語がはびこっていたが、最近ではあまり聞かなくなったようである。一方で、研究社リーダーズ英和辞典によれば、レスポンサビリティとは、責任,責務,負担,責任を負うべき対象とある。今迄の日本語訳のアカウンタビリティは、何を言っているかわかるようでちっともわからない言葉であったといえ、本当の意味で日本語になっていなかったといえないであろうか。言葉が持つ,その成り立ちの過程のいきさつで、アカウンタビリティは、日本語になっていない日本語訳を強いられてきたのではないだろうか。語源的な文責によれば、abilityは「・・・出来ること」能力、手腕、才能を意味しており、レスポンサビリティとアカウンタビリティもともに、アビリティの一種であることを示している。レスポンサビリティでは、前半にresponseの意味が示されており、応答,返答,反応、入力に対応した出力の意味を含んでいる。すなわち、レスポンサビリティは日本語に訳するならば、「対応力」のことを示していると言えそうである。これに対し、アカウンタビリティでは、前半にaccountの意味が示されており、説明,弁明、答弁,報告,理由、根拠、考慮、勘案、判断の意味を含んでいる。そうだとすれば、アカウンタビリティは日本語に訳するならば、「説得力』のことを示しているといえる。すなわち、ともに「責任」とも訳されているレスポンサビリティとアカウンタビリティは、それぞれ、「対応力」と「説得力」のことを意味しているのが本当の日本語訳であると考えられる。現在の日本の政治家や、指導者達に求められているのは、レスポンサビリティ『対応力』および、アカウンタビリティ『説得力」であると考えれば、それはまさに,彼らに欠落しているが故に国民から求められていることではないのだろうか。
Apr 15, 2008
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日経新聞によれば、NTTは、桁違いに消費電力が小さい半導体素子を開発したという。素子に微細なバネが組み込んであり、微小な電圧をかけて振動させて「0」と「1」のデジタル信号を作る仕組みという。従来の数百から数千分の一の消費電力で演算が可能になるという。いまだ基本原理を確認した基礎段階だが、実用化できれば超省エネのコンピューターや携帯電話が実現すると言う同社の物性科学基礎ケンキュウジョの研究成果であり、2008年4月13日の英国科学誌「ネイチャー・ナノテクノロジー」に論文を発表してあるという。開発したのは、ガリウムやヒ素などでできた半導体素子であるという。電極にマイクロメートルサイズの板状のバネが2つ付いていると言う。電圧を加えるとバネが振動し、上に曲がった状態を「0」、下に曲がった状態を「1」としてデジタル演算をする仕組みという。1bitの状態を作るには、従来の数千~数万分の一にあたる10ピコ(1兆分の一)ワット程度の電圧ですむという。ただ、演算速度は従来の方式よりも遅いため、実際に演算するときの消費電力は従来の数百~数千分の一程度になるという。資源・エネルギー・環境問題で、IT機器を流れる電流が増え、そこから発熱する熱量が時代とともに多くなり、情報のエントロピーが物質のエントロピーに対応するような状況になりつつある昨今であるが、半導体の消費電力が従来の数百~数千分の一になるとすれば、IT関係の発熱を冷房するためにかかる空調負荷が、同じ情報量について、格段に減少することになる。従って、今後IT機器をながれる情報量が格段に増えないかぎり、空調負荷も相応に減少する可能性が出てきたといえよう。IT機器関係で出るエネルギー消費とCO2発生のほとんどが、空調負荷によるものであるから、間接的に、省エネ、省CO2に繋がる製品化が期待される。
Apr 14, 2008
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昨日あたりの日経新聞のインタビューで、中曽根元総理が、現在の与党党首の福田総理と野党党首の小沢代表の両方が、政治的な求心力と政治力や政策に欠けているというようなことを述べていた。ともに、周囲に意見を異にする政治家をかかえているのであるが、そのためか、はっきりした政治信念に基づく行動がとれていないことには、与党も野党もかわりがないというようなことであった。政敵に囲まれていたにもかかわらず、困難の中に政治信念を持って、時代を開き、政治構造を改革した人といえば、旧ソ連のゴルバチェフ大統領の例があるであろう。かれは、旧共産主義の牙城の中で、一人一人を説得して冷戦構造の崩壊に向けたソ連のロシアへの転換をリードした人であるといえる。まわりは反対意見をもった、協力な共産党の中心にいて、共産主義と異なる方向へ方向転換をしたのであろうか。正しく命がけで政治信念を通しながら生き延びた人である.福田総理のまわりにも、総理と意見を異にする与党議員もいっぱいいるようであるが、本当に正しい信念をもち、命がけで仕事をすれば、やがて周囲も着いて行かざるを得ないのであろう。小沢代表が邪魔をしているとしても、旧ソ連の解体に比べれば、大人と子供くらいの違いがあることである。福田総理には命をなげうって真剣に取り組む問題意識が現在のところ欠落しているようである。現在人類は、資源・エネルギー・環境問題という未曾有かつ,人類が未経験の危機的重要課題がある。福田政権は、この問題の解決と解決法の説得提案を軸として古い体制の崩壊と、新しい体制の構築を目指すことの出来るポジションにいるはずである。年金問題にしろ、財源問題にしろ、景気の問題にしろあらゆる問題が、資源・エネルギー・環境問題の旗印の下に整理され、主張されなければならないのである。この場合、先進国、新興国、途上国と全てが反対意見をだすであろうが、それを説得する論理と話力が求められているであろう。それどころか、国内の社会構造をも変えなければならず、国内も政敵ばかりであろう。如何に周囲全てが政敵であっても、一人でも命がけでやり遂げる信念がなければ、とても乗り切れるものではないであろう。命がけといえば、小泉総理のときには、反改革の勢力にとりかこまれていたにもかかわらず、命がけで国民に語りかけたために、郵政民営化や、景気回復を達成することができたのである。政府を代表する福田首相にも、何者をも論破する迫力を持って、命を賭して仕事をして欲しいものである。クールな賢人には、この難局をのりこえることは難しいのではないだろうか。
Apr 12, 2008
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日経新聞によれば、三菱商事子会社などが出資する生ゴミ処理施設運営のバイオエナジー(東京、中央区)は2008年度中に、生ゴミから発生するバイオガスを自動車用燃料に利用するという。生ゴミ製ガスの自動車での本格的利用は全国初という。天然ガス車ならば改造をせずんい利用できるという。当面はゴミ収集車の燃料に使うという。廃棄物サイクルとCO2削減の両面から、環境負荷の低減に有効な手法として注目されそうだというが本当にそうであろうか。東京湾岸で運営する生ゴミ処理施設(東京、大田区)内にバイオガスを自動車んい充填する装置を新設するという。2008年~2009年度に4億円程度を投じ、1日40台~50台へ充填可能な設備を整えると言う。生ゴミを発酵させて作るメタンガスは天然ガスとほぼ同成分という。ただし、発酵ガスにはCO2も含まれるため、自動車燃料に使うにはCO2を除去し、メタンガス濃度を高める必要があったという。今回は、兼松や出光興産など11社で設立したバイオガス・ネット・ジャパンの技術を利用し、メタンガス濃度を95%以上に高めるという。温暖化ガス削減を定めた京都議定書によると、生ゴミに含まれる野菜などはCO2を吸収して育つため、生ゴミ発酵ガスを燃料に使うと、CO2を排出しないと見なすことができるというが、本当にそうだろうか。生ゴミは、植物質だけではなく、動物質もかなり含むので、100%生育時にCO2を回収しているとは言え無いのではないかという疑問が残る。勿論、動物質の生ゴミであっても、太陽エネルギーの水と大気の大循環によるバクテリアの分解可能物質になるのであるから、廃棄物リサイクルという面からは環境に優しい流れであるということができるが、京都議定書に生ゴミ由来のガスが100%CO2を吸収する過去を持つと書いてあるとは考えにくいだろう。とにかく、価格が天然ガスより割安になるというから、程度の問題はともかく、環境にいい方法であるとはいえるであろう。
Apr 7, 2008
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今日の晩もそうであったが、楽天広場の回線がパンクしていて、繋がらなかった。楽天に限らず、最近回線不良が増えている様に感じられる。一説には、動画情報がやり取りされる様になり、インターネット回線上を流れる情報量が爆発的に増えているということである。元来、情報のエントロピーと物質のエントロピーとは別に計算されてきたが、実質的な問題として、爆発的に情報が流され、情報のエントロピーが増えると、情報機器やそのための空調機器の物質のエントロピーすなわち、熱力学的エントロピーも無視できない程度に増加しているといえる。すなわち、情報のエントロピーの増加と物質のエントロピーの増加が強度の相関関係を持ち始めているということであろう。すなわち、成長の限界がある物質の世界に、情報も踏み込んできているのであり、「情報の限界」というものが、すでに起こり始めているとの危機感を持つ必要があるということであろう。情報のインフラである、情報スーパーハイウェーである大容量光ファイバーケーブルだけではなく、中間から末端にいたる迄、すでに、情報の交通量を超えた情報が走り回り、やがて、大渋滞を引き起こす可能性が出始めているのではないかと考えられる、今日この頃である。
Apr 5, 2008
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2008年4月1日の日経新聞によれば、東京大学と名古屋大学のチームは、3月31日、大気汚染物質が黄砂に付いて運ばれてくることを確認したと発表したという。中国大陸から飛んでくる黄砂は汚染物質の運び手とされるが、実際に一粒ずつが汚染されていることを詳細な化学分析で突き止めたという。健康や気象への影響を探る手掛かりとなるという。東大の戸野倉賢一准教授は「中国北西部で舞い上がった黄砂粒子が、中国の工業地帯で汚染されて飛んできた可能性が大きい」と説明したと言う。吸い込むと、健康への影響が出る恐れもあるとしている。本当に中国で汚染されたかどうかの実証があるのかどうかはわからないが、もしかして、黄砂の飛行ルートのべつの場所、例えば、日本上空で汚染された可能性は本当に無いのか中国に抗議するまえに、実証する必要があろう。黄砂の粒子が含む化学物質の種類を1粒ごとに連続測定できる装置を試作し、3月16日夜から19日朝に東大構内(東京・文京区)で約50000個の粒子を観測したという。ほとんどから自動車や工場が排出する窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物が原因と見られる物質が見つかったという。ほんとうに中国原因説を実証するには、黄砂の発生地から、日本へ至るルート沿いに検証しなければ、中国から抗議される可能性もあろう。
Apr 4, 2008
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環境問題に含まれるものとして、非常時環境の状況がある。日経新聞によれば、東京23区内の35箇所の道路で満員電車並みの混雑が発生するという。国の中央防災会議が2008年4月2日公表した首都直下地震後の「帰宅行動シミュレーション」では、帰宅困難者など外出中の約200万人が道路上で3時間以上も立ち往生する姿を予想した。道路機能の麻痺により生じる救急活動の遅れや二次災害などを以下に防ぐかが喫緊の課題になっているという。混雑が発生する道路の地点には、臨時トイレや公衆便所、備蓄倉庫や軽食、水の確保などがマラソンの給水地点の如くに必要であろう。日常生活での弱者である、高齢者、子供、障害者などに対する対策も必要であろう。携帯電話を持っている人に対しては、周辺に十分な回線や中継地点の配置が必要であろう。持っていない人に対しては、公衆電話が必要であろう。家族や、関連者の安否情報と所在情報がすみやかに伝わるようにすることも必要であり、病人やけが人への医療機関を始めとする救済が必要であろう。日本が世界の地震の10%の発生国であるということは、それもまた、日本に与えられた環境問題であることであるという認識が政府や東京都にも必要であろう。
Apr 3, 2008
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今、資源・エネルギー・環境問題の報道の陰に隠れて、将来遥か彼方の、もっとシリアスな問題を宇宙研究者は見ていることが、日経新聞に掲載されている。アメリカ航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センターの研究チームは、2008年4月1日、質量が太陽の3.8倍で直径が約24キロとこれまでで最小のブラックホールを特定したと発表したという。太陽系が属する天の川銀河のさいだん(祭壇)座にあり、2つの星がお互いを回る連星のうちの一方であるという。2001年に発見され、研究チームは、ブラックホールに渦のようになって巻き込まれて行くガスが発生するX線を解析する新たな方法で質量を推計したという。恒星は寿命を迎えると超新星爆発を起こし、太陽質量の1.7~2.7倍以上だとブラックホールになり、それより小さいと中性子星になると考えられているという。これまで見つかっていた最小のブラックホールは6.3倍だったという。超高密度のブラックホールは小さくても引き込む力は極めて強く、チームは「近づきすぎるとスパゲティのように絡めとられてしまう。」と警告しているという。そもそも、現在の資源・エネルギー・環境問題などは、太陽系の中で、太陽エネルギーが一定水準に保たれている状況の中での話であり、宇宙の動きに比べれば、小さな出来事である。巨大隕石が地球システムにぶつかることもブラックホールに比べれば大したことではないが、現在の資源・エネルギー・環境問題の前提にくらべて遥かに巨大な力学により引き起こされることになる。小さな星地球で、資源・エネルギー・環境問題が解決できないような人類には、宇宙の中で引き起こされるもっと大きな出来事について考える資格もないということであろうか。
Apr 2, 2008
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日経新聞によれば、農林水産省は親と同じ遺伝子情報を持つクローン牛から生まれた次世代クローン牛について、「一般牛の乳や肉と比較した結果、生物学的な差異は認められなかった」とする報告書をまとめたという。農水省と厚生労働省は、内閣府の食品安全委員会にこの報告書を諮問する検討を進めており、安全性が認められれば、国内でのクローン牛の流通につながる可能性もあるという。調査は国内の大学などで誕生した体細胞クローン牛に加え、クローン牛とその子にあたる次世代クローン牛について全国的にデータを収集したという。報告書では「データが存在するいずれの調査分野においても一般牛との差異は認められなかった」と結論づけたという。調査は独立行政法人の農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地ケンキュウジョがまとめたという。クローン牛をめぐっては、厚労省が2003年に食品としての安全性について調査し安全性を確認しているというが、慎重な配慮が必要だとも指摘しているという。クローン牛の次の世代の牛についても安全かどうかの調査を進めていたという。論理的には体細胞クローン牛は親と同じ遺伝子情報を持つ。全てのクローン牛が同じ体細胞からのものだと、1頭が病気になると、ほかのクローンも同じ遺伝子情報なので同じ病気に弱く、その種が絶滅する可能性をもつだろう。それに対し、次世代クローン牛には、より多様なバリエーションがありえるだろう。1)同じクローン牛を父親に持つ体細胞クローン牛2)同じクローン牛を母親に持つ体細胞クローン牛3)異なる親クローン牛同士の交尾により生まれた次世代クローン牛4)クローン牛の父親と、べつの母親一般牛との交尾により生まれた次世代クローン牛5)一般牛の父親と、べつの母親クローン牛との交尾により生まれた次世代クローン牛の4種類が少なくとも考えられるであろう。孫世代までのクローン牛のバリエーションはより多様になると考えられる。優秀な親牛の遺伝子を残すという意味からすると、次世代クローン牛として、最も意味があるのは、タイプ1)とタイプ2)のクローン牛であり、タイプ3)、タイプ4)、タイプ5)は、新種の開発素材としては意味をもつが、それ以上の意味は持たない可能性が強いと考えられる。とすれば、次世代クローン牛として有効なのはタイプ1)とタイプ2)であると考えられ、この2世代にわたるクローン行為が安全であるとするならば、クローン行為一般も安全である可能性が高い。次世代クローンとしてタイプ3)タイプ4)タイプ5)を考える場合には、優秀な遺伝子をもつ牛の父親と母親を見つけ出し、6)父親牛をクローンにして、母親と交尾させる7)母親牛をクローンにして、父親と交尾させるという可能性が考えられるが、出来上がった子供牛同士は、兄弟としての遺伝情報を持つにすぎずこれもまた、次世代クローンにする意味が無い場合が多くなる。ということは、やはり、次世代クローン牛とはタイプ1)とタイプ2)を意味しているのであろう。ということになると、クローンにより種牛を作るという意味では、タイプ1)のみが有効であり、タイプ2)では数が限られた卵子の数を増やす程度が限度であろう。こうしてみると、次世代クローンをめぐる実験的研究はかなり数が多く、手間がかかるので、本当に十分な検体数を用いて出された報告書なのか疑問に思われる。食の安全の見地から、十分な検体数を確保して結論を出して欲しいものである。
Apr 1, 2008
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日経新聞によれば、「今年の夏、北極点を覆う海氷が初めて無くなるだろう」と、海洋研究開発機構・北極海気候システム研究グループの島田浩二グループリーダーらが予測しているという。北極点の氷は凍ってから1年未満の薄い氷であることが判明し、非常に解けやすいとみられるという。「9月ころには北極点へ砕氷船でなくても行ける」という。人工衛星の観測で、氷が出来て間もない新しい物か、夏を越したものかを判別できるという。2007年秋以降、観測を続けた結果、北極点付近の氷は新しい氷だと分かったと言う。平年並みの夏が来れば解ける可能性が高いという。北極海の氷は近年、夏季に溶ける面積が広がっているという。2007年に、海水温が過去100年の平均値を5度上回り、海水面積は観測史上最小(約425万平方km)だったという。アラスカ側は北緯85度付近まで氷が無くなったと言う。海氷の減少は温暖化による気温上昇だけでなく、ベーリング海峡から暖かい海水が入り込みやすくなったためとみられるという。昔の様に氷が広がって陸地に接岸しなくなったため、氷が動きやすく、北極海を時計回りに流れる速度が速まったという。太平洋から温かい水を呼び込みやすくなっているという。太陽光を反射する氷が消えると、海が熱を吸収しさらに氷が出来にくくなり、雪だるま式に温暖化が進みカタストロフィになることが予想されるという。国連・気候変動に関する政府間パネル(IPCC)も北極海が地球上で最も温暖化が加速する場所であると指摘し、北半球の気候に大きな影響を与えカタストロフィになる恐れがあるという。人類や地球生命の多くに残された時間が、刻一刻と短くなっていることを実感すべきときがついそこまで来ているようである。
Mar 31, 2008
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日経新聞によれば、遺伝子組み換え樹木とは、乾燥や光などに強い特定の性質を持たせるために遺伝子を組み替えた樹木のことである。遺伝情報(ゲノム)が解読されているポプラを使った研究が世界的に盛んであるという。日本では規制対象で屋外で植えるには国の許可が必要だと言う。海外でも研究が進み,米エネルギー省はセルロースを多く含む遺伝子組み換えポプラでバイオエタノールを作る研究に取り組んでいるという。中国でも商業的に植えられており、実用化面では日本よりも進んでいるという。こうした中で、植物が育ちにくい荒れ地を緑化して森林に再生する研究が脚光を浴びているという。乾燥に強く成長が早い木を作ったり、荒れ地に適した森林技術を開発したりしている。荒れ地は森林伐採や無理な農業、放牧などで生み出され、異常気象の遠因にもなるという。森林に再生すれば、自然環境の回復につながり、温暖化ガスのCO2を大量に吸収する可能性も潜めているという。研究者が荒れ地に着目するのには訳があり、砂漠では水分がほとんどなく、再生に向けたハードルが高いという。これが荒れ地なら、土地は土壌を改良したり、乾燥に強い等の性質を持つ樹木を植えることで、砂漠よりも緑化を進めやすいという。荒れ地での緑化・森林差異性は、地球温暖化防止に繋がるという。全世界の陸地の3割を占めている塩害が起きている土地や砂漠化が進んでいる土地などの総称である荒漠地の緑化で吸収できるCO2を見積もった研究者によれば、降雨が全くない砂漠を除き、荒漠地のうち13%が開発中の品種や技術で森林の再生ができると試算され、これらが緑化できた場合には、2030年頃に最大で100億トンのCO2を吸収できるという。この量は2030年ころに全世界で消費される化石燃料で発生するCO2量に匹敵するという。遺伝子組み換え植物という未知の領域に踏み込むことになるが、改良樹木による荒れ地再生には、地球システム全体に影響を与えうる、CO2削減能力があることがわかる。
Mar 30, 2008
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2008年3月28日の日経新聞によれば、東レは紙の様に薄く柔らかいディスプレーの実現につながる新素材を開発したという。有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレーの画像表示に使う主要な部品であり、従来は安価でうまく折り曲げができる素材がなかったという。同社は電子ペーパーや無線ICタグ(電子荷札)にも応用できるとみており、3年後をめどにディスプレー・メーカーなどへ新素材の提供を始める考えという。有機半導体とは、半導体としての性質をもつ有機材料である。シリコンなどの無機半導体は硬く折り曲げることはできないが、有機半導体は柔らかく折り曲げることが可能であるという。印刷技術でトランジスタを作ることができるため、低コストで大面積化が可能とされる。ただし、無機材料に比べて電気特性や耐久性が劣り、性能向上が普及の課題であったという。開発した新素材は、硫黄などを含む有機半導体であるという。この材料に、ナノテクノロジー(超微細技術)の材料として注目を集めているカーボンナノチューブ(筒状炭素分子)を混ぜたと言う。電気を通す性能はシリコン半導体並みに向上し、製造コストも10分の1程度になるという。同社は開発した成果を3月28日に応用物理学会で発表するという。東レは今回の技術を武器んい先陣を切って新市場の開拓を進めてゆく方針であると言う。有機半導体の実現は、資源に限りがあるシリコンを使った無機半導体とはちがい、低価格化技術とともに、今後主流になることであろう。バイオ系の技術としても有機半導体が発展する可能性があるとも考えられ、資源・エネルギー・環境問題をボトムアップ的に解決する一つの鍵になるかもしれないと考えられる。一部に有機ELには発がん性があると指摘する向きがあるが、今後の技術開発で解決されるであろう。
Mar 29, 2008
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日経新聞によれば、経済産業省所管の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と産業技術総合研究所などは、微生物やショクブツから集めたバイオ技術由来の天然化合物を使い、新型万能細胞(iPS細胞)の作製効率を高める研究に2008年4月から乗り出すという。安全性の高いiPS細胞の開発につなげるという。再生医療に向けて実用化を後押しするのが狙いだと言う。産業技術総合研究所の新家一男チームリーダーらは、iPS細胞を開発した京都大学の山中伸弥教授らと協力して研究に着手するという。産業技術総合研究所では、微生物や海洋産物・生薬から採取した約15万種類の天然化合物のライブラリーを保有しており、これを研究に活用し、iPS細胞の作製に役立つ化合物の探索に取り組むという。iPS細胞が当初作られた時に導入された4種類の遺伝子の一つは発がん性が指摘されていたが、その遺伝子なしでは作製効率が下がってしまったという。遺伝子導入に使うウィルスにも発がん性が懸念されているという。iPS細胞の作製時に遺伝子の働きを調節する化合物を加えれば、導入遺伝子の数を減らしても効率よく作製できる可能性があるという。将来的にはウィルスで遺伝子を導入しなくてもiPS細胞を作製できるかもしれないとして、世界的に研究競争が活発になっているという。iPS細胞の考え方は、何も、人間の再生医療にのみ使われる必要はないであろう。また、動物だけではなく、植物などにも利用できるかもしれない。これらにより、バイオ系の素材、構造材、等々様々な物が生み出されうる可能性を持っていそうである。いわば、命を持っていて、太陽エネルギーを利用できる生物質を生み出す技術であると考えられそうである。そうした新技術の確立にも、可能な限り多くの天然化合物利用による試行錯誤が重要であると考えられる。
Mar 28, 2008
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日経新聞によれば、鉄鉱石など資源価格の上昇を背景に、世界の資源大手が大型再編に乗り出しているという。英豪BHPビリトンによる英豪リオ・ティントへの買収提案など、水面下の交渉を含めると合計で30兆円規模のM&A(合併・買収)が成立する可能性があるという。中国やインドなど新興国の需要拡大に備え、手元資金が増えた資源大手は優良鉱山を囲い込もうとしており資源大手の再編を巡る攻防は一段と激しくなりそうだという。2005年から現在にかけての資源業界の主なM&Aとしては、ニッケル、銅、ウラン、亜鉛、アルミ、鉄鉱石などに影響が及んでいるという。ところで、現代物理学や生物科学においては、熱力学第二法則のシステムで、システムと外界の間に出入りするものがエネルギーであるか物質であるかには基本的な違いはないとされている。このとき、熱力学第二法則は次の様にも表現される。則ち、「閉じたシステムにおいては、物質とエネルギーは一つの方向のみに、則ち使用可能なものから使用不可能な物へ、或は、利用可能な物から利用不可能な物へ、或はまた、秩序化されたものから、無秩序化された物へと変化する。すなわち、正のエントロピーへが増大する。かつて1970年代初頭にローマクラブが「成長の限界」で指摘したように、資源再編が進むと進まないとにかかわらず、地上の人類が人口増大し、心的福祉から物的福祉を追求する方向にライフスタイルを変えてゆく限り、地球上の化石資源は枯渇し、やがて成長の限界が訪れることになる。この成長の限界に至る迄、太陽エネルギーが燃え尽きるまで60億年を地上の人類が生き延びようとするのであるならば、資源や物質やエネルギーも、化石資源や化石エネルギーではなく、太陽エネルギーの負のエントロピーとして地球システムに取り入れた資源・エネルギーを活用して行くしか方法はないのであろう。そのためには、太陽エネルギーの負のエントロピーにより駆動される、水と大気の大循環システム上で、物質のエントロピー(正のエントロピー)を増大しにくい、生態系のシステムを資源・エネルギーとして活用するバイオ系の科学技術の進化発展利用が進められるように科学技術を変換する革命が必要であるのである。化石資源や化石エネルギーが高騰すると、相対的に、バイオ系の科学技術の開発費が安くなり、新しい科学技術の革命が早く進むことになる。新しい科学技術の革命に加速度がつけば、もはや、化石資源や化石エネルギーは希少資源としての価値は有する物の、エネルギーや常用資源としての経済的価値を失うことになる。例えば、植物の光合成を利用した太陽エネルギー変換装置や、バイオ系技術でできるカーボンファイバー等々ができるようになれば、人間環境システム内での資源・エネルギー問題は革新的に様相を変え、その結果として、環境問題の様相も大幅に変わって行くことであろう。問題は、人類が滅びる前にそうした革新的技術にたどり着けることができるかということである。科学技術の種を探すのが理学部系の仕事だとすれば、人間に利用できる形で人類その他の生物の営みを可能にしてゆくのが、農学部系や工学部系の仕事である。環境問題は、資源・エネルギー問題と一体化した資源・エネルギー・環境問題として意識された時に初めて、そのストレスやプレッシャーが、こうした科学技術系にモチベーションを与えることになろう。そして、そうしたたモチベーションを与える仕事が日本の文部科学省に任せられられる様になるのは、一体いつの日になるのであろうか。
Mar 27, 2008
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道路特定財源は一般財源になることになるのだろうか。この流れは、年頭から明らかであったことは、過去のブログを見ても明らかである。Jan 19, 2008ガソリン減税に対抗して、環境税を準備する 日経新聞によれば、今回の通常国会では、民主党の主張する揮発油税の暫定税率の廃止が大きな焦点となるという。仮にこの案が実現すると、ガソリン1リットル当たりの価格が約25円安くなると言う。だが、この時期のガソリン減税が適切なのか冷静に判断する必要があるという。地球環境問題が主要テーマの7月の洞爺湖サミットの直前にガソリン減税が実現すれば、「日本はCO2削減に本気でない」というメッセージを国際社会に送ることに成る。(後略)Feb 12, 2008道路特定財源等の暫定税率分は、21世紀の産業配置に応じて分配すべきだ 道路整備の財源である揮発油(ガソリン)税など暫定税率と道路特定財源の堅持を求めて知事、市町村長、地方議員らが気勢をあげている。与党内にすら修正やむなしの声もある中、地方はさながら道路族一色という印象だという。そもそも、地方が道路特定財源等の暫定税率に固執するのは、20世紀からひきつづいてきた地方の産業等をそのまま維持することを前提に、土木建設業界の維持をあいかわらず続けようとしているものと考えられる。現在および将来の世代に責任がある21世紀初頭の政治家としては、21世紀に、地域の産業がどのように変化すべきかを考えてゆかねば、判断をあやまることになろう。そこで、21世紀の日本の産業構造を考えてみることにする。第1次産業とは「自然の生態系に働きかけて直接に富を取得する産業が分類される産業」であり、太陽光線(負のエントロピー)のフローに働きかけて地球環境の水と大気の大循環により、汚染物質(正のエントロピー)を大気圏外に放棄できる産業である。第二次産業とは「地球上の生態系とは異なる物質も変化させ直接的に富を取得する産業」であり、太陽光線(負のエントロピー)のストック(化石燃料)などに働きかけて、地球環境の水と大気の大循環により、汚染物質(正のエントロピー)として大気圏外に自然に廃棄できにくい物質を変化(消費)する産業である。第3次産業とは「商品やサービスを分配し、物流によるエネルギーの直接大量変化(消費)をともなう産業」であり、太陽光線(負のエントロピー)のストックに働きかけて、地球環境の水と大気の大循環により、汚染物質(正のエントロピー)を大気圏外に自然に廃棄できにくい物流等を含む産業である。第4次産業とは「ソフトウェア産業や情報通信産業や技術開発など物質やエネルギーの直接大量変化(消費)をともなわない産業」であり、情報のエントロピーに働きかけるが、地球環境の水と大気の大循環による、汚染物質(正のエントロピー)を大気圏外に自然に廃棄できる程度に抑えら得る産業である。などと定義できるであろう。資源・エネルギー・環境問題がある日本を含む21世紀の社会において、地球環境に汚染物質(正のエントロピー)を減少させながら、経済を回転させて、成長路線に乗せながら人類が生きてゆく為には、第二次産業(道路建設関係産業を含む)を減少させ、第3次産業(物流関係産業を含む)を減少させるか、高効率化させ、第1次産業を主力とし、第4次産業に第2次産業人口と第3次産業人口をシフトしてゆくことが必要であろう。すなわち、産業構造の大転換が、資源・エネルギー・環境問題の解決には重要であるということである。そうだとすれば、21世紀型の産業として、道路建設関係産業等は淘汰され、かわりに、第4次、第3次、第1次産業に国及び地方の産業をシフトしてゆかねばならないことになる。とすれば、道路特定財源も淘汰され、同額の税制を環境税などとし、一般財源(社会福祉、医療、高齢者、少子化対策等)に転換してゆかなければ、21世紀型の産業構造に国および地方は転換してゆくことができないことになる。暫定税率の廃止で、21世紀に好ましい産業構造を実現する為に、20世紀型の環境破壊型の産業構造をとりのぞく突破口とする必要があると考えられる。
Mar 26, 2008
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日経新聞によれば、新日本石油、トヨタ自動車、経済産業省、東京大学などが参加する協議会が、2015年までに最大20万キロリットルのバイオ燃料を国内生産する協議目標をまとめたという。ヤナギやイネ科の植物などを主原料に使い、輸入エタノールに対して競争力がある1リットル40円での生産が可能としているという。政府がバイオ燃料の導入目標とする50万キロリットルの4割にあたる規模で、産官学の連携で開発を急ぐという。つい最近迄、学問の世界では、学問のための学問を良しとし、特定の目的のもとに学問をすることを望ましくないかのように蔑む嫌いがあったと言える。その為、研究者の趣向にあわせるため、研究者の数だけ研究の和が分散している状況であった。人類の知の集積をはかる理学部においてはそれで良いとしても、人類の営みをつかさどる工学部や農学部等においても学問のための学問がはびこっていた可能性が高い。資源・エネルギー・環境問題は、分散化することで、人類の営みと関係ないところで動いていた科学の世界に人類が生存し続けるために役に立つことをすることに市民権とテーマを与え、集約するようになり、その結果、近未来に資源・エネルギー・環境問題を克服する為に、科学技術特に農業工学的技術に進むべき道を与えることになり、革新的科学技術の発展による新産業革命を引き起こす可能性を高めたといえよう。3月26日に開く「バイオ燃料技術革新協議会」で、目標と生産計画をとりまとめるという。原料にはミナミ日本に自生するエリアンサスといったイネ科の大型草、ヤナギやポブラなど3年程度で収穫可能な広葉樹を候補とすると言う。いずれも栽培の手間があまりかからず、生産コストを抑えられるという。半径7kmの育成地で、仮にイネ科の植物を年間130万トン収集すれば、年間10万~20万キロリットルのバイオ燃料の生産が可能という。生産には東京の山手線内の面積の1.5倍となる130平方キロメートルの耕作地が必要だが、減反などによる未利用農地などの活用で実現可能とみているという。現在日本のバイオ燃料の生産量は年数百キロリットルとみられ、沖縄県宮古島市などでガソリンに混ぜて使われているが、ただし、製造コストは最も安いサトウキビを原料にしても1リットルあたり140円とガソリンより高く、同40円で量産する米国やブラジルに大きく遅れをとっている。こうした現状をふまえ、2007年11月に新日石や出光興産、トヨタ自動車といった民間16社、経産省、農水省など産官学による協議会が発足したという。企業の他大学や独立行政法人などが中心になって技術開発に取り組み、政府が補助金の拠出で支援するという。今春以降に原料の選定や発酵などの技術開発を進めるという。
Mar 25, 2008
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日経新聞によれば、フランスの環境関連企業ベオリア・アンビロヌマンはパリ郊外の地下にCO2を封じ込める事業に着手するという。そもそも、パリの石灰岩質の組石造の街並は、パリやパリ周縁の地下から掘り出した石を地上に積み上げてできているのであり、採石場跡地の空洞は、パリのインフラ(メトロ、上下水道、蒸気など)に用いられているので、そこにCO2が溜まることに違和感は少ないのかもしれない。パリは有史以来地震らしきものが無いとのことであるから、地下空洞が、活断層と関連している可能性は少ないので、日本の様に、地下空洞にCO2を充填したときにおきる可能性のある地震などは見ていないのであろう。CO2地中貯留はアルジェリアの砂漠や北海の海底などで実施されているが、大都市近郊での計画は極めて珍しいという。地震国日本で、大都市近郊や、活断層の近くでCO2地中貯留などすると何が起こるか予想できないから、よもやそんなことは実行されないだろうと考えられる。CO2は高圧で地下に送ると、地中の岩石と化学反応を起こして、一体化し、半永久的に地中に留まると言うが、日本では、同じことがなり立つという保証はないであろう。ベオリアのケースでは、温暖化ガスを減らすのが目的だというが、将来はCO2の排出量取引市場で貯留分に相当する排出権を売却することを狙っていると見られるという。同社やパリ中心部から北東へ約30キロはなれたクレイ・スイス付近で地中貯留を実施するという。地下約1.5キロまで竪坑を堀り、同社の廃棄物発電施設で生じるCO2を送り込むと言う。2012年から13年の事業開始を目指すという。年約20万トンのCO2を地下に封入し、人口5万の都市で、交通部門から排出されるCO2量に相当すると言う。CO2地中貯留には1トンあたり25~80ユーロ(3900~12400円)程度のコストがかかると見られ、現在は排出量取引市場で売却しても利益はでないという。将来のCO2の排出規制が厳しくなることが予想されるうえ、市場価格が上がれば利益を得られる可能性もあるという。しかるに、地震国日本の周縁では、要注意な方策の様に思えるが、実際のところどうなのであろうか。
Mar 24, 2008
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資源・エネルギー・環境問題の視点から見ると、地球環境問題は、新産業革命への道筋を示しているようである。18世紀から19世紀ごろにかけて起こった所謂産業革命は、化石燃料資源経済が引き起こしたものであることが昨今はっきりしてきたように考えられる。化石燃料資源経済が発展し固定化すると、一見便利となったようで、化石燃料資源の価格が新しい科学技術の開発可能性を縛る様になってきている。すなわち、従来の化石燃料資源の価格より、安い新しい科学技術が効率のよい科学技術であると勘違いが起こり、経済が化石燃料資源の価格に大きく左右されるようになってしまっていることが昨今明らかになってしまっている。このような化石燃料経済の視点からみる在来企業や在来研究組織、在来官僚機構からみると、昨今の資源・エネルギー・環境問題や地球温暖化に対する対策は不経済であるという意見が生まれるのが当然である。いつの間にか、一般経済とは化石燃料経済のことと勘違いする風潮が生まれてきているのである。しかし、一般経済とはもっと多次元的でひろいシステムにより経国済民し、人々に福祉するものであるはずである。一般経済の多次元的な枠組みの一つとして、資源・エネルギー・環境問題と地球環境問題が明らかにしたのが、炭素経済とでも言うべき物であろう。炭素社会では、主としてCO2の発生を減少させることが経済性の目標であり、それによってシステムが構築されうることが、だんだんと明らかになりつつある。かつて、化石燃料資源との価格比により、新しい技術の効率が定義されていたように、炭素経済の次元の指標が、一般経済にとりこまれると、CO2削減効率をもって、新しい経済効率の考え方が生まれ様としているのである。一時的に、化石燃料経済から炭素経済の移行期間として両者が対等な地位をもつこともあるであろうが、新しい科学技術革命が引き起こされ新産業革命が引き起こされるころには、炭素経済の次元の方が優位に立つことであろう。それまでは、既得権をもつ在来の経済に関する圧力団体等のプレッシューがかけられることは間違いないが、地球環境問題という人類に対する未曾有の危機が、一般経済を炭素経済に向けて誘導し、新しい科学技術による新産業革命を引き起こすであろう。しかるに、炭素経済といえども、一般経済の最重要システムになるのは、21世紀の間だけ、あるいは、その前半だけかもしれないのである。今後予想される問題は、資源・エネルギー・環境問題の本格的解決などがあるが、また、巨大隕石の落下による地球生命システムの滅亡あるいは、他の星への遺伝子のためのノアの箱船を真剣に考えざるを得ない事態が、今世紀末までに引き起こされる可能性もあろう。そのような状況になると、宇宙開発などが新しい一般経済に加えられるようなことも起きるかもしれないのである。すなわち、一般経済が地球上の人類や生命の営みに重要な考え方であることは間違いないが、化石燃料資源経済は、一般経済のごく一部のエレメントにすぎないことを、そろそろ、関係各者、当局は考える時期に来ているということであろう。
Mar 23, 2008
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日経新聞によれば、松下電器産業などは、タンパク質を使って高性能メモリーを作る新技術の開発に成功したという。極めて小さい金属を規則正しく並べるのにタンパク質の持つ特殊な現象を利用するという。新技術でメモリー素子を作り動作を確認したという。既存の半導体技術では困難な数ナノメートルの微細加工が可能になるという。実用化すれば切手サイズで1テラバイトの記憶容量を持つ素子を低コストで作れると見ているという。松下電器のほか、東北大学、東京工業大学、大阪大学などが参加したという。成果は3月27日から千葉県船橋市で始まる応用物理学会で発表するという。開発したのは、タンパク質の中に金属を入れて基盤上に規則正しく並べてメモリーを作る技術であり、金属を入れるタンパク質には、「フェリチン」をよばれる内部が空洞の球状タンパク質を使うという。直径は12ナノメートル程度であるという。まず大腸菌を使ってフェリチンを大量に作り、金属が入った溶液に浸すと金属の微粒子がフェリチンの中にはいると言う。動作不良の原因になるアルカリ金属を除去するため、ろ過するという。電極などを作り込んだシリコン基盤にフェリチンを含む溶液をたらすと、フェリチンは「自己組織化」と呼ばれる作用によって、あらかじめシリコン基盤の上に作った有機分子膜のパターンに沿って規則ただしく並ぶという。さらに、洗浄・乾燥の後、摂氏500度程度に加熱すると、金属の微粒子だけが規則正しいパターンのまま残るという。このシリコン基盤に既存技術で電極を載せてメモリー素子を作ったという。電圧をかけて電流を流したところ、メモリー素子に必要な電気的特性が得られたという。これまでもタンパク質を使って金属を規則正しく並べる技術はあったという。しかし、タンパク質はナトリウムなどのアルカリ金属を含む生理的な環境でしかうまく機能しないとされていたという。半導体中ではアルカリ金属は故障や誤作動の原因になるため、実際に動作する素子の作成は難しかったという。新技術ではアルカリ金属をほぼゼロにしてもタンパク質が上手く働き、規則正しい構造ができたという。実用化すれば従来の30倍以上の大容量メモリーを低コストで作れるなど幅広い応用が期待できるという。5年程度での実用化を目指す。さて、ここで次に予想される進歩は、バイオコンピューターであろう。バイオコンピューターではレアメタルや化石資源の利用が少なくて済み、また、廃棄処分もバクテリアと水と大気の大循環ですますことが出来るであろう。これは、資源・エネルギー・環境問題の解決としても期待される、革新的新科学技術となろう。一方で、同じ日経新聞に新型万能細胞の記事が載っている。この新型万能細胞技術は、医学の世界から、工学・応用科学の世界に近い将来移行することになることが期待される。それにより、まずは、バイオコンピユーターと相まってサイボーグ型ロボットの誕生を促しうるポテンシャルをもっているほか、人に限らず、様々な動植物などの細胞を必要な性能のものとして増殖させ、結果的に、バイオ系の機能素材を生み出すことになろう。こうして出来上がるバイオ系の機能素材により、およそあらゆる工学技術の結果が、レアメタルや金属、プラスチックなどの素材の役割を減少させ、バイオ系の高機能素材技術が21世紀の主流になることであろう。すなわち、太陽エネルギーにより育ち、不要になると、太陽エネルギーによる水と大気の大循環とバクテリアの作用により、大気圏外の宇宙に廃棄できる様な種類の機能素材、ロボットなどが完成されることになろう。当然、CO2の減少をはじめとする、地球環境問題の解決や、資源・エネルギー・環境問題の解決に大きな影響を与え、21世紀型の新産業革命が起こり、それにより、20世紀型の経済産業システムは大幅に転換を要求されるようになることであろう。
Mar 21, 2008
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日経新聞によれば、月桂冠は,2008年3月19日、京都大学と東北大、神戸大学と共同で、稲わらやもみ殻からバイオエタノールを生産する技術を開発したと発表したという。製造過程で硫酸など化学薬品を使わず安全性が高いのが特徴という。清酒造りに欠かせない「清酒酵母」を活用したという。同社は生産効率を高めて実用化を目指すという。月桂冠などは、酒の原料であるコメのでんぷんを糖に分解する「麹菌」に注目し、麹菌が持つ分解酵素「セルラーゼ」の遺伝子を清酒酵母に組み込んだという。高圧処理した稲わらなどを、この酵母で分解してエタノールを造るという。同社によるとエタノールの生産効率は従来と同程度だが、硫酸など化学薬品を使う必要がないという。でんぷんから直接エタノールを生産する技術は昔からあり、バイオエタノールにも利用されているが、食糧となるでんぷんを分解利用するため、穀物市場の高騰化や、食糧不足のもととなっていたが、食糧としては廃棄物である稲わらやもみ殻からバイオエタノールが効率よく生産できるとすれば、21世紀を担う革新的技術に発展しうる技術であると言えよう。また、稲わらやもみ殻をエタノール化する前に、分解するのに化石燃料を消費する機械技術や、硫酸などの化学物質を使わないので、比較的安全性が高く、その意味でも、21世紀の新技術であるといえるだろう。あとは、遺伝子組み換え酵母の安全性の確認ができ、生産効率が向上すれば、申し分の無い21世紀型の技術であると言えよう。
Mar 20, 2008
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日経新聞によれば、経済産業省がまとめたエネルギー需給の長期見通し案が2008年3月18日明らかになったという。企業や家庭が最先端の製品や技術を導入し、最大限の省エネ努力をした場合、国内の2020年度の温暖化ガス排出量は2005年度比で11%減るという。技術導入が進まない場合は、逆に約8%増えるという。排出量を減らすために企業や家計が払うコストは2008年~20年度の類型で52兆円にのぼるという。長期見通し案は経産省が3月19日の総合資源エネルギー調査会(経産省の諮問機関)の需給部会に提示すると言う。見通し案は最先端技術を最大限活用した場合、2020年度の温暖化ガスの排出量を12億1400万トン(CO2換算)と試算しているという。2005年度の実績に比べると11%減、京都議定書の基準年である1990年度比では4%減であるという。議定書では2008年~12年度の平均で6%減らす様求めているが、このうち3.8%分は森林吸収で、1.6%分は海外からの排出枠購入で賄うとしているという。試算では、家庭や企業にかかる約52兆円の費用のうち、企業の負担は25.6兆円で、省エネ効率の高い照明への切り替えなどオフィス部門で17.2兆円、原子力発電の推進など発電部門で4.7兆円などとなっているという。家庭は26.7丁円となるという。なんとも頼りない限りである。この負担を減少させるためには、今まで存在しなかった省エネ、脱炭素技術を開発実用化し、物が充足されれば幸せであるという「物的福祉」の考え方を、政治経済から払拭し、心が充足されれば幸せであるという「心的福祉』の社会へ変身する必要があるとともに、産業革命以来の技術の全面的見直しが要求されることになろう。そのためには、地球システムレベルでの、科学技術倫理(マクロエシックス)とか、身近な行動規範や倫理(ミクロエシックス)と言った物を、政府関連組織で指し示す(デザインする)必要があろう。
Mar 19, 2008
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日経新聞によれば、政府は新経済成長戦略の柱として、環境を軸にアジア各国とのつながりを深める「アジア経済・環境共同体構想」の原案をまとめたという。このブログでも、かつて、経済関係の共同は当然のものとして、「東アジア環境共同体」の必要性を説いてきたが、そういったものを、アジア全体に展開しようというものであろう。日本企業が持つ世界最高水準の省エネルギー技術を広め、2030年にアジアの環境ビジネスの市場規模を現在の5倍にあたる300兆円に拡大するという。高い経済成長を続ける中国などアジア諸国との連携を深め、日本の成長加速にも繋げたい考えという。東アジア環境共同体には、すなおに合意できるが、経済・環境共同体では、尋常ならない、経済の爆発モデルが示されているようである。環境問題の解決には、経済の適度な成長は必要としても、経済の爆発モデルは、要注意である。環境問題を解決したからといって経済成長が止まると限られることはないが、経済が爆発すれば、それだけでは、環境は確実に悪化するであろう。何事も、中庸をもって旨としという言葉を思い出す必要があろう。とにかく、この構想は福田康夫首相が2007年日本の新たな成長戦略として提唱したという。経済産業省や財務省などが具体策を詰めていたという。政府は6月にもまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)への反映も目指すという。環境と経済を両立するためには、何よりも、革新的科学技術の発展による新産業革命が必要である。構想の対象となる国は,日本、中国、韓国という東アジア諸国と、東南アジア諸国連合(ASEAN)に、インド、オーストリア、ニュージーランドを加えた「AEANプラス6」であるという。原案では日本を含めたアジア諸国との環境ビジネスの市場規模を64兆円から300兆円へ拡大することを目指すという。日本の省エネ技術などの製造技術を移転したりして温暖化ガスの排出量削減に繋げるという。原案では域内の中産階級(年収3000ドル以上)を2030年までに現状の5倍以上の23億人(域内人口の約6割)にするとの目標も掲げている。政府はアジアでの経済・環境共同体造りを通じて温暖化ガスの削減に繋げるとともに、消費・生産市場としても大きな潜在力をもつアジア諸国との関係を深めたい考えだという。1970年頃の、ローマクラブによる「成長の限界」にあるように、現在の技術で資源・エネルギーそして環境も、人類全てが物的福祉(物がみたされれば幸福であるとする)を追求するほどには、地球は十分な資源・エネルギー・環境を満たしていないことが忘れられては、環境問題を解決できないであろう。全ての人類が、物的福祉ではなく、(こころが満たされれば幸福であるとする)心的福祉の価値観を有する様に教育することが、東アジア環境共同体に最も必要なことであろう。
Mar 18, 2008
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本日、人間環境系倫理研究会の、本年度最初で最後の研究会と顔合わせが開かれた。当初,人間環境系倫理の方向性がさだまらない中で、研究会を続ける意義があるのかという率直な意見も会ったが、T大名誉教授のN委員から、可能性ある出版社とオムニバス本の作成について、紹介をうけ、「人間環境倫理大事典」もしくは、「人間環境系倫理の300の言葉」なとという題目で,本をまとめる方針がだされ、来年度も人間環境系倫理研究会をつづけることになった。来年度代表は、私に代わって、T大名誉教授のT先生が行うことになった。まずは万々歳であり、曲りなりにも3年間やってきた効果があったのでよかったと思う。あとは、マクロ・エシックスの立場の先生方の執筆者、および、ミクロ・エシックスの立場の先生方の執筆者とどのようにコンタクトをとり、それぞれ専門領域の小論文を提出してもらうにはどうしたらよいか解決する必要があろう。
Mar 17, 2008
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つい先頃まで、温暖化対策のCO2削減のための、CO2排出の取引に関する用語が、排出権取引と言われていたが、排出量取引に変わってきたようである。排出権より、排出量の方が、実効的なCO2削減量を示しているようであり、投機的な排出権という言葉よりも、有効であるということであろうか。それは、さておき、日経新聞によれば、イギリスの前首相ブレア氏が、温暖化対策として掲げた2つの重要事項としては、「科学技術」と「炭素市場」であり、これらにより、従来型の経済成長を犠牲にせずに排出削減を達成することの条件が整うと言い切ったという。「科学技術」については、昨日のブログでも述べてきたことであるので、今日は、当たり前のこととする。「炭素市場」の核となるのは、「排出量取引」であるが、ここで、ブレア氏が示唆したのは、「国民一人当たりの温暖化ガス排出量を、削減目標の設定に使う方向」であるという。このことについては、日本の技術者と話す時に常におかしいと考えてきたことに回答を与えていると考えられる。すなわち、日本の技術者が、日本の省エネ技術が世界一であるというときに、日本のGDPあたりの省エネ率が世界一であることを言っていることである。この言葉を聞くと、その指標はおかしい、国民一人当たりの省エネ率が世界一というのはあるが、GDP当たりというのは説得力が無いと、言ってきたが、頭の固まった技術者達には理解できないことであるようであった。温暖化ガス発生量にしてもしかりであり、GDPあたりの温暖化ガス発生量がすでに日本では世界一低いとの類いのことを技術者が言っているが、それは、国民一人当たりの温暖化ガス発生量で比べなければ、発展途上国や新興国が納得するはずが無いのは当たり前のことである。政府は、ブレア前首相が言ったかどうかはともかく、日本人が考えても、国民一人当たりの排出量に関して取引をしなければおかしいことを、理解する必要があるであろう。そして、その人類の排出量削減目標に向けて、科学技術の革新的、革命的進化を積極的に押し進めてゆく必要があるのである。
Mar 16, 2008
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日経新聞によれば、地球温暖化に関する主要20カ国閣僚級会合(G20)は、2008年3月15日、本格的な討議に入ったという。日本は技術革新などの重要性を主張し、参加国に協力を求めたと言う。途上国支援でも、日本の資金支援の枠組みを説明するという。G20は2008年7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)に向けた最初の関連閣僚会議で、議長国の日本は、地球温暖化問題で主導権を握りたい考えだと言う。3月15日朝には開会式が開かれ、共同議長を務める甘利明経済産業省と鴨下一郎環境相があいさつするという。鴨下環境相は「全地球で排出減少に転じさせるためには、主要排出国のすべてが参加する仕組みをつくることが不可欠」と訴えたという。2005年の英国グレンイーグルズサミットでG20を提唱したブレア前英国首相は基調講演で、「技術革新などにより革命を起こさなければならない。」と呼びかけたという。まさに、このブログで呼びかけていることである。技術に関する協議では、産業・分野別に温暖化ガスの削減可能量を積み上げて各国目標とする「セクター別アプローチ」も説明されたという。甘利経産相は、協議終了後、同アプローチについて「各国から相当な支持を得た」と指摘したという。技術計画も「(2050年に半減するには)必須なものだという認識が醸成されつつある」と語ったという。一方で,技術革命は、現実にどこまで進むかわからないしろものであるから、仮に、技術革命がなくとも、地球温暖化問題が解決するに至る、限界の削減計画も明らかにすべきである。技術革命により、それよりも削減量がふえれば、事態は安全側で推移することになるが、技術革命はこのブログで語っているように重要であるが、捕らぬ狸の皮算用となってしまっては、地球システムの秩序と、人類の将来が崩壊することになりかねないので、二枚腰の温暖化ガス削減計画が必要であろう。
Mar 15, 2008
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日経新聞によれば、地球環境産業技術研究機構(RITE)とシャープは、農作物や木材などバイオマスから水素を効率的に作る技術を開発したという。取り出した糖を効率よく水素に変える細菌を使うという。燃料電池に使えば、化石燃料から水素を取り出すのと違い、CO2を全く出さない発電システムができるという。遺伝子組み換え技術で開発した大腸菌を利用したという。遺伝子組み換えの起こす弊害について、検討がなされているのかどうかに疑問があるが、最近では新万能細胞の開発などでも遺伝子組み換え技術があたりまえとなっており、化石燃料に頼らない社会を作る為には、やむを得ないのかもしれない。この菌が入った容器に糖を入れると発光して水素ができるという。1リットルの容器に200gの菌を入れて実験したところ、1時間に20リットルの水素を取り出せたという。理論的には、約180gの糖から約100リットルの水素を取り出せるという。まだ基礎的な段階で、理論値の半分しか水素を生産できないという。今後、大腸菌を改良して生産効率を高めるとともに、連続生産できるか試すという。将来はテレビなど家電に組み込んで、コンセントのない製品の開発に繋げたい考えだという。集中型エネルギー供給システム(コンセント付き)と分散型エネルギー供給システム(コンセント無し)の優劣についても考慮する必要がありそうであるが、とりあえず、分散型エネルギー供給システムの可能性がみえてきたことは確かである。バイオ燃料の供給量を増やすとともにコストを低減するために、植物繊維のセルロースから糖を効率的に取り出す研究が世界で進んでいるという。10年から20年後に訪れるとされる水素社会の実現をめざし、水素製造技術の確立が必要となっているという。セルロースがバイオエタノールになるのではなく、直接水素に変換されるというところに、この研究は未来を予言するものであると考えられるが、一方で、食糧でなければ、遺伝子組み換えを何でも施して大丈夫なのかということの検証もする必要があるのではないかという疑問もある研究が増えていると言えよう。
Mar 14, 2008
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日経新聞によれば、カーボンオフセットとは、CO2の削減活動を通じて企業や家庭での排出分を相殺することであり、排出枠購入の他、自然エネルギー利用や植林活動なども含まれるという。燃料消費によるCO2発生を排出枠購入で間接的に賄ったり、エアコンから出るCO2を植林で吸収したりする等の方法があるという。同じく日経新聞によれば、三菱商事グループやダイキン工業などはCO2排出枠を付けた企業向け商品を国内で初めて販売するという。三菱は営業用車両、ダイキンはエアコンをリースするという。商品から出るCO2を、海外調達した排出枠で相殺する「カーボンオフセット」という方法を使うという。自らが枠を取得するのが難しい中小企業でも削減効果を容易に得られるという。2008年4月に京都議定書の約束期間がスタートし、企業への排出減要請が強まるなか、新たな環境商品として、多様な分野でこうした手法が広がりそうだと言う。こうした、細分化された、排出枠の取得で気になるのが、本当に、取得した排出枠のCO2が削減されているかどうかである。古紙再利用のごま化し等が示している様に、一般企業による排出枠の売買が、環境偽装無く、行われているか常に疑問がつきまとう。自らは、カーボンオフセットしているつもりでも、実際は、CO2削減の実体がない可能性は、細分化しすぎた信用関係では不明である。従って、第三者機関による排出枠の認証とインターネットなどを使った、排出枠売買の過程の監視等が必要である。CO2排出枠の環境偽装が行われた場合には、本質的に、資源・エネルギー・環境問題の解決にならず、人類の明るい未来とは結びつかないことになる。大元の排出権取引では、排出枠が第三者機関により監視されていても、分割され微細化された末端部分での保証が目に見える形になっていないと、新たな環境偽装の出現の可能性を否定でいない。排出枠やカーボンオフセットには、信頼できる製品で、第三者機関の監視が保証されていることが本質的に重要なことである。
Mar 13, 2008
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資源・エネルギー・環境問題、あるいは、地球温暖化は、食糧安全保障、資源安全保障、エネルギー安全保障、人間環境系倫理上の安全保障に影響を与えることを、このブログでも危惧してきたが、日経新聞によれば、欧州連合(EU)は、地球温暖化が「安全保障上の深刻なリスクになる」とする報告書を作成したという。水不足や農業生産の低下で紛争拡大や地域の不安定化が予想される上、数百万人の「環境移民」が発生すると警告したという。温暖化対策を怠れば経済的なコストは世界全体の国内総生産(GDP)の20%に上るとしたという。安保面から温暖化の影響を分析するのは初めてで、2008年3月13日からのEU首脳会議で採択される見通しという。EU報告書のポイントは以下の通り。1)地球温暖化は安全保障上の深刻なリスクである。緊張や不安定性を高める相乗的な脅威になる。(すなわち、緊張や不安が人間環境系倫理にいう相互浸透的に進行し、相乗作用がおきる。)2)農地減少や水不足で途上国が不安定化する。先進国でも多大な経済損失になる。(すなわち、日本の技術を使った淡水供給技術や緑化技術をもっと提供してゆく必要がある。)3)温暖化対策の年間コストは最大で世界経済の20%になる。(すなわち、早めの温暖化に対するリアクションをすればするほど、将来の危機的状況は少なくなる。その逆もまた真である。)4)2020年までに数百万人の「環境移民』が発生する恐れがある。(これも、早めの温暖化対策をすればするほど、将来の危機的状況は少なくなる。)5)国連や主要8カ国(G8)会合で温暖化にかかわる安保上のリスクを提唱すべきである。(G8の中で、国連安全保障理事会常任理事国でない国があるのは、環境問題の視点から考えてもおかしなことである。日本も、常任理事国入りを狙うならば、環境問題への目に見える貢献が重要である。)水や食糧を巡る対立や環境移民の移住先での紛争などに加え、沿岸部の水没などで国家間の「領土や海域にかかわる国際紛争が増える」と予測しているという。(日本は海洋にかこまれているので、そうした当事国になる可能性が大きいだろう。)温暖化ガス抑制へ原子力利用が拡大すると「核拡散の新たな懸念が生じる」と警告したという。(日本でも原子力推進派がうごめいているのは要注意である。)報告書は安保上の脅威はとくにアフリカやアジア、中東地域などで大きいと指摘し、先進国等の成長地域でも多大な経済損失をもたらすと見込んでいるという。(日本もアジアの一国であり、中国やインドと関係しているが、将来に禍根を残さないために、これらの地域への交流と貢献が重要である。)その上で国際社会が温暖化対策に取り組めば、経済的なコストは世界のGDPの1%に抑えられると試算しているという。(早め早めかつ、多め多めの対策は、将来のコストの削減に繋がるが、遅め遅めかつ、少なめ少なめの対策は、結果として、対策する意味をなさない結果を生じさせることになるのは、当たり前のことである。将来に禍根を残さない、早めかつ多めの対策を日本も打ち出すべきである。)
Mar 12, 2008
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21世紀の日本の産業構造の環境シフトにより、以下の様な状態が生じることを以前から述べてきた。第1次産業とは「自然界の生態系に働きかけて直接に富を取得する産業が分類される産業」であり、太陽光線(負のエントロピー)のフローの働きかけで、地球環境の水と大気の大循環により、汚染物質(正のエントロピー)を大気圏外に自然に放棄できる産業。第2次産業とは「地球上の生態系とは異なる物質も変化させ直接的に富を取得する産業」であり、太陽光線(負のエントロピー)のストック(化石燃料)などに働きかけて、地球環境の水と大気の大循環により汚染物質(正のエントロピー)として大気圏外に自然に廃棄できにくい物質を変化(消費?)する産業。第3次産業とは『商品やサービスを分配し、物流によるエネルギーの直接大量変換(消費?)をともなう産業」であり、太陽光線(負のエントロピー)のストックに働きかけて、地球環境の水と大気の大循環により、汚染物質(正のエントロピー)を大気圏外に自然に廃棄できにくい物流等を含む産業。第4次産業とは「ソフトウェア産業や情報通信産業や技術開発など物質やエネルギーの直接大量変化(消費?)をともなわない産業」であり、情報のエントロピーに働きかけるが、地球環境の水と大気の大循環による、汚染物質(正のエントロピー)を大気圏外に自然に廃棄できる程度に抑えられる産業。世界経済が,原油価格の高騰やサブプライム問題、エタノール原料の高騰などで、先行き不安感が進む中、日経新聞によれば、トヨタが、春の採用で、高卒を主体とした技能職(第2次産業)で期間従業員から正社員への登用が28%減の900人に留まったにもかかわらず、その一方で大卒を主体とする技術職(第4次産業)採用を増やし、高水準の生産が続く海外工場いぇの支援強化や環境やエネルギーなどの次世代技術開発競争の激化に対応するという。また、日立製作所の春の採用では、新卒採用は1500人で、前年度に比べ500人増やすという。技術部門(第4次産業)中心に即戦力の需要も高まっており、中途採用も500人増やし2500人とするという。1994年度以来の高水準の採用となる見通しで、このうち新卒の大卒(高専含む)は950人と100人上乗せするという。景気不順にもかかわらず、第2次産業内の第4次産業社員の長期的展望は明るいようである。地球レベルでの資源・エネルギー・環境問題のもと企業業績の中に含まれる、第4次産業の社員の比率は今後も高まってゆくと考えられる。競争力の源泉である、技術系社員(第4次産業)の比率が、第2次産業の企業内でも高まってゆくであろう。
Mar 11, 2008
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日経新聞によれば、大日本インキ化学工業、三菱化学、王子製紙、京都大学などが、金属に匹敵する強度で、プラスチック並みに軽い高性能樹脂の事業化研究を始めたという。植物繊維をナノメートル単位にほぐして再び固めると、同じ重量の鋼鉄に比べ5倍も強い性質になることを京大が発見したという。各社が樹脂や木材利用の技術を持ち寄り、2010年以降に建材や家電、自動車向けの強化プラスチックや鋼板の代替を目指すという。このブログでも予言していた、バイオ植物系の構造材の実現は、もうそこまで来ているということである。地球システムの水と大気とバクテリアの大循環システムで消却できるような、構造部材が、化石資源を利用せずに手に入るということである。日本製紙や住友ゴム工業、製紙用薬品の星光PMCなども参加するという。新エネエルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が支援するという。京大の谷野浩之教授らが、植物の体を支える太さ数十ナノメートルの繊維をバイオナノファイバーとして取り出す研究に成功したという。このファイバーを上手く束ねると、5分の1の軽さで鋼鉄並みの強さが出せるという。木材等からファイバーの量産を試す他、繊維強化プラスチックや汎用プラスチック、ゴム原料に均一に混ぜて成形しやすくする技術を確立するという。樹脂に5割程度ふくませた複合材料でも、アルミニウムなどに遜色ない性能を出せる見込みという。家電機器を軽くて丈夫にできるほか、自動車を軽量化して燃費を向上できるという。浴槽や船舶に使うプラスチックも補強用のガラス繊維を植物ファイバーに代替し焼却処分しやすくするという。地球上の化石燃料資源に代わって、バイオ、植物資源として、構造材とな育ちうる材料が今、ここにうまれようとしている様である。
Mar 10, 2008
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